「吾が西方の音」（２４）　―音楽を愛する知人への返信―　　２１１８０２１２
貴方のお手紙を拝見後、色々と考えされることも有り、返事が遅れてしまいました。
貴方は、「小学４年の時、頭を強打し一年間、療養することに成り、その間、ＳＰでクーセビッキイー指揮のベトーヴェンの英雄などを何回も繰り返し聴きき、二つの耳で音楽を聴ける事のへの感謝、二本の足で歩ける事、二つの目で物を見る事、これらを毎日実感出来る事に感謝しながら、今日まで創造活動をされている」と述べ，怪我が貴方の人生観と理解力、感受性に多大なる影響を与えた事は、驚きです。「これまで、グルダのベートーヴェンのピアノソナタ。ヘブラーのモーツアルトのソナタに何度も感動。最近、グードのベートヴェンの自然な演奏、エンドレスのモーツアルトの演奏が素晴らしい。」そして、「ブルックナー、マラー、ベートーヴェンをケーゲル指揮で聴き深く感動、彼の指揮のドンキホーテにも感激、チェロを弾くジャンドロンにも感激、彼の演奏のバッハの無伴奏組曲とシュミットのモーツアルトのピアノ協奏曲は、生涯の宝になった。」貴方が感動しているクーセビッキイ、グード、エンドレス、ケーゲル、ジャンドロン、シュミットは、私にとって残念ながら未聴であり、音楽誌でも取り上げてくれたらと願います。
「私が、どのような音楽をどのように聴いているのか」と言う問いかけにお答えしますと、高校の終わりまで、西洋音楽を聴く環境になく、その後、品位の高い音楽に惹かれ聴く事を始めましたので、貴方の様に演奏を深く理解できません。音を出す道具には、変遷の末、ＳＰは、ジャーマンフジックスのカーボン?、アンプは、ジェフ　ローランドのＭ５２５、ＳＡＣＤプレイヤーは、アキュフェイズＤＰ‐７２０に満足して、愛用していきました、３年前に頭を強打、退院後は、厭世観もあり、今後の事を考え洋服、書籍類を処分し、去年、SPとMAPを手ばなした。ＫＥＦのＬＳ５５０（ワイヤレス）の導入により、小ぶりながらホールの雰囲気を表す演奏に個人的に満足しています。ソフトは、音質が最高だと信じるＳＡＣＤ盤だけに限定、カラヤン、小澤、アシュケナージ盤は、好きに慣れずに処分し、長らく所有していたフルトベングラー盤も、私の理解不足と音質の悪さから手放しました。最近は、Cクライバーに疑念を感じだしています。愛聴盤は、バッハの「マタイ受難曲」リヒターとクレンペラ―。「ミサ曲ロ短調」リヒター。「無伴奏ヴァイオリン全曲」クレーメル。「無伴奏チェロ組曲」フルニエ。「ブルックナー交」ヴァント。「マーラー交」バーンスタイン。「ベートーヴェン交」クリュイタンス。「モーツアルト交」ベーム。グルダの「ベートーヴェンP協」アルゲッチの「P協」。デュ・プレの「チェロ協奏曲」。ヴェルデイ、モーツアルト、フォーレ、ブラームス、ベルリオーズの「レクイエム」、ベートーヴェンの「ミサ」に興味が有り色々な演奏家で楽しんでいます。他の好きな演奏家は、ハイフェツ、クレンペラー、カーゾン、ルービンシュタイン、ショルテイなどで２００曲ぐらい愛蔵してます。
SACD盤は、往年の名演奏家が多いのが私には、好都合です。半世紀前の録音が、演奏と音質が優れているのに感動します。ワルターのベートヴェン、モーツアルト、マーラーとモントーの英雄を再編集してSACD盤による発売を期待します。私の名演奏の選曲の寄り何処は、音楽の友社の「名曲名盤紹介誌」吉田秀和氏、宇野功芳氏、クリスチャン　メルラン氏の著作集等です。最近は、オーデオ誌には、関心が無くなりました。又、特に気力、体力の衰えが目立ち、運動、読書、音楽を聴く事に努めて気力、体力の維持に努めています。
貴方は、音楽を糧に、生涯現役で創造活動を続けられると確信しています。今後の活躍を期待します。　　　　　　　　　　　「」