「吾が西方の音」（１４）
オーデオ機器にある相性　　　　　　２０１４０３２４　
年末の海外製パワーアンプ４台の試聴には、ＳＡＣＤプレイヤーにＤＰ５５０を用いた。その中で特に印象に残ったジェフローランドのパワーアンプＭ５２５とＤＰ７２０で再試聴した。スピーカーは、ジャーマンフジックスの１２０ＨＳカーボン?。ケーブル類は、アコーステックリバイブ製で電源用にＰＯＷＥＲ　ＭＡＸ?とライン用にＸＬＲ-１・ＯＰＡ?そしてスピーカー用にＳＰＣ-ＰＡである。ＤＰ５５０では、問題を感じなかったがＤＰ７２０の組合せでは、高域が強調されぎみになった。電源ケーブルを付属品に差し替えたら自然な音質になったので、其のままで使う事にした。その後ラインやＳＰケーブルも気になりだした。ＳＳ誌のケーブル比較試聴記で「ＨＥＩＭＤＡＬ２」が他より音の広がりが出ると有る。この帯状の特殊な形態のケーブルを用いると確かに音場は拡がったが不自然に聴こえる。村上春樹共著「小澤征爾さんと音楽について話をする」の中で、ブラームスのピアノ協奏曲「第１番」の演奏前にバースタインは、聴衆に向かいグールドとの共演について弁明をした、と言う記述に興味を持ち、グールドのベートベンのピアノ協奏曲全集（ＳＡＣＤ盤）を求めた。その中の「第２番」を聴くと、モノーラル録音であるにも拘らず再生音が２つのスピーカーから明らかに別々に聴きとれた。あたかもステレオであるかのように！チェック用ＣＤでは、同相逆相共、同じ様に聴こえた。この特徴がこの「ＨＥＩＭＤＡＬ２」ケーブルの音質を形成し音場感をより大きくさせているのかも知れないが不思議な体験をした。次にカルダスの新製品「クリアライト」を試聴した。（カルダスの開発理論に納得がいき、以前長らく愛用していた。）ケーブルは、硬くて扱いづらい製品が多く接続部分が緩む心配もあるがこの製品は、柔らかくて扱いやすい。ピアノ協奏曲でのグールドの演奏は、作曲者の意図を演奏家は、どうとらえるべきかという命題は、さておきハミングを交えながら自分の世界に没頭しており、大変面白く心地よく聴かせてくれたが、何処となく整音して鳴っている様で演出を感じた。アコーステックリバイブのＳＰケーブルに繋ぐ時先端が切れた。アンプやケーブルの試聴で何度も繋ぎ変えた為に金属疲労をした。M５２５の説明書には、ＳＰケーブルの裸線接続禁止との記述を思い出し、アンプ側に「ＲＹＧ-１」をＳＰ側に「ＲＢＮ‐１」を取付けた。（しかしケーブルをネジで固定しても外れることが有り不安を残す。）これらのプラグには、テープを巻きつけキャップが緩まないようし、SPケーブルのビニール被膜部分には、迷走電流の防止を謳っている「トライガードテープ」と絹布を巻いて音質対策を施した。その結果、楽器や声の質感がより出るようになり、生々しく自然な再生音に成った。ストコフスキー指揮のグールドのピアノ協奏曲「皇帝」を聴きながら、往年の映画「オーケストラの少女」に出演していた巨匠の雄姿と、初めて立体再生音を聴いた時の驚きと感激を思い出させてくれとても楽しめた。ＤＰ７２０、Ｍ５２５、１２０ＨＳカーボン?、ＸＬＲ-１・ＯＰＡ?、ＳＰＣ-ＰＡの組み合わせは、多少高域寄りの音質バランスながらも機器どうしの相性の良さを実感した。「機器との相性」とは、「聴き手との相性」の事である。最近、ＰＣＯＣＣ−Ａの線材の製造中止を知った。音質がより良いと信じる単線の在庫が見つかれば、昔自作した経験を生かして、低域寄りのバランスになる様にＳＰケーブルを改良してみる心算だ。