私がオーディオに興味を持ち始めたのは中学校に入学してからだ。当時深夜ラジオが流行っていた。レコードはとても高価な時代だ。中学生の小遣い程度では買えなかった。そこで、ＦＭアンテナを立て、オープンリールデッキでエアチェック（録音）することが流行った。特にオープンリールのテープデッキはとてもカッコ良く憧れたものだ。

テープデッキを初めて購入したのは小学校６年か中学１年の時だ。ＳＯＮＹから初めてコンパクト・カセットテープレコーダーが発売され、お年玉を握りしめ伊勢佐木町の有隣堂で購入した。当時有隣堂は洒落た小型家電を扱っていた。横浜はバカボンのパパの生まれ故郷である。汽笛でニューイヤーを迎えた生粋の浜っ子だ。

伊勢佐木町有隣堂の近くにヤマギワ電気があった。中学に入学してまもなく、３点セパレートステレオなる家具みたいなオーディオを親にねだった。欲しかったのは東芝のＩＣボストン。このＣＭで流れていたレット・イット・ビ−でビートルズを知った。そう、私は団塊の世代より下だ。

ステレオは当時のステータスだ。親が買ってくれたのは、型番は忘れたがパイオニア製で１２万くらいだったか。いまなら相当高価だ。オートプレーヤーが懐かしい。

当時４チャンネルステレオが出始めて、マトリックス型のリアスピーカーも購入した。和室では何の意味もなかった。

その後幼少期を過ごした純日本家屋は取り壊した。大黒柱に信じがたい高値がついた。当時のクオリティーが忍ばれる。

オーディオに和室は向かない。一方の現代は、、、殺伐としたフローリング、安物のコーティング壁も見た目は良いが音質的には酷いものだ。見た目だけ好いので始末に悪い。

部屋が散らかってきてから鳴りだした。壁も床もモノであふれかえっている。それにしてはクリアな音像だ。細部が鮮明で豊かさも兼ね備えている。２流ホールよりマシだとの気づきはホールへゆくしかない。何事も経験だ

四方山話

オーディオ経験は諸君等の方がまともな判断を下せると思う。ＰＣオーディオ熱に浮かされていたときが私のピークだ。興味が失せたら生ける屍である。アコリバシングルコアで長年の悩みが消え失せたら気が抜けた。

それでも、最後の気力を振り絞って、素晴らしい体験をさせてくれたシングルコアを伝えたい。もうそれだけである。ユーザーを無理やり２極化するよりも伝えることだ。