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     インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
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投稿者 スレッド
Yo
投稿日時: 2012/6/15 21:46
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない

「解像度」に続きまたまた問題発言をさせて頂きます。
それはアームの機能としてのインサイドフォースキャンセラーが肝心のインサイドフォースをキャンセル出来ていないばかりかカートリッジに対して危険な要素を含んでいることを誰も言わないこと、そしてこの機能を音質調整の一方法として重要視されている方が意外と多いことに懸念を持っているので投稿させて頂きます。

まず、インサイドフォースとはオフセットアームに取り付けたカートリッジの針でレコード溝をトレースした時、溝と針の摩擦力で針が溝の接線方向に引っ張られる力がオフセットアングル(アームの支点と針を結んだ線に対してカートリッジが傾いて取り付けられている角度)を基にする角度によって生じる分力がレコードの内周方向に働くことです。ですからリニアトラッキングアームでは生じません(厳密にはわずかに生じたトラッキングエラーアングルによるインサイドフォースでアームが移動すると考えられないこともありません)。

ここでハッキリさせたい事はこのインサイドフォースは針に掛かる力であってアームに掛かる力ではないということです。それに対してインサイドフォースキャンセラーという機能はアームを外側に引っ張る機能です。つまりインサイドフォースがかかる針に糸でもつけて外側に引っ張る機構ならキャンセルと言えなくもありませんがアームを引っ張っている機構ではキャンセルなどしていません。それどころか針は内側に引っ張られアームは外側に引っ張られる・・・つまり引っ張り合いをしている結果、カンチレバー(針のついた棒)の付け根(ダンパー部)には負担がかかります。たまにカンチレバーが内側に曲ったまま(内側の方向を向いたまま)になったカートリッジを見かけますがこれはインサイドフォースキャンセラーのかけ過ぎが原因と考えられます。

只この機構が全く無益かというとそうでもなく、針先が音溝にそってきちんと動いて音溝通りに発電するにはカートリッジが不要に動いたり振動しないことが大前提ですのでそれを防止する為に一定のわずかな力(テンション)をカートリッジにかけておくという意味では有用な面もなくはなく、この場合キャンセラーという名前ではなくアウトサイドテンションというべきものと思っています。もともとキャンセルもしていないのにキャンセラーという名前を使ったメーカーの大罪だと思っているくらいです。

ここでもう一つアームメーカーのキャンセラーの設定は針圧を基準にしていますがこれは各メーカーが勝手に言っている事であって、インサイドフォースに関しての基準やそれに対しての設定など論理的な基準はないのです。先に申したようにインサイドフォースは針と音溝の摩擦力とオフセットアングルに起因していますが、摩擦力に関して針圧は一因ではありますが、他の要因として無音溝と有音溝でも違いますし、針の形状(丸針、楕円針、楕円の度合い、ラインコンタクト針など)でも違います。そして汚れた溝、クリーニングされた溝、ビニル表面の処理剤の有無によっても変わります。要するにインサイドフォースの主原因である溝と針の摩擦に関して針圧は一因に過ぎず、常に変化しているのです。

もう一つの要因のオフセットアングルにしてもトラッキングエラーがゼロに安定している訳ではなく、最大2度程度のエラーアングルが変化しながら存在します。つまりレコードの外周から内周までオフセットアングルにトラッキングエラーアングルがプラスマイナスすることでインサイドフォースに起因する角度は時々刻々変化しています。つまりインサイドフォースに関する一定の基準はないばかりかアームにかけるキャンセラーの力の基準なんてどこにもないのです。メーカーの設定も目安でしかなく、実測するとたぶんメーカーごとの設定は全く違うものであると想像できます。

話は変わりますが、この機構の別名称としてアンチスケーティングというのがあります。この名前に由来してかテストレコードでその鏡面部に針を落として内側に滑らないようにキャンセラーを設定するというのがありますが、お気付きのように針先端とビニル鏡面部との摩擦力(傷が付きますので引っ掻き力が正しいかも?)と実際の摩擦力は全く違いますのでナンセンスも甚だしいものと言えます。実際のトレースの摩擦力よりはるかに大きな力がかかるのでキャンセラーの設定も大きくしないとスケーティングは止まりません。かつてあるオーディオ販売店で「使わなくなったLDの利用法」としてこのアンチスケーティング調整に使うことが書かれたことがありますが、さすがにしばらくしてその記事は削除されました。きっとトラブルが多発したのでは?と想像します。

再度申しますがこのインサイドフォースキャンセラーを音質調整の一つとしてお使いになるのは結構ですが、その掛け過ぎはカートリッジに負荷をかけて痛める可能性のあることは間違いのないことと思います。十分お気をつけられることを願っております。
只、曲がっても音は出ます。余計なお世話とお考えの方は読み飛ばしてください。

(追伸)
アームメーカーの方がこのスレッドをお読みになって私の論理や説明が間違っているとお考えならきちんとご反論お願いいたします。そして針圧を基準とした設定どおり使う限りカンチレバーは絶対に曲がらないと仰るならその保証もきちんとお願いいたします。
zappa1993
投稿日時: 2012/6/27 19:14
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん

こんばんは
zappa1993です。

私はアナログプレーヤーを持っていませんので、出てくる言葉や仕組みはよく分からないのですが、書かれている内容の真相がどうなのかずっと考えていました。
ネットで「インサイドフォースキャンセラー」と言う言葉を検索して、アナログプレーヤーには色々な調整事項があることを知りました。(昔はアナログプレーヤーを使っていたのですが、CDPに移行してからだいぶ経つため殆ど覚えていません)
Yoさんの投稿の内容を繰り返し頭の中で考えてみて、どの程度理解できているのか分かりませんが、分からないなりに私の思ったことを書かせていただきます。
アナログプレーヤーも無く、想像の範囲内でしか分かりませんが、今後再びアナログを始める時の基礎知識になると思いますので、誤りがありましたらご指摘ください。

この1週間くらいで私の考えたことを時系列に書きますと
1. 書いてあることがよく分からない
2. 書かれている方法でもインサイドフォースはキャンセルされているのでは?
3. 書いてあることはもっともで、針に負担がかかっているかもしれない
4. 負担はあると思うが、僅かなもので気にすることも無いのでは?
と移り変わりました。

まず最初に思ったのは、アームにカードリッジが固定されているのなら、アームとカートリッジは一体化されていると言うことであり、アームを外側に引っ張れば針(カートリッジ)が内側に引っ張られる力をキャンセル出来るのではないかというものでした。

しかし、これを単純化して絵に描いてみると、針が引っ張られる力とアームを引っ張る力とは作用点が別の高さにあることが分かります。
つまり、両者の力がつり合っていると言うことはこの両点の間のどこかに負担がかかっているという事であり、Yoさんの考えが正しいと思い直しました。
(これが仮に針を外側に引っ張る力が青い矢印の高さにあれば、両者がつり合えばどこにも負担がかからずに力はプラスマイナス0になると思います)

次に、これは全てを極端化すれば理解しやすいと思いますが、2つの作用点の高低差を大きく、内側・外側への引っ張る力を大きくし、針を細く曲げ抵抗に弱い素材であると仮定すると、この針は内外に引っ張る力でつり合い、位置を保ったとしてもかかる負担が大きく折れ曲がってしまうでしょう。
しかし実際には、針が折れることがまずないと言うことは、針が内側に引っ張られる力はそれほど大きなものではなく、それとつり合う力でアームを外側に引っ張ってバランスを保ち、両者の力が打ち消し合ったとしても、針への負担はほぼ考えなくてもよい程度だと考えることもできます。或いは針の強度が十分強いのかもしれません。
(カンチレバーが曲がっていることがあるという事との因果関係は私には分かりません)

私には、針を内側に引っ張る力は存在するが、それほど大きなものではなく、針に掛る力とインサイドフォースキャンセラーとして働く力の作用点が違っても、針を痛めるほどの負担にはならないように思えます。ただし全く負担が無いとは言えないのでインサイドフォースキャンセラーというものを安易に使うべきではないのかもしれません。
逆に、アームを引っ張る力が大きすぎた場合、針が内側に引っ張られる力とのバランスが崩れ更なる負担が考えられるが、つり合う以上に大きな力がかかったとしても、針が曲がる程の負担がかかる前に針がレコードの溝から外れ外側に流れるように思います。

Yoさんが仰るように、アームを引っ張ったところで、それは針に掛る力と同一点で逆方向に働く力ではない為、キャンセルと言う言葉は不適格だと思います。(アウトサイドテンションとは言い得て妙です)
オフセットアングルと言うものの関わりについては、あまり理解できていません。
(摩擦力が針の状態や盤の状態によって常に変化するというのは納得です)

構造上アームを外側に引っ張ってインサイドフォースを打ち消すことは、針に負担をかけるという点においては私も同感です。
負担負担と書きながら実際の力がどれ程の物なのか分からない上に、まだ自分の中でも固まっていない考えですが、Yoさんのご意見をお聞かせいただけますでしょうか。

※試しにシャーペンの芯を針に見立てて実験してみると、ある程度の負荷がかかると折れてしまいました。
問題はレコードプレーヤーでどれ程の負荷が生じているのかと言うことではないでしょうか

Yo
投稿日時: 2012/6/29 14:39
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
zappa1993さん

書き込み有難うございます。
このままどなたも書き込まれないで終わってしまうのかな?と思っていましたが、アナログをされないzappa1993さんが書き込まれたこと、驚きと共に感謝感謝です(笑)。
そして実際に機器をお持ちで無いのにいろいろお考え頂けた事も感謝です。

さて、一つづつ返事させて頂きますが、私が言わなかった正面図まで付けて頂けた事もお 礼を申しあげると共に私も図面を添付して返事をさせて頂きます。

まず
>1.書いてあることが良く分からない
これにつきましては仰ることは良く分かります。専門家が読んでもきちんと伝わる事を目的しましたので馴染みの無い言葉を多用していますし、ある程度知識がある方を前提にしておりましたので失礼しました。どなたかが反論や質問を書いて頂いたら分かるように追記するつもりでした。
ここで簡単にインサイドフォースが発生する仕組みとそれにまつわる言葉の説明を図示いたします。


オフセットアングル:アームにカートリッジを傾けて取り付ける角度
オーバーハング:針の位置をターンテーブル中心より先に来るように設定する量
有効長:アームの支点とターンテーブル中心の距離
実行長:有効長+オーバーハング
トラッキングエラーアングル:針の向きが溝の接線方向とずれる角度
インサイドフォース:図のように針が溝の接線方向に摩擦で引っ張られる力とそれに呼応するアーム支点で支える力の二つの力の合力(前回は分力と書きましたが合力の間違いです)
もう一枚有名なアーム(SME Series V)のデータで針の軌跡とトラッキングエラーアングルとオフセットアングルの合計値の変化を示します。角度が変化する事がお解かりいただけると思います。オーバーハングと有効長が決まれば溝の接線に対しての角度が出ますのでその範囲内でベストなオフセットアングルを決定すれば良いと思いますが、なぜ23.635°などと言う細かな設定になっているのか分かりません。SMEのアームはカートリッジの取り付けの自由度がなくアームをスライドさせ有効長を変化させて調整を行う方式なのでカートリッジによってはこの図と異なる事があります。


>2. 書かれている方法でもインサイドフォースはキャンセルされているのでは?

これも仰るとおりで、キャンセルと言う言葉としては適切ではないですが、針が溝の内周側の壁に押し付けられる力をカートリッジ全体(アームと一体になっていますので)を外側に引っ張る事で「緩和する」と言う事に関しては効果は有ります。

ただ
>まず最初に思ったのは、アームにカードリッジが固定されているのなら、アームとカートリッジは一体化されていると言うことであり、アームを外側に引っ張れば針(カートリッジ)が内側に引っ張られる力をキャンセル出来るのではないかというものでした。

・・・とお書きになっていますが、アームとカートリッジは一体ですがカートリッジと針(カンチレバー)は一体ではない事が問題なのです。針は音溝に沿って振動して発電しますのでカートリッジの中に支点とダンパーが存在して可動出来るようになっていますので針にかかる力はキャンセルできていない・・・というのが論旨です。

>しかし、これを単純化して絵に描いてみると、針が引っ張られる力とアームを引っ張る力とは作用点が別の高さにあることが分かります。
つまり、両者の力がつり合っていると言うことはこの両点の間のどこかに負担がかかっているという事であり、Yoさんの考えが正しいと思い直しました。
(これが仮に針を外側に引っ張る力が青い矢印の高さにあれば、両者がつり合えばどこにも負担がかからずに力はプラスマイナス0になると思います)

素晴らしい絵を有難うございます。かつて私もこの絵を描いてこのキャンセラーに疑問を持ったことを思い出しました。そしてこの青の矢印が私が前文で申した「針先に糸をつけて外側に引っ張るならキャンセルと言える」・・・そのものです。
せっかくお書き頂いたのでもう一点指摘させて頂きますと、作用点の高さの違いが一般の アームなら問題無いのですが、ワンポイントサポートタイプの場合ラテラルバランス(水平バランス)に対して回転モーメントが発生しますので、それがどの程度音に対して悪影響するかはわかりませんが強くキャンセラーを掛けた場合の不安定さは想像できます。

>(カンチレバーが曲がっていることがあるという事との因果関係は私には分かりません)
私には、針を内側に引っ張る力は存在するが、それほど大きなものではなく、針に掛る力とインサイドフォースキャンセラーとして働く力の作用点が違っても、針を痛めるほどの負担にはならないように思えます。ただし全く負担が無いとは言えないのでインサイドフォースキャンセラーというものを安易に使うべきではないのかもしれません。

「曲り」と書いたので誤解があったと思います。下記にカートリッジ正面から見た針の状態を示します。カンチレバーは曲がりません。カンチレバーの支点から傾いたままになったことを言います。


キャンセラーの力はさほど大きくない・・・との事ですが、上記のSMEアームのオフセットアングルから計算すると・・・インサイドフォースの力は溝と針の摩擦力の(オフセットアングルの半角のsinの2倍)ですから2xsin11.82=0.408となって摩擦力の約4割の力がインサイドフォースとなります。これに対応するキャンセラーを掛けると短時間では問題ないですが長時間(LP片面で20分として一日1枚聴くと年間で240時間)この力がかかり続けたとしたら大きいと思いませんか?
※ ここで前文で「引っ張り合いをする」と書きましたが、針は溝で止まっていますのでカンチレバーの支点にかかる力(負担)はインサイドフォースキャンセラーの力のみです。

>負担負担と書きながら実際の力がどれ程の物なのか分からない上に、まだ自分の中でも固まっていない考えですが、Yoさんのご意見をお聞かせいただけますでしょうか。

かかる力は上記の計算から類推して頂くとして、実際に針が内側(正面から見て左側)に傾いたままになったカートリッジの経験を申します。
1) 私の友人でインサイドフォースキャンセラーの設定に凝って数本の針を曲げてしまった人がいます。その後怖くなってキャンセラーはわずかしか掛けなくなってからは曲げた事がないとの事で、私がこの説明をしたら納得してくれました。
2) 私と同じアーム同じカートリッジを使っていた友人でやはり曲げてしまった人がいます。聞いて見ると「それほどキャンセラーはかけてないのだけれど」との事ですが設定値で使っていたようです。私は設定値の半分以下でアウトサイドテンションとして使っていましたのでもちろん曲げていません。
3) 他知人2人とオークションで曲がったカートリッジの出品を見たことがあります。
いずれも左に曲がったものばかりで右に曲がったものは見たことがありません。
もう一つはこの掲示板のアナログの別スレッドでケミさんが報告されているライラのカートリッジです。湿式のスタイラスクリーナーの使い方と考えておられますが左に曲げる力はキャンセラーしかありませんので曲がった原因はこれと想像します。
ケミさん、勝手に引用して申し訳ありません。平に謝ります。

いずれにしても調整してすぐに問題が発生するものでは無いので見過ごされがちですが「長期間使って気がついたら曲がっていた」と仰る方が多いです。

zappa1993
投稿日時: 2012/6/30 1:18
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん

こんばんは
zappa1993です。

詳細なご説明ありがとうございます。
また、いくつか勘違いをしている部分があったようで、ご指摘ありがとうございます。
分からないながら、パズルを解くような感覚で考えてみました。
アナログプレーヤーは多くの調整機構があるようで、拘りだすと実に奥の深い趣味ですね。
これらの調整次第で再生音が変わるだけでなく、機器への負担も変わるのであれば、音の変化だけを基準に調整するのではなく、構造を良く理解した上での調整が好ましいというのがよく分かりました。

図を載せて頂いたことでより分かりやすくなりました。
そして以下の一文で私の疑問点が解消されました。

>アームとカートリッジは一体ですがカートリッジと針(カンチレバー)は一体ではない事が問題なのです。針は音溝に沿って振動して発電しますのでカートリッジの中に支点とダンパーが存在して可動出来るようになっていますので針にかかる力はキャンセルできていない・・・というのが論旨です。

なるほど、そういうことだったのですね。
私は、カートリッジに針(カンチレバー)が刺さっているようなイメージで考えていました。
カートリッジに支点があるのであれば、カンチレバーがその支点で傾くのは当然起こり得ることです。(アームと針との間で一番柔らかい部分だからです)
また、ダンパーがあるならアームを引っ張る力はそこで吸収され、ダンパーの上下では作用する力の大きさに差が生じてしまいますね(これが傾く原因では?)

>「曲り」と書いたので誤解があったと思います。下記にカートリッジ正面から見た針の状態を示します。カンチレバーは曲がりません。カンチレバーの支点から傾いたままになったことを言います。

カンチレバーが支点から傾いた状態(最初は僅かな傾き)で、針の先端の位置が内外に移動しないのであれば、この傾きを直すためには?の方向(内側)にアームを引っ張る必要があると思われます。
しかし、インサイドフォースキャンセラーがアームを?の方向(外側)に引っ張る機構であるなら、アームを引っ張る力は円内の力としてカンチレバーに伝わり、カンチレバーは更に傾くことになります。
どこか見落としや矛盾点はありますでしょうか?

カンチレバーが曲がる(傾く)と言うのは、短期間に大きな力が加わったものではなく、長期間にわたり力が加わり続けることで、支点部分の強度が徐々に落ち、あとは加速度的に傾きが進むのではなかと思います。

まとめると、インサイドフォースキャンセラーはアウトサイドテンションとして有効に働くが、同時に常にカンチレバーを傾ける力を与え続けていると言うことになるのではないでしょうか。
Yo
投稿日時: 2012/6/30 23:28
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
zappa1993さん
早々のお返事ありがとうございます。
概ねご理解頂けたようでありがとうございます。
若干の追記と説明をさせてもらいます。

まず、私の言うアウトサイドテンションに関してですが、これはインサイドフォースに対してのものではなくカートリッジ本体の安定の為にわずかにかけておく程度のこととお考えください。針は溝の波打ちに対して追従して振動し発電を行います。この時カートリッジ本体は基本的には動いてはいけません。しかし溝はらせん状に内側に向かいますのでカートリッジはそれに追従して動かなければいけません。要するに可動でなければならないが振動などの余計な動きをしてはいけない。カートリッジが余計な振動をしてしまうと針の振動が正確な溝の波形と異なってしまいます。突然大振幅の音の波が来たときにもカートリッジ本体は余計な動き(微振動)をしないためにわずかな力を常時かけておくためのもの・・・これがアウトサイドテンションでキャンセラーの設定値の半分以下(1/3程度で十分)の軽いものとご理解ください。

次にお書き頂いた図ですが、キャンセラーが掛かっていない状態でも針が傾いているように理解されているかと思いましたので再度書きますが(私の勘違いならすみません)
キャンセラーが掛かっていない状態では何の負荷もありません。つまり下記の図のように針に掛かるインサイドフォースは溝の内側の壁からの抗力でつり合っていますのでカンチレバーやダンパーには負担はかけていないのです。その下の図の?の状態です。



ここにキャンセラーがかかると?の状態となってカンチレバーやダンパーに負荷がかかった状態となります。この図では少し針が傾いたように書いていますがダンパーが元気なら(劣化していない状態なら)そしてキャンセラーの値もアームの規定値(針圧に応じた設定値)程度なら傾いて見えることはないと思います。しかし、このキャンセラーをきちんとかけた場合(また規定値以上の力をかけた場合)場合には年月とともにダンパーが劣化して知らず知らずの間に傾いてしまう?・・・ということです。

ここでもう一つ言いたいことは「ダンパーの劣化(エージング)は決して悪ではない」ということです。ダンパーとは元々針が傾いてしまわないように(設定の位置を保持するように)付けられた必要悪と言えるもので針の動きに制動をかけてしまう面も持ち合わせています。ですからある程度使ってダンパーのエージングが進むとともに音が滑らかになるのである程度の劣化は良いことなのです。針の摩耗もありますが人によってはこのダンパーがへたって針圧にも耐えれずにカートリッジの高さが下がるまで使うという人もいます・・・私はそこまで使いませんが・・・(笑)。要するにダンパーが適度に劣化してくれた音の良い時に針が傾いてしまってはもったいないと思うのです。
zappa1993
投稿日時: 2012/7/1 8:24
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん

追記ありがとうございます。
どうやら根本的なところが正しく理解できていませんでした。
私はインサイドフォースにより針が内側に引っ張られ、カンチレバーが傾く力が生じているものと誤解していました。
針と溝の関係を図解していただいたことで理解できました。
インサイドフォースによりカンチレバーが内側に傾かないのであれば、その次の図も私が書いたものは間違いで、Yoさんが書かれたものが正しいですね。

ダンパーのエージングについては初めて聞きましたが、針の振動による電気信号でレコードの溝から音を作り出しているのであれば、この部分の状態により音が変わるのは理解できます。
その後の劣化を見越して、新品の状態では多少硬めになっているということですね。

私のようなアナログプレーヤーを持っていない者にお付き合いいただきましてありがとうございます。
色々と勉強になりました
素人目に見ても、インサイドフォースキャンセラーにカンチレバーを傾ける危険な要素が含まれているのが分かりますが、専門家等で指摘する人はいないのでしょうか?

Yo
投稿日時: 2012/7/1 22:45
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
zappa1993さん
こちらこそありがとうございました。
ご質問のおかげでほぼ書きたい事も書けましたし、私自身も熟考させて頂いた面もあり第一文の改正をすることも出来ました。感謝しています。

アナログはこのオフセットアングルやキャンセラー、そしてダンパー以外にも必要悪はいろいろ存在します。ある意味「アナログは必要悪のバランスで成り立っている」と言っても過言ではないと思っています。今回のインサイドフォースキャンセラーの話は以前から「おかしい」と思っていたのですが針が傾いたカートリッジを見たり、友人の経験談を聞いて「危険」と感じるようになりました。特に近年の設計の高級カートリッジで傾いた事例を見るにつけ、音質重視の設計ではそれほど強力なダンパーを付けないからかと思うようになりました。このアコリバの掲示板でもキャンセラーの調整が音質調整に有用と仰る方もあるようなので「やり過ぎは良くないですよ」の意味を込めて書かせて頂きました。

>素人目に見ても、インサイドフォースキャンセラーにカンチレバーを傾ける危険な要素が含まれているのが分かりますが、専門家等で指摘する人はいないのでしょうか?

メーカーの人や専門家が出てきてほしいのですが、まず無視するでしょう。基本的には反論できないと思いますしメーカーにとっては「設定値で使う限り針は曲らない」と保証せよと言われても困るでしょう。評論家などはおかしいと思ってもメーカーの悪口は書けないし、音質評価でとっかえひっかえして音を聞くだけの評論家がそこまで技術的な事を考えている人も無いように思います。
管理人K
投稿日時: 2012/7/8 22:20
管理人
登録日: 2007/12/10
居住地:
投稿: 1907
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん、zappa1993さん、こんばんは。

図解付きの判り易いご投稿を頂きまして感謝申し上げます。

以下、あくまでも個人的な意見を述べさせて頂きます。

まず、インサイドフォースキャンセラーの値を針圧の値に合わせるというのは以前から疑問に思ってました。
その理由は単純で、実際にインサイドフォースキャンセラーの値を針圧の値に合わせてベストな音質になった事がないからです。
故に私はこれまでインサイドフォースキャンセラーの値はゼロに近い状態から徐々にかけて行きベストと思われる箇所で設定していました。
また、レコードにおけるインサイドフォースキャンセラーの調整位置はレコードの外周部と内周部で変わるので平均的にベストと思われる箇所に設定していました。
尚、そのベストと思われるインサイドフォースキャンセラーの値はアームやカートリッジによって様々でした。

次にインサイドフォースキャンセラーのかけ過ぎによってカンチレバーが曲がってしまうかどうかについてですが、これは経験がないので何とも言えません。
私が設定してきた値は平均して針圧の値よりも若干低めだった事が多いのですが、私の環境においてカンチレバーが曲がってしまった事はありませんでした。
ケミさんの場合は湿式の針クリーナーの液の付け過ぎでダンパー部分などが腐食してしまったのがカンチレバーが曲がってしまった最大の原因だったようですが、曲がり方を観ると確かにYoさんの主張通りなのかなという気もします。
しかし、その後ケミさんは同じインサイドフォースキャンセラーの値で使用していて曲がってはいないのでこれも断言は出来ません。

この掲示板でも名前が出て来る某JAZZ喫茶などはSMEのトーンアームのインサイドフォースキャンセラーの独自の調整法で神格化されたほどです。
その調整法とはSMEのインサイドフォースキャンセラーの糸を引っ掛ける溝が大まかなので自身でより細かい溝を掘って音質を調整するというものでしたが、確かに理解出来なくはありませんでした。
その理由はインサイドフォースキャンセラーの値で意外なほど大きく音質が変化するからです。
これは気のせいではないと思います。

最後にインサイドフォースキャンセラーは音質に有効なのか、それとも害はあっても効果はないのかと事で言えば、私はそれなりの効果はあると思います。
何故ならインサイドフォースキャンセラーの値がゼロの場合、45回転の12インチシングルなどカッティングレベルの大きなレコードでは片チャンネル(確か右チャンネル)が歪んで聴こえるからです。
この歪みはインサイドフォースキャンセラーの値を徐々に増やす事によって無くなりましたので、針先の音溝に対しての圧力を均等にする効果は少なからずあるように思いました。

その歪みの他、インサイドフォースキャンセラーの調整によって音像定位や帯域バランスなども変わったように感じる事が多いのですが、それ以上に大切なのはアナログプレーヤー自体の平行であり、アームの傾きを無くすラテラル調整であるのは言うまでもありませんし、それらの調整の方がインサイドフォースキャンセラーの調整よりも音質的な影響も遥かに大きいとは思います。

アナログレコードしかない時代でしたら、実際にカンチレバーにかかる圧力などの検証も行なわれたのかもしれませんが、今の時代では難しいのでしょうかね?
ぜひ事実を検証して欲しいものです。
Yo
投稿日時: 2012/7/10 1:43
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Kさん

ご丁寧な書き込み有難うございます。

Kさんがキャンセラーを音質調整に有用であると考えておられる事は以前から知っておりましたので、このスレッドの立ち上げには躊躇と緊張をいたしました。それでも書き込もうと思い立ったのは実は前段があるのです。Kさんもご存知のあるレコード店店主がレコードを聴く会で「あるメーカーのPLとアームでメーカー指定値が1.5gの所を徐々にキャンセラーの値を増して行ったら1.8gで音の焦点が決まって良い音になった」と話し始めたのです。私は当然「それは危険です」と申してその場は気まずくなりました。その後日談も有るのですがそれは置いておいて、その時思ったのが「キャンセラーを音質調整に使う人はメーカーの指定値を越えて使うんだ」と言う事でした。それでキャンセラーの実情は伝えた方が良いと思ったわけです。しかしこのお返事でアームの指定値より低めでベストポジションがあるとの事ですので指定値を越えずにお使いとの事で少し安心いたしました。

さてここでKさんの書き込みの論点は2つ有ると思います。
一つは
>次にインサイドフォースキャンセラーのかけ過ぎによってカンチレバーが曲がってしまうかどうかについてですが、これは経験がないので何とも言えません。

・・・との事ですが、実の所私も曲げた事は無いのです。というか昔からこのキャンセラーには感覚的に疑問を持っていましたので指定値よりは小さくかけていました。その後力学的に考えてもやはりおかしいとの自分なりの結論に至った後のことは前文のとおりです。キャンセラーの力や方向から言ってもカンチレバーに負担がかかり、その方向と針の左曲がりとは無関係とは言いがたいとの思いから「警鐘」として書かせていただいたつもりです。

もう一つは
>最後にインサイドフォースキャンセラーは音質に有効なのか、それとも害はあっても効果はないのかと事で言えば、私はそれなりの効果はあると思います。

これに関しては私も有害無益なものとは申しておりません。「カートリッジの不要な振動を抑える効果」と「厳密な意味でキャンセルはしていないが針がインサイドフォースによって内側の溝壁(左チャンネル)に押し付けられるのを緩和する効果」・・・は有ると申しております。
そこで「音質への効果」の件ですが、言葉の問題かもしれませんがそれを「トレースの安定性への効果」と「音の質感への効果」を分けさせて頂きたく存じます。それは私自身がアームの調整をした後にキャンセラーの値(0〜指定値)を振っても耳がタコなのかも知れませんが「音の質感への効果」は感じないのです。Kさんがおっしゃる「帯域バランス」の変化はこの効果に入ると思いますが私は感じません。「トレースの安定性への効果」は感じる時がありますが指定値の半分程度で不安定だった事はありません。Kさんの仰った「45回転での右チャンネルの歪み感」などは周速が早い分、針が引っ張られる力(摩擦力)が高いのでインサイドフォースも大きくなるのでその例かと思いますし「定位感」にしてもちゃんと設定してあれば左右の音量変化があるとは思えないので右チャンネルの不安定さの問題であろうと思います。

ここで私の調整方法を申しますと、まず針圧は推奨値、キャンセラーは半分程度、アームの高さは水平もしくはわずかに頭下がりで、有効長(時としてアームの設計の有効長が狂って取り付けられてあるPLもあります)、オーバーハング、そしてカートリッジ取り付けの穴が長穴である程度調整可能な場合は傾き(オフセットアングル)の3点の調整を徹底してやります。これでほぼトレースの安定性(音の実在感)を調整は出来ると思っています。その後針圧の調整(私の場合大抵は推奨値の下限となる場合が多いです)そして最後にアームの高さで帯域バランスを調整します。オルトフォンの旧タイプアームのようにキャンセラーのないタイプでも有効長、オーバーハングの微調整を徹底してやる事でトレースに不安定さはほぼ感じない程度まで追い込めると思っています。私のオルトフォンSynergyを付けたRMG212で試しに45回転LPを聴いてみましたが右チャンネルに不安定さは感じませんでした。

>それ以上に大切なのはアナログプレーヤー自体の平行であり、アームの傾きを無くすラテラル調整であるのは言うまでもありませんし、それらの調整の方がインサイドフォースキャンセラーの調整よりも音質的な影響も遥かに大きいとは思います。

仰る通りですね。かつて私もいろいろ試したことがあります。わずかにすり鉢状に中央が窪んだアルミのターンテーブルシートにクランプするスタビライザーを使ってレコードを押さえつけ針がトレースする面を水平に調整したり、インサイドフォースキャンセラーを嫌ってその代わりに針がトレースする面に勾配をつけてワンポイントアームでラテラルバランスも同様に傾けて引力によるアウトサイドフォースをつけて聴いたりしましたがいずれも良い音にはなりませんでした。・・・懐かしいです(笑)。

最後にレコード外周と内周での差を述べられていますが、トレースに関してその差は感じたことはありません。前述のSME Series Vのトレース図を見て頂ければわかると思いますが針とアーム支点を結ぶ線と接線のアングル(角度)は最外周で最も大きく内周に針が進むにつれて小さくなって中央あたりで最低になり、そこからまた大きくなって最内周で最外周に近い値となります。これは何種類ものアームデータを元にCADで書いて角度を求めた経験上すべてこのような設定になっています。つまりオフセットアングルはこの最大と最少の中間で設定しますのでトラッキングエラーアングルは最外周でプラス、中央でマイナスそして最内周で再びプラスとなります。よって針と溝との関係は最内周では最外周と同じような状態になります。只、周速は最内周では最外周の半分以下となりますので溝の状態が同じであれば針を引っ張る力は半分以下となりますのでインサイドフォースも最内周で最少となります。キャンセラーを強くかけると最内周でかけ過ぎとなる可能性はあります。古いレコードで内周で音が歪むものがありますが、これはかつてのオーナーがトラッキングの悪い針でトレースした為に溝を傷つけたと考えます。

余計なこともいろいろ書きましたが、皆様のアナログ設定の一助になればありがたいです。
Yo
投稿日時: 2012/7/10 16:03
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Kさん

追伸です。
昨夜の私の書き込みで「キャンセラーの調整で音が変化して聴こえるのはそれ以外の調整の所為」と読めるような書き方と気付きました。そんなつもりは一切なくて「私の調整で私の好みの音にすると私の耳には問題なく聴こえる」と言うだけでKさんや皆さんには「いや、そんな事はない。問題はあるよ!」と言われるかも知れません。人にはそれぞれ好みやこだわりがあることは十分心得ておりますので個人的な見解とお読み下さい。・・・失礼しました。
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