メイン [00-06]アナログレコード インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない | 投稿するにはまず登録を |
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投稿者 | スレッド |
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Yo | 投稿日時: 2012/6/15 21:46 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
「解像度」に続きまたまた問題発言をさせて頂きます。 それはアームの機能としてのインサイドフォースキャンセラーが肝心のインサイドフォースをキャンセル出来ていないばかりかカートリッジに対して危険な要素を含んでいることを誰も言わないこと、そしてこの機能を音質調整の一方法として重要視されている方が意外と多いことに懸念を持っているので投稿させて頂きます。 まず、インサイドフォースとはオフセットアームに取り付けたカートリッジの針でレコード溝をトレースした時、溝と針の摩擦力で針が溝の接線方向に引っ張られる力がオフセットアングル(アームの支点と針を結んだ線に対してカートリッジが傾いて取り付けられている角度)を基にする角度によって生じる分力がレコードの内周方向に働くことです。ですからリニアトラッキングアームでは生じません(厳密にはわずかに生じたトラッキングエラーアングルによるインサイドフォースでアームが移動すると考えられないこともありません)。 ここでハッキリさせたい事はこのインサイドフォースは針に掛かる力であってアームに掛かる力ではないということです。それに対してインサイドフォースキャンセラーという機能はアームを外側に引っ張る機能です。つまりインサイドフォースがかかる針に糸でもつけて外側に引っ張る機構ならキャンセルと言えなくもありませんがアームを引っ張っている機構ではキャンセルなどしていません。それどころか針は内側に引っ張られアームは外側に引っ張られる・・・つまり引っ張り合いをしている結果、カンチレバー(針のついた棒)の付け根(ダンパー部)には負担がかかります。たまにカンチレバーが内側に曲ったまま(内側の方向を向いたまま)になったカートリッジを見かけますがこれはインサイドフォースキャンセラーのかけ過ぎが原因と考えられます。 只この機構が全く無益かというとそうでもなく、針先が音溝にそってきちんと動いて音溝通りに発電するにはカートリッジが不要に動いたり振動しないことが大前提ですのでそれを防止する為に一定のわずかな力(テンション)をカートリッジにかけておくという意味では有用な面もなくはなく、この場合キャンセラーという名前ではなくアウトサイドテンションというべきものと思っています。もともとキャンセルもしていないのにキャンセラーという名前を使ったメーカーの大罪だと思っているくらいです。 ここでもう一つアームメーカーのキャンセラーの設定は針圧を基準にしていますがこれは各メーカーが勝手に言っている事であって、インサイドフォースに関しての基準やそれに対しての設定など論理的な基準はないのです。先に申したようにインサイドフォースは針と音溝の摩擦力とオフセットアングルに起因していますが、摩擦力に関して針圧は一因ではありますが、他の要因として無音溝と有音溝でも違いますし、針の形状(丸針、楕円針、楕円の度合い、ラインコンタクト針など)でも違います。そして汚れた溝、クリーニングされた溝、ビニル表面の処理剤の有無によっても変わります。要するにインサイドフォースの主原因である溝と針の摩擦に関して針圧は一因に過ぎず、常に変化しているのです。 もう一つの要因のオフセットアングルにしてもトラッキングエラーがゼロに安定している訳ではなく、最大2度程度のエラーアングルが変化しながら存在します。つまりレコードの外周から内周までオフセットアングルにトラッキングエラーアングルがプラスマイナスすることでインサイドフォースに起因する角度は時々刻々変化しています。つまりインサイドフォースに関する一定の基準はないばかりかアームにかけるキャンセラーの力の基準なんてどこにもないのです。メーカーの設定も目安でしかなく、実測するとたぶんメーカーごとの設定は全く違うものであると想像できます。 話は変わりますが、この機構の別名称としてアンチスケーティングというのがあります。この名前に由来してかテストレコードでその鏡面部に針を落として内側に滑らないようにキャンセラーを設定するというのがありますが、お気付きのように針先端とビニル鏡面部との摩擦力(傷が付きますので引っ掻き力が正しいかも?)と実際の摩擦力は全く違いますのでナンセンスも甚だしいものと言えます。実際のトレースの摩擦力よりはるかに大きな力がかかるのでキャンセラーの設定も大きくしないとスケーティングは止まりません。かつてあるオーディオ販売店で「使わなくなったLDの利用法」としてこのアンチスケーティング調整に使うことが書かれたことがありますが、さすがにしばらくしてその記事は削除されました。きっとトラブルが多発したのでは?と想像します。 再度申しますがこのインサイドフォースキャンセラーを音質調整の一つとしてお使いになるのは結構ですが、その掛け過ぎはカートリッジに負荷をかけて痛める可能性のあることは間違いのないことと思います。十分お気をつけられることを願っております。 只、曲がっても音は出ます。余計なお世話とお考えの方は読み飛ばしてください。 (追伸) アームメーカーの方がこのスレッドをお読みになって私の論理や説明が間違っているとお考えならきちんとご反論お願いいたします。そして針圧を基準とした設定どおり使う限りカンチレバーは絶対に曲がらないと仰るならその保証もきちんとお願いいたします。 |
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