メイン [00-03]音楽全般 ショパン国際ピアノコンクール | 投稿するにはまず登録を |
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投稿者 | スレッド |
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メリメロ | 投稿日時: 2021/11/6 13:46 |
常連 登録日: 2019/5/14 居住地: 投稿: 48 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール Bel Cantoさん、みなさま
メリメロです。 ショパン・コンクールについて、充実したみなさんのやりとりがあることにようやく気づきました。 いろいろ教えられること、気づかされることが多く、うれしく思いました。 こちらは妻の提案があってふたりで見たのですが、Youtubeでこれだけ綺麗な画像の配信があるのかとビックリしました。最終選考結果が出てからあわてて見たので、これをリアルタイムで見たらさぞかしスリリングだったでしょうね。 ブルース・リュウさんの演奏で、あっ! ファツィオリだと思いました。これも驚き。 ファツィオリは数年前に知り合いのピアニストと話しをしていたとき話題になった記憶があります。そのときそれ何?という感じにならなかったのは、すでにこのピアノのこと知っていたのかもしれません。余談ですが、おなじく彼女から東大を出てパリにピアノ留学しているひとがいると聞いた記憶もあります。あれは角野隼人さんのことだったんだと遅まきながら納得です。 手持ちの音源探してみたら、ファツィオリを弾いたものが二つほど出てきました。みなさんご存じかもしれませんが、簡単に紹介します。(ほかにもアンジェラ・ヒューイットがバッハの『パルティータ』を弾いたものがあるようなので、聴いてみたくなりました) その1)The Sound of the Concert Grand Fazioli F278; Constantino Catena plays Debussy & Schumann, Camerata CMBD-8005 その2)Michel Dalberto Claude Debussy, Harmonia Mundi, AP111 1)はブルーディスク・オーディオなので、しまいこんでいたOPPOのユニヴァーサル・ディスク・プレイヤーを引っ張り出してきて聴き直してみました。24bit/96kHzおよび24bit/192kHzの二つの表記があるもので、どうなっているかわかりませんが、機器はあわてて接続しただけ、それもあまり対策をしていないホームシアターの方というわけですが、それでも録音がとてもよいことがわかります。 ライナーノートにカメラータのプロデューサーの井坂絃さんがいろいろ興味深いこと書かれています。以下、長くなりますが、ファツィオリに関する部分だけ引用します。 「幸いなことに、アルド・チッコリーニの録音で知った現在イタリアで最高のピアノを作っているファツィオーリ社のオーナーであるファツィオーリ氏と親しくなり、調律師のディエゴ・スチルバを通じて手配してもらったF278の最新モデルは、響きと音の輝きが今まで聴いてきたコンサートグランドとまったく違っていた。 ピアノ音を決めているのは弦を張るフレームと、それを支える響鳴板だが、この新しいファツィオーリの驚くべき特色は、ピアノの側板が一本の大木から舟を作るようにくり抜いて板の繋ぎ目がないことであった。通常2つか3つの木材がジョイントされて側板が作られているグランドピアノと異なり、ピアノの響き方が均一で美しい倍音が見事というほかに言葉はない。 もうひとつ、スタインウェイも高級モデルで採用しているピアノの響鳴板の共振を抑える装置が付けられていることで、より完璧な音と響きのつながりを強化し、響きを濁らせる雑音を除去していることである。」 以上 四本足ペダルとなると、ショパン・コンクールで用いられたのはF278ではなくてF308の方だと思うのですが、どうなのでしょうか。このピアノは長さが三メートル以上というので、ひょっとするとバレンボイムが作らせたピアノ(Daniel Barenboim On My New Piano, DG479 6724)のように定音弦が斜めでなくほかのものと並行するように張られているのかもしれません(当てずっぽうの推量です)。バレンボイムはペダル音の濁りをきらって、このようなピアノを作らせたようですが、ファツィオリも輪郭がくっきりしていて透明感と輝きがありますね。 2)はイタリアはペルージャ近郊の小さな劇場でのライブの記録で、1)と同じドビュッシーですが、こちらは『子供の領分』「映像第二集」『前奏曲第二集』など演奏曲目の点でもさらに聴き応えがあります。Harmonia Mundi盤なのに最初からピアニスト自身の解説の日本語翻訳がついているところなど、むかしNHKのピアノ講座の先生をしていたことからする配慮なのでしょうか。 今回ダルベルトの演奏を久しぶりに聴き直して、(ショパン・コンクールのファツィオリを聴いた後なので)興味深い点が多々ありました。そのひとつ、『前奏曲第二集』の最終曲「花火」が一番わかりやすいですが、明確な輪郭にときおり左手部分の独特な鋭い振動音(クマンバチのような)が加わるのに思わずハッとします。 井坂絃(それにしても興味深いお名前です)さんが言われる「響きの濁り」は、バレンボイムが念頭においているものなのかもしれません。でもプロを前にして生意気ですが別の考え方もあるように思います。 フランスの作曲家でピアニストのミカエル・レヴィナスがよく使うタンブル(振動音)という言葉がずっと気になっていました。音楽を対位法とか調性の確立と崩壊といったタームでとらえるのではなく、音響の集合体としてとらえようとする発想だと思われ(わたくし自身の解釈ですが)、これは彼自身によるバッハ『前奏曲とフーガ』の演奏録音(Accord 5CD 476 1054)にもあらわれているように思います。この考え方でゆくと「響きの混濁」はマイナスにはならず、むしろそれも含み込んで音楽の可能性がひらけるということになるのではないかという気がします。 いずれにせよ最近ピアノ演奏の録音をいろいろ聴くたびに、ヴァイオリンなどの弦にくらべてピアノの再生は簡単(PCオーディオなどの場合)だと思われたのが、そんな単純な話ではなかったことに気づきます。 ショパン・コンクールを妻と一緒に勝手なことを言いながら見てじゅうぶん楽しみました。最後に、映像はきれいだけど(一応120インチのスクリーンです)、わが家の装置だとスタインウェイとファツィオリの違いまではよく分からない、LANケーブル交換など、もっと充実させる手があると言ったところ、オーディオアクセサリーの購入にはネガティヴな態度しか示してこなかった彼女が興味をしめしたようです。「それで高価なLANケーブルっていくらくらいなの」──「ピンキリだけど、1mで8万円くらいかな」。この8万円という額にうろえたもせず、「あなたも老い先長くないのだから、好きなことにお金使ったら」と、これまでの彼女の態度からすると、わが耳を疑うような言葉が出てきました。喜ぶべきか,悲しむべきか、微妙なところです。 |
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題名 | 投稿者 | 日時 |
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ショパン国際ピアノコンクール | BelCanto | 2021/10/21 23:07 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | スキャット | 2021/10/25 7:30 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | BelCanto | 2021/10/27 20:16 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | モリア1 | 2021/10/30 17:21 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | スキャット | 2021/11/2 4:45 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | BelCanto | 2021/11/2 22:56 |
» Re: ショパン国際ピアノコンクール | メリメロ | 2021/11/6 13:46 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | モリア1 | 2021/11/6 21:52 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | モリア1 | 2021/11/6 21:53 |
Re: ショパン国際ピアノコンクール | モリア1 | 2021/11/6 21:54 |
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