メイン [00-06]アナログレコード オリジナル盤vsリマスター盤第5回「サキソフォン・コロッサス」 | 投稿するにはまず登録を |
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管理人K | 投稿日時: 2013/7/15 18:47 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1909 |
オリジナル盤vsリマスター盤第5回「サキソフォン・コロッサス」 久々のアナログレコード比較試聴会を行いました。
今回のお題はソニー・ロリンズの超名盤「サキソフォン・コロッサス」です。 米国オリジナル盤1stプレスと2ndプレスでどれだけ違いがあるのか?そしてリイシュー盤としておそらく最高音質であろう45回転盤はどの程度の音質なのかを検証してみました。 まずは米国2ndプレス盤から これはこれで大変素晴らしい。 抜けがよく躍動感に溢れた元気のよい音です。 但し、当時の製造時の機器の問題なのか?常に歪みっぽさが付き纏います。 特にロリンズのサックスにその傾向が顕著で、CDでのロリンズのサックス音に慣れ親しんだ方にはかなり甲高くて歪みっぽい音色に聴こえるはずです。 次に本命の米国1stプレス盤です 先程の2ndプレスの元気の良さはそのままに各楽器のリアリティや密度が俄然向上しています。 特にロリンズのサックスは太く伸びやかに激変しています。 これぞロリンズのテナーサックスという感じになります。 相変らずの歪みっぽさはありますが、各楽器のリアリティや密度や厚みによって、さほど歪みは気になりません。 最後にアナログプロダクション45回転盤です 大変落ち着いたバランスの良い音です。 CDだけでロリンズのサックスを聴いてきた方にはこのレコードが一番しっくり来るでしょうね。 サックスも太く豪快さが出ていて、リアリティや密度も確保されていて非常に素晴らしいです。 特筆できるのはオリジナル盤で感じられた歪みが全く感じられないことです。 ですのでオリジナル盤で時たま感じた「うるせ〜な」が全くないため安心して音楽に浸ることが出来ます。 鮮度の高さという点ではオリジナル盤1stプレスに軍配が上がりますが、50年近く経った後の再発という事を考えれば45回転盤のこのクオリティは脅威だと思います。 只の45回転盤にありがちな音の膨張や密度のなさ(音の薄さ)なども全く感じられません。 さすがはスティーブ・ホフマンです。 オリジナル盤で感じられた歪みっぽさは、もしかしたらナローなビンテージシステムにおいては気にならなくなるのかもしれません。 オリジナル盤マニアにオリジナル盤が歪みっぽい(特にBLUENOTEに多い)などと言う方は殆どおらず、オリジナル盤マニアの殆どが高域特性の落ちたナローなシステムで聴いていることから、そのように考察してみました。 |
Yo | 投稿日時: 2013/7/22 20:23 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤第5回「サキソフォン・コロッサス」 Kさん
久々の聴き比べお疲れ様です。今回は名盤中の名盤サキコロですか?青緑ジャケのNYC盤と青ジャケのNJ盤を揃えられるだけでも大変だったろうと想像します。・・・と言って私も同じ1stと2nd盤を持っていますので、このご評価には・・・??・・・と思える面があります。元々私はオリジナル盤愛好者ですからKさんが仰るように「歪っぽい」とは言いたくない面は確かにあります(笑)が決してナローレンジなシステムで聴いているマニアだとは思って下さらないと期待しています(笑)。 さて、まずこの1stと2nd盤でご確認頂きたい事は刻印が同じかどうかです。たぶん手書き刻印ですからその字体も含めて同じものかどうかはすぐに分かると思います。そしてたぶん同じだと思います。当時プレスティッジからスタンパーを輸出してプレスした英国のEsquireやオランダのArtoneも同じ刻印のスタンパーを使っていますし、3rdプレス(PRLP7326:別ジャケ)までは同じメタルマザーから作ったスタンパーを使っているはずです。 と言う事は基本的に劣化はあっても同じ音質であると言えます。私の2枚を聴き比べても基本的には変わらず、2ndで若干鮮度劣化がある程度です。逆にゆるみが出ているのかロリンズのテナーが図太く聴こえて魅力的ではあります。ですから2ndで感じると仰る「甲高さ」についてはスタンパーが基本同じなだけに少し疑問があります。そして両盤で聴こえると仰る「歪み」は私には感じません。 一方AP45回転盤は持っていません。しかし、私の経験から言わせて頂くとマスターテープの劣化は高音ではなく低音に来ると思っています。AP盤で私が最も良いと思う盤はアート・ペッパーのMeets The Rhythm Sectionでダグ・サックスがリマスターしたものです。このアートペッパーのアルトはオリジナル盤より艶っぽく魅力的です。しかしベースとドラムは明らかに膨らみゆるんでいます。つまり感性が優れていて技術のあるエンジニアなら高音の修正は可能だが低音はどうしようもないと思っています。 別の例として同じロリンズのコンテンポラリー盤Way Out Westがあります。このオリジナル(ステレオ)は1stはStereoRecords黒ラベル、2nd Cotemporary緑ラベル(途中に黒ラベルがあったかどうか分かりませんが聴いていません)、3rd Contemporary黄ラベルですが、これは先のサキコロより劣化が激しいのですが、劣化箇所は低音です。そして黄ラベルなどを聴いている人にとっては1stオリジナルのロリンズは凄みが足りないと思うほどタイトな音です。もちろんベースとドラムスも膨らむので、そのバランスを取った所で緑ラベル2ndがロリンズの豪快さを演出している盤であるとも言えます。ついでにダグサックスのAP盤もありますがこれは逆に低音の膨らみを取る為に細工をしたのか低音楽器の膨らみは少ないですがロリンズのサックスの図太さの魅力もなくなって魅力のない盤だったと記憶しています。 「サックスも太く豪快さが出ていて、」・・・聴いていないのにこういう指摘の失礼は承知ですが、それはたぶんテープの劣化がもたらしたものと思っています。一度低音に焦点を絞って聴いていただけたらと思います。 ・・・失礼はお許しを! |
管理人K | 投稿日時: 2013/7/24 0:33 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1909 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤第5回「サキソフォン・コロッサス」 Yoさん、こんばんは。
>決してナローレンジなシステムで聴いているマニアだとは思って下さらないと期待しています(笑)。 そんなことは全く思ってませんよ。 どちらかというとYoさんのシステムは超ワイドレンジだと思います。 ですがニュートラルなシステムではありませんね。 アナログレコード盤の音質を徹底的に検証するならばニュートラルなシステムが不可欠だとは思います。 (Yoさんのシステムでは評価不能などと申し上げてる訳ではございませんのでどうぞ誤解のないようお願い致します) >2ndで若干鮮度劣化がある程度です。 いや、結構差がありましたよ。 それはYoさん宅で聴いたことがあるELPEAMANさんもYoさn宅でも1stと2ndでは全然違っていたと言っていました。 鮮度というか実在感や密度が全然違うように聴こえます。 >ロリンズのテナーが図太く聴こえて魅力的ではあります。 いいえ、2ndは図太くはなく薄くて細く聴こえます。 図太さは1stの方が明らかにあります。 >2ndで感じると仰る「甲高さ」についてはスタンパーが基本同じなだけに少し疑問があります。 サックスの甲高さについては1stでも感じます。 2ndは薄く密度がない分、1stより更に甲高く感じますが。 >マスターテープの劣化は高音ではなく低音に来ると思っています。 いいえ、マスターテープの劣化は低域だけでなく高域も中域も全帯域に渡って発生します。 しかも磁気テープにおける劣化は高域方向の情報が磁化反転が細かい(多い)ため、どちらかというと高域方向から早く劣化していきます。 >しかしベースとドラムは明らかに膨らみゆるんでいます。 これはマスターの劣化もあるでしょうが、マスタリングエンジニアがリマスタリング時に低域方向をブーストしている事が最大の原因です。 Yoさんのシステムは明らかに中低域〜低域に厚みを持たせるチューニングをされているため(ですよね?)低域をブーストしたソフトや元々強烈な低域が入ったソフトでは低域方向が肥大化してしまうのだと思います。これは何度か聴かせて頂いた際に何枚かのソフトにて感じております。 ちなみにペッパーのサックスがダグ・サックス盤では艶やかと仰ってますが、私には聴きやすくはなってますが密度が薄まってぼやけて膨張したサックスに聴こえます。 オリジナル盤のペッパーのサックスはタイトで少々甲高いですが、密度や艶っぽさという点ではオリジナル盤に軍配が上がるような気がします(あくまでもSTEREO盤での話でMONO盤はサックスの再現がまた違います) >高音の修正は可能だが低音はどうしようもないと思っています。 確かに高域に比べると低域方向の修正というのは難しいとは思います。 特に低域方向の密度やディティールなどが欠落してしまったマスターテープの情報は低域方向のブーストだけでは直し様がないばかりか更にディティール不足に陥らせる可能性すらありますので。 しかし、完全ではないにしろ低域方向のディティールや密度などがオリジナル盤に比べて劣化を感じさせないばかりか、オリジナル盤を超えるような実在感で聴かせるリマスター盤もあるのもまた事実です。 Yoさんもリマスタリングに関して単に高域や低域をEQにてブーストするだけの作業とは思ってないでしょうが(単にEQにて高域を持ち上げてハイ上がりにするエンジニアがいかに多いことか)優れたマスタリングエンジニアの作業はEQ処理だけでなく、コンプや特殊なラインアンプ、秘密の(笑)機器などを駆使し、更には独自の感性と情熱を持ってオリジナル盤を超えるような優れた音質を作り上げてしまう凄腕エンジニアもいるという事を知るべきです。 また、そのようなエンジニアが優れたリマスター盤を登場させてくれなければ、一般のオーディオファイルも音楽ファンも困ってしまいます。 今回のロリンズのサキコロのオリジナル盤1stプレスなどは極めて入手困難ですし、一般の方からすれば所詮高嶺の花でしかないのですから。 それに比べれば45回転リマスター盤などは5000円程度ですので一般の方でも十分に入手が可能です。 今回のサキコロ45回転盤は既に廃盤ですが、今後も更に音質が向上したものが再発される可能性はある訳です。 そもそもこの比較試聴の企画は高額なオリジナル盤に手が出ない一般の方でも入手出来るリマスター盤の中からオリジナル盤に匹敵または凌駕するような優れたリマスター盤を探して紹介するというのが目的で始めたものです。 一番大切なのはいかに高額なレコード盤を収集するかではなく、いかに気持ち良く音楽を聴けるソフトかどうかです。 そういう意味では今回の45回転盤は素晴らしい仕上がりですし、3枚中、最もリラックスして聴けるのは間違いありません。 まして録音から50年以上経ってこの音質、賞賛に値するではありませんか? 「Way Out West」についてもYoさんのご意見にはかなり違和感を感じてますが、それほどの愛聴盤ではないので(私はサキコロ以外では「橋」や「ビレッジヴァンガードライブ」の方をよく聴きます)後ほどオリジナル盤とダグ・サックス盤、45回転盤を聴き比べて報告したいと思います。 >聴いていないのにこういう指摘の失礼は承知ですが、 はい、聴いてない人に語る資格はありません。 >テープの劣化がもたらしたものと思っています。一度低音に焦点を絞って聴いていただけたらと思います。 45回転盤、低域方向の劣化は全く感じられません。 オリジナル盤と比較して劣るのは中高域の鮮度感のみです。 ケミさん、ELPEAMANさんの意見を待ちましょう。 |
ELPEAMAN | 投稿日時: 2013/7/24 13:18 |
一人前 登録日: 2008/2/17 居住地: 投稿: 101 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤第5回「サキソフォン・コロッサス」 遅くなりました。相変わらず語彙に乏しいのですが、感想を申し上げます。
まず、昨年Yoさん宅で聴かせていただいた感想から。始めに"New Jersey"アドレスの2ndプレス盤を聴かせていただきました。何しろRollinsのサックスがリアルでのけぞりました。次に"New York"アドレスの1stプレス盤。ほとんど変わりないだろう、とあまり身構えずにいました。ところが出てきた音にビックリ!さらにRollinsが出てきました!そこにいました。2枚の違いに驚きました。低音の違いは正直感じませんでした。というよりも、サックスにしか耳が行かなかったのかもしれません。好きなサックスの音(Van Gelderらしい)でした。 そして先日のKさん宅での感想を。順番は同様で2nd→1st、そして45回転盤でした。リアルさはやはり1stプレスの方がエネルギー感があり、2ndよりも太い音でした。低音の違いは感じられませんでした。45回転盤は気持ちよく聴けました。バランスも良かったと思います。よって私の評価はKさんと同じです。 昨日Kさんと話したのですが、Van Gelderのマスタリング+カッティングで甲高い部分が強調されているのではないか、そして、その最たるものがBlue Note盤であろう。実際Blue Noteの音は気持ちよいとは言えない音です。半世紀前のオーディオ事情を考えた場合、当時の購買層のシステムを考えてそういうレコードにしよう、と考えたのだろうと推測されます。それが今のシステムで聴くと、やたら高音が強調されてしまう理由では、ということになりました。 ところがYoさん宅では甲高さをあまり感じなかったのです。ここがYoさんの調整(音作り)のすごいところだろう、と感心した次第です。それに対し、Kさんは原音再生する、よって音源の良いところもアラもそのまま出す、つまり制作者の狙い、意図もそのまま出てくる、と考えました。 しかし、いちばん大事なポイントは「聴いて感動できる音楽を聴く」だと思います。その点においてお二人には脱帽です。 「サキコロ」・・・素晴らしい作品です。後世に語り(聴き)継がれるべきものの一つです。 |
ケミ | 投稿日時: 2013/7/24 14:13 |
長老 登録日: 2008/2/17 居住地: 投稿: 851 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤第5回「サキソフォン・コロッサス」 管理人Kさん、「サキコロ」の比較試聴もありがとうございました。いろいろなことが重なり報告が遅くなりまして、すみません。
私がたまたま今年の正月に比較的安価(とはいっても高額ですが)で入手できた米国1stプレス盤。この盤に針を落とした際の衝撃は今でも忘れられません。ロリンズが太く、厚く存在し、私は打ちのめされました。オリジナル盤のもつエネルギー感、生命感みたいなものを感じました。 さて、今回の試聴ですが、米国2ndプレス盤もこれだけ聴く分には何の問題もないと思いました。私のシステムとKさんのウエストレイクのシステムの差を差し引いたとしても満足できる盤でした。 しかし、米国1stプレス盤を聴いてみますと、その差は歴然でした。私にはロリンズのサックス音の芯が明確になり、その音の広がりに安定感が増しました。したがって、ロリンズの存在感、並びに密度感もすばらしく、「サキコロ」1stプレス盤の所有者として喜びと安心感を得ました。また、世の中の注目を集めている意味も理解できました。 (音質とは関係ありませんが、私の入手した米国1stプレス盤(NYC盤)のジャケットだけが汚く、緑色にくすんでしまっているのではないことも今回知ることができました。) 米国2nd・1stプレス盤の2枚を聴く限り、私には歪みっぽさは感じることができませんでしたが、アナログプロダクションのリマスター盤を聴くと、この2枚に歪みっぽさがあることがわかりました。このリマスター盤は入手していませんが、みなさんにお勧めできると思いました。アナログ盤で聴く「サキコロ」を十分堪能できると思います(次回の再発を待つしかないと思いますが・・・)。 低域に着目して聴くということはしませんでしたが、KさんのシステムにおいてKさん所有の盤を聴く限り、米国1stプレス盤のロリンズが太く伸びやかで、1stプレス盤が最も魅力的であるという事実は揺るぎないものと私は感じました。 |
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