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     良質なクラシックCDのご紹介
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投稿者 スレッド
ホワイトメタル
投稿日時: 2014/1/14 15:54
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、管理人さん、こんにちは!

いつも大変お世話になっております。

zappa1993さん、お話に乗り遅れてしまいましたが、この5番は二種類の盤が存在していた事を私も存じておりませんでした。
私の所有している交響曲全集の5番(COCO-75222)のライナーノーツには:B&K社録音用マイクロフォン(4006-pressureタイプ)2本だけによる録音を基調とし、一部に補助マイクロフォンを使用しております。と記載されております。

下記はzappa1993さんが今回ご購入された盤です。

COCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)
COCQ-84755(HQCD盤 2010年1月発売)マイク2本のみの音源
43CO-1841 (GOLD CD盤 1987年10月発売)
33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)
COCQ-84811 (2010年5月発売 リマスタリングされたBOXセットの中の一枚)
GES9266 (通常版 1986年10月発売)マイク2本のみの音源
COCO-73074 (Blu-Spec CD盤 2010年8月発売)
Brilliant Classics社の輸入盤BOXセット

大変申し訳ございませんが、上記のマイク2本のみの音源以外が一部に補助マイクを使用している盤と解釈してよろしいのでしょうか?
お教え頂きますと幸いです。
私も大変興味が湧きましたので、可能な限り入手してみたいと思います。
面白くなってまいりました。
想像ですが、かなり音場(奥行感)や楽器の定位や質感などが異なりそうですかね?
引き続きお手数をおかけ致しますが、宜しくお願いいたします。

それでは、失礼致します。

zappa1993
投稿日時: 2014/1/14 23:58
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
管理人Kさん
ホワイトメタルさん
皆さん

こんばんは

私がこの演奏を収録したCDを聴き比べてみようと思ったのは、その種類がとても面白かったからです。

・まず、ワンポイントマイクと補助マイクで録音されながら、ワンポイントマイクのみの録音を収録したCDと両者をミックスした録音を収録したCDがあること。
・次に、Blu-Spec CD、HQCD、GOLD CD等の高音質CDの種類があること。
・更に、リマスター盤よりも旧盤の方が音が良いという興味深い情報をホワイトメタルさんから伺ったこと。
・一般的にオリジナルマスターが海外にある録音の場合、輸入盤の方が音が良いことが多いが、この録音はオリジナルマスターが日本にあり、そのライセンスを取った輸入盤が存在するという逆の関係があること。

もう一つ興味深いのは、HQCD盤のCOCQ-84536に入っている広告に「新素材CDの特性に最適化されたマスタリング」がなされていると書いてある点です。
私の知る限りでは、通常高音質を謳った新素材が使われたCDでも、音源自体は過去のリマスタリング音源が使われていることが多く、単純に新素材がもたらす高音質効果だけであるのに対し、このHQCD仕様の盤は「従来のマスターは通常素材で作られたCDの特性を念頭に置いて製作されているので、新素材CDのポテンシャルを生かしきれない憾みが残る。音の最終的な容れ物であるディスクの表現力が拡張されると音作りの前提条件も変わるから、新素材CDの特性に最適化したリマスタリング(音質調整)を行うのがベストだ。それを実践したのが本シリーズ最大の特色である。」と述べられています。
なんとも頼もしいではありませんか。

クラシック音楽の造詣に深いわけでもなく、音質比較という興味本位だけでこの作品を聴いているようで多少の後ろめたさはあるですが、何か皆さんの参考になる事でもあるかもしれませんので、後日感想を投稿させていただきます。

未だに数種類の盤がメーカーカタログのあるのも面白いものです。
http://columbia.jp/search
(インバルで検索してみて下さい)



管理人Kさん

>ちなみにzappa1993さんが、その2種類の違いを聴かれた印象はいかがでしたか?

この作品に限ってはそれ程大きな差は無いように感じました。
ワンポイントマイクのみの録音のCDは流石に音がクリアで質感もよく、演奏を聴いているという感じがします。
これに対し、補助マイクの音をミックスしたCDはダイナミックな表現や重厚感という点では優位にあります。
端的に表現すれば、オーディオで聴いた時に最も快感を覚えるような作品に仕上げられていると言えるかもしれません。
(詳しくは後の比較投稿に書かせていただきます)

>2種類を聴き比べるために2枚購入されるならば、どの盤がお薦めですか?

私が購入したCDの中に、ワンポイントマイクのみの録音のものは2種類しかなく、しかもその内の1枚が未着ですので、これが届いてから書かせていただきます。
手元にある1枚はAUDIOPHILE SERIESと題した盤で、ライナーノーツには4ページにわたって録音方法についての解説があります。
それに対し楽曲の解説は無しです


ホワイトメタルさん

>私の所有している交響曲全集の5番(COCO-75222)のライナーノーツには:B&K社録音用マイクロフォン(4006-pressureタイプ)2本だけによる録音を基調とし、一部に補助マイクロフォンを使用しております。と記載されております。

ホワイトメタルさんがお持ちの全集は、私が購入した2010年5月発売の全集(コロンビア創立100周年記念企画として全面的にリマスタリング)の前のものなのでしょうね。
リマスタリング以外は同じもののように思います。

>大変申し訳ございませんが、上記のマイク2本のみの音源以外が一部に補助マイクを使用している盤と解釈してよろしいのでしょうか?

はい、そうです。
分かりにくい記述で申し訳ございません。
ご存知かもしれませんが、インバルのマーラー交響曲第5番は、最近オクタヴィアレコードから東京都交響楽団の演奏でCD化されています。
http://www.octavia.co.jp/cgi-bin/mt/mt-search.cgi?IncludeBlogs=1&CustomFieldsSearch=1&CustomFieldsSearchClassType=entry&CustomFieldsSearchField=EntryTitle&CustomFieldsSearchField=EntryBody&CustomFieldsSearchField=EntryMore&CustomFieldsSearchField=EntryKeywords&CustomFieldsSearchField=entrydatajan&CustomFieldsSearchField=entryartist&CustomFieldsSearchField=entrypnr&CustomFieldsSearchField=entryspecification&CustomFieldsSearchField=entrycopytext&CustomFieldsSearchField=genre&CustomFieldsSearchField=entryfomt&CustomFieldsSearchField=entryspecification&search=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AB&limit=5&x=0&y=0
このカタログの中にもワンポイントレコードバージョンと通常の盤があり、DENONの盤を模範したのかもしれません。

ホワイトメタル
投稿日時: 2014/1/15 23:46
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、こんばんは!

いつも大変お世話になっております。

詳細なご説明有難うございます。
ワンポイント録音とワンポイントと一部の補助マイクの盤が存在している事が良く解りました。
Blu-Spec CDは、私に中では一歩後退しておりますので、HQCDの2バージョンの聴き比べが面白そうですね。
私は因みに浅はかですが、今回のスレッド立てさせて頂いた盤は、COCO-85037(97年再発盤)ですが、その演奏と録音のクオリティーは十分ご満足して頂けるCDだと思ったのです。
しかしながら、音質を追求しますとzappa1993さんの探求心はご立派であり、ぜひ私共といたしましても最良の1枚の候補を挙げて頂けると今回ご参加しておられる御仲間のお役に立てると思いますので、ご選択の程宜しくお願い致します。

それと、オクタヴィアレコードのマーラー5番のワンポイント録音盤を私は所有しておりませんが、同シリーズの1番(巨人)のワンポイント録音盤は所有しております。
オーディオ誌で絶賛されておりましたが、私の場合は10分聴いて御蔵入りとなってしまいました。

今後とも宜しくお願い致します。

それでは、失礼致します。

zappa1993
投稿日時: 2014/1/16 0:34
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん

こんばんは

COCO-85037は再発盤の様ですが、リマスタリングされていないのであればオリジナル盤(33CO-1088)に近い音ではないでしょうか。
HQCDのワンポイント録音盤(COCQ-84755)のライナーノーツには「オリジナル・リミックス・ヴァージョン:CD番号=COCO-70403」の文字があります。
これがCREST 1000シリーズと呼ばれる税込1,050円のCDの様です。
2002年の6月発売ですから、ホワイトメタルさんがお持ちの再発盤の更に後のCDですね。
これとCOCQ-84755を比較すると、片方はHQCDで片方は通常CDと違いがありますし、HQCD盤同士で比べると、片方はHQCD用にリマスタリングされているという違いがあり、何とも比較がしにくい状況です

>それと、オクタヴィアレコードのマーラー5番のワンポイント録音盤を私は所有しておりませんが、同シリーズの1番(巨人)のワンポイント録音盤は所有しております。
オーディオ誌で絶賛されておりましたが、私の場合は10分聴いて御蔵入りとなってしまいました。

そうでしたか。
私も高音質を謳ったEXTONの盤を買ったことがありますが、人工的な音で高音質の意味が違うと感じました。(個人的な感想です)
ホワイトメタル
投稿日時: 2014/1/16 23:18
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、こんばんは!

いつも大変お世話になっております。
度々のご説明有難うございます。

どうやら、ワンポイントを銘打ってリリースされたマーラー作品は、80年代のDENONのインバル盤のみだった様です。
話しが逸れるうえ、ぶり返して申し訳ございませんが、最新盤のマーラー1番(巨人)を久しぶりに聴いてみましたが、

>私も高音質を謳ったEXTONの盤を買ったことがありますが、人工的な音で高音質の意味が違うと感じました。(個人的な感想です)

やはりzappa1993さんもこの様に感じられたのですねぇ〜
私もあくまでも個人的な感想ですが同感なのです。
しかも収録会場がなんと!!東京芸術劇場と横浜みなとみらいホールと2か所なのです。
5番は3か所です。
ホールのキャラクターが異なるのに1つの作品(録音物)として製作する精神が信じられません。
当然ながら、ミキシングにおいてかなり編集(エフェクターなどで加工)された形跡が聴感上感じられました。
再生音もシャリシャリと薄っぺらです。
価格も3,800円と高価です。
繰り返しますが、あくまでも個人的な固定観念です。
その点、旧盤のワンポイント録音マーラーは、完璧な録音ではないのですが、極めてナチュラルな質感と楽器本来の音に近付いています。
つまらない御託を並べて申し訳ございませんでした。

引き続きお手数をおかけしますが宜しくお願い致します。

それでは、失礼致します。

管理人K
投稿日時: 2014/1/17 2:21
管理人
登録日: 2007/12/10
居住地:
投稿: 1907
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、ホワイトメタルさん、皆様、こんばんは。

私はインバルのマーラー5番は記憶では比較的古い再発の廉価盤を持っていたつもりだったのですが、今日、久々に聴いてみようと手にしたらHQCD盤でした。
どうもHQCDに名前に惹かれて購入して、古い再発の廉価盤はどこかに仕舞ってしまったようです。
1万枚以上CDを買っていると記憶は曖昧になりますね

ということで、インバルのマーラー5番HQCDを聴いてみました。
再発の廉価盤の印象は自然ですが割とさっぱりすっきりした、ちょっと薄めの記憶だったのですが(音の記憶は確かだと思います)このHQCDは随分マスタリング?で手を加えてあるようです。
高域方向はブリリアントに低域方向はブーストして全体的に厚くなったような印象ですが、高域方向は輝かし過ぎて刺激的な部分も感じますし、低域方向も少しやり過ぎで全体のバランスが崩れて、廉価盤で感じた自然さもなくなっているように思います。
音が強過ぎて、ちょっと演奏が攻撃的に感じるんですね。

再発の廉価盤はなんとか見つけ出して実際に比較試聴をしてみたいと思いますが、まずはzappa1993さんに比較試聴をお任せしたいと思います。
zappa1993
投稿日時: 2014/1/17 23:29
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
皆さん

こんばんは

CDの聴き比べがようやく終わりました。
聴き比べと言っても一時の感想では無く、流石に8枚にもなるとそれぞれのCDの印象も時間と共に薄れてくるため、何度か下記の方法で聴き直しながら感想をまとめました。
5楽章のすべてを聴き比べると膨大な時間になりますので、今回は第1楽章(葬送行進曲。精確な歩みで、厳格に、葬列のように)のみでの聴き比べとしました。
曲の前半部分(約1分)を切り替えて再生する聴き比べと、第1楽章のすべて(約14分)を通して再生する聴き比べの2通りを数回行いました。
(リッピングデータですのでCDの入替作業等のタイムラグが無く、リモコンアプリで瞬時に曲の切り替えが出来るため、試聴位置や姿勢も同じ条件で聴き比べが出来たと思います。
また盤によるボリュームの差が出来るだけ少ないように調整して聴きました)

最初に訂正から入らないといけないのですが、CD番号GES9266をマイク2本のみの音源としましたが、入手して聴いてみると実はそうではないような感じがします。
これはDENONのMy Classic Galleryという廉価盤シリーズの66枚目に当たるものなのですが、ライナーノーツやジャケットのどこにもワンポイント録音である旨の記載がなく、また実際に音を聴いても補助マイクの音をミックスした他の盤と大差ないように感じられます。
入手先の情報から「マイク2本のみの音源」としましたが、それを裏付ける正確な情報がありませんので、これも他の盤と同じ録音方法のCDと訂正させていただきます。
(結局マイク2本のみの音源はHQCD盤のCOCQ-84755だけという事になりました。もし他の盤の存在をご存知の方が居られましたら、是非教えて下さい)

実際に聴き比べてみますと、思ったほどワンポイントマイクのみの録音と、補助マイクをミックスした音源に差がありませんでした。
これは補助マイクのミックスが最小限の範囲に押さえられているからかもしれませんし、ワンポイントマイクだけでも十分成り立つ録音技術の賜物かもしれません。
尤もクラシックの生演奏の経験に乏しい者の感想ですので、経験豊かな方が聴けば両者の違いは明らかなのかもしれません。

感想はCDを聴きながら思いついたことをメモしたもので、これらをまとめ上げる技量を持ち合わせておりませんので、ポイントとなる部分をそのまま箇条書きにさせていただきます。
(以下、聴き比べた順番に記す)


★43CO-1841 (GOLD CD盤 1987年10月発売)
ボリュームは小さ目。
高域に独特のハリと癖があり非常に聴き辛いが、これがGOLD CDのせいなのかどうかは不明。
後発のリマスター盤に比べると多少大人しく感じられる。
弦は滑らかでしっとりとした質感。

☆高域が耳障りなので、積極的にこのCDを聴きたいとは思わない。

★COCQ-84811 (2010年5月発売 リマスタリングされたBOXセットの中の一枚)
アナログ的な音の分厚さを感じる。
聴き比べた中では一番音に迫力があり、この重厚さを好む人は多いと思う。
ただし、量感のある中低域を分離よく鳴らさないとこの盤の良さが分かり辛い気がする。
全体に重苦しい雰囲気が感じられるが、それは曲のテーマに沿った自然なもの。
弦の優しい音に包まれる感じ。

☆アナログ的な音が好きならこの盤が最も良いと思うが繊細さに欠ける。

★COCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)
クリアで音の伸びがスムーズ。
ややメリハリはきつめだが、オーディオ的なダイナミズム、クオリティは抜群。
ただし、生演奏を聴いているような自然な音では無く、オーディオで聴くことに的を絞った作品のような感じ。
弦は上記2つの中間。

☆全体のバランスは良く、演奏の凄みも伝わってくるので、Hi-Fiオーディオ的な音を楽しみたいのなら最適なように思う。
http://columbia.jp/classics/denon_hqcd/

★COCQ-84755(HQCD盤 2010年1月発売)マイク2本のみの音源
ボリュームは小さ目。
やはり一番生演奏を聴いている感じがする。
これと比べると他のCDは演出臭さを感じる(ただしそれはリマスタリングの際の音に原因があるように思う)
音はスッキリとしていて、線は少し細く感じるが見通しは良く、音の強弱やグラデーションなどの表現は豊か。
最も繊細な音だが、やや高域寄りの為やかましく感じる所があるのが残念。

☆一番自然という意味ではこの盤の存在価値はあるが、オーディオで聴く作品として考えた場合には他の方が良い部分もある。
聴いて損は無い。

★COCO-73074 (Blu-Spec CD盤 2010年8月発売)
太くパワフルな感じで低重心。高域のキツさはない。
低域方向にダイナミック感を持って行った感じで、それはそれで良いのだが作品のイメージが変わってしまっている。
ちょっと重苦しい音で、演奏も平凡なものに聴こえてしまう。

☆一番最新のCDで高音質素材を使っているが、見事にこの作品の良さが薄れており、これしか聴いたことがないなら誤った認識を持ってしまいそう。

★Brilliant Classics社の輸入盤BOXセットの中の一枚
鮮度に欠け、少し鈍っている感じがする。(海外にオリジナルマスターがある場合の日本盤のような感じか)
音源自体はリマスタリングされていないオリジナルだと思われる。
その為か演奏の良さは感じられるものの、品が無くやや高域に耳障りな粗さがある。

☆BOXセットを安く手に入れられると言うこと以外にこれを選ぶメリットはなさそう。


以下は上記の6枚の聴き比べを何度かした後に届いたCDの感想です。

★33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)−オリジナル盤−
ワンポイント録音盤を除いて一番透明感がある(クリアで分離が良く、演奏者を一番感じられる)
これまでに聴いてきたCDも良かったが、このオリジナルを聴くとその後のリマスタリング作業によって随分音が変わっていることが分かり、良いと思われた部分も作り出した演出のような気がしてしまう。
補助マイクをミックスした録音ながら、ワンポイントマイクのみの録音に通じる自然さがある。
音の厚みは後発のものより少ないが、重苦しさで悲しみを表すのではなく、音色や演奏の表現力からそれが伝わってくる。(同じ重苦しさでも、音が重いのと重い雰囲気を表現で出しているのとは違う)

☆ありきたりの言葉になりますが、やはりオリジナルが一番ということかも知れません。

★GES9266 (通常版 1986年10月発売)
不思議とオリジナル盤とワンポイント録音盤の中間的な音に感じられる。
両者の間に入って取り立てて特徴的な部分は無いが、この作品の良さは十分感じられる。
ジャケットも他のものと違い、BOOK OFF等で安価で入手できるならお薦めできる。

☆素直な音ですが、敢えてこれを探してまで入手する必要はないと思います。


総評:
今回いくつかのリマスター盤を聴いて、本来演奏から感じられる様々な音楽的表現を変質ささずに伝えるのではなく、リマスタリング作業などで人工的に強調しているのが気になりました。
寧ろ何の手も加えていないオリジナル盤の方が演奏のニュアンスがよく伝わり、「リアリティとは何か」という事を考えるいい機会になりました。
インバル指揮によるマーラー交響曲全集は、当初よりワンポイントマイクのみで録音することを目指して製作されたようで、一部に補助マイクも使われてはいますが、ワンポイントマイクの音だけを取り出しても十分作品として成り立つのは、このマイクセッティングへの拘りがあったからではないでしょうか。

最近のリマスター盤は確かに迫力があり、音が鮮烈で聴いていて凄い良い音だと思う事に異論はありません。
しかし、生演奏を主軸として考えた場合、必ずしもこれらのリマスター盤が生演奏の再現を目指して製作されているとはとても思えず、穿った見方をすればリマスタリング作業が単に古いカタログを再発して儲けるための手段になっているような気がしてなりません。
それはリマスタリングされていない盤を聴いた時に最も楽曲の魅力や演奏の深みが感じられることからも分かるように、後に手を加えた盤は作品の完成度を下げてしまっていることが多々あると思われるからです。
更に言えば、高音質を謳った最新の録音にこの傾向が強いように思います。
ただし、すべてのリマスター盤が悪いと言うことでは無く、中には作品の魅力をさらに高めたリマスタリングもありますし、私もその様な盤をたくさん持っています。
要はオリジナル作品に深い理解と敬意を示し、独りよがりな音にせずに音楽の魅力が損なわれていないかという事に細心の注意を払う姿勢が大切という事ではないでしょうか。

数分程度のポピュラー音楽の聴き比べなら簡単なのですが、時間が長く曲調や聴き所が移り変わるクラシック音楽での聴き比べは大変でした。
結局のところ、再生するオーディオシステムの影響は大きいですし、好みの問題もありますので、絶対的にこの盤が良いとは言い切れないかもしれませんが、「やはりオリジナル!」これが私が感じた正直な感想です。



最後に、頂いていたご質問にお答えいたします。

ホワイトメタルさん

ホワイトメタルさんがお持ちの再発CD(COCO-85037)はリマスタリング前のものだと思いますので、私が聴いた1986年発売のオリジナル盤とあまり変わらないのではないでしょうか。
それでも同じ音源でも再発を重ねるごとに音が鈍っていくことがありますので、出来ましたら一度オリジナル盤を聴いて、両者の違いやご感想などを頂けますと嬉しいです。
最良の1枚は私にとってはオリジナル盤でしたが、ワンポイントマイクのみの音源も興味深いものでした。


管理人Kさん

結局ワインポンとマイクのみの音源はHQCD盤でしか聴くことが出来ませんでしたので、これと比較して聴く盤と言うことになりますと、同じHQCDのCOCQ-84536が発売時期も近く最適なように思いますが、こちらはリマスタリングにより音が大分変っておりますので、ホワイトメタルさんがお持ちの盤の様なリマスタリング前の盤との聴き比べが純粋な比較に近いと思います。

ホワイトメタル
投稿日時: 2014/1/18 19:33
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、こんばんは!

いつも大変お世話になっております。

全8CDの聴き比べとご報告大変お疲れ様でした。
この短期間でのご判断は、さぞかし根気のいる作業だった事かと思います。
頭が下がる思いです。
本当に有難うございました。

さて、今回参加して下さるお仲間も大変参考になると思いますので、ぜひzappa1993さんのご感想を元にご投稿して頂けますと、私自身大変嬉しい次第であります。

※但し、演奏自体は全く同じですので、くれぐれも好適に思われる盤を1枚購入して頂けると幸いかと思います。
皆様の大切なお小遣いからのご出費ですし、デジタルリマスター以外の廉価盤(再発盤)で概ねご満足して頂けると思いますので、どうぞご理解下さいませ。
演奏の凄さ(内容)は私が保証いたします。

私個人といたしましては、zappa1993さんのご感想を元に、

COCQ-84755(HDCD)※マイク2本のみのワンポイントバージョン
33CO-1088(通常、オリジナル盤)
GES9266(通常、マイク2本のみのワンポイントバージョン)

以上の3枚を追加購入しようかと思います。
計6枚での聴き比べを行い、どの盤が一番生演奏の近い表現をしているか試してみたいと思っております。

マーラーは、交響曲の作曲家では後世の偉大な作曲家達に多大な影響を及ぼした偉人であります。
私は、過去に数多くマーラーの交響曲の演奏を様々なオケと会場で聴いてきました。
大編成の管弦楽、深い叙情性、伝統的形式にとらわれない作風は、この現代人にも好感が持てるのです。
この感動を家庭のオーディオシステムで再現したい!と願い続けて10年以上・・・
まだまだ先は永いと痛感しております。

今回zappa1993さんがこの5番に大変ご興味を持たれた上に、献身的なご配慮を賜っており心より感謝申し上げます。

最後にzappa1993さん、マーラーの5番は私にとって思い入れのある作品で、気になる要点が幾つかありますので、ゆっくりじっくりと聴かせて頂けますでしょうか?

今月はこのインバル:FRSOのマーラー5番しか聴かないつもりです。

それでは、失礼致します。

PAKA
投稿日時: 2014/1/19 9:21
長老
登録日: 2008/2/22
居住地: 兵庫県
投稿: 764
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん
皆さん

おはようございます、PAKAです。
先週から海外に行く機会があり、しばらく家を空けていたため返信が遅くなってしまい申し訳ありません。

ホワイトメタルさんがご紹介くださった「インバルのマーラー5番」ですが、zappa1993さんは同演奏の色々な種類のCDを聴き比べされたようで、お疲れでございました。
その詳細なご感想、楽しく拝見させていただきました。
実はまだ聴けていないのですが、zappa1993さんのコメントと併せて私も楽しませていただきます。

留守の間に注文していた分が到着しておりました。
私が購入したのは、zappa1993さんの購入されたリストにもある【33CO-1088】で、これまで古い音源を新素材CDで再発したリマスタリング物はイマイチ印象の良くないものを多く体験しているので、古いものを選んでみました。
zappa1993さんのご感想から、良い選択だったのかもしれませんね。

なかなかゆっくりと聴く時間が取れず感想が遅くなってしまい恐縮ですが、聴きましたら感想を投稿いたします。
よろしくお願いいたします。
zappa1993
投稿日時: 2014/1/19 10:23
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん
PAKAさん
皆さん

おはようございます。

今回は貴重な体験の切っ掛けを頂きましてありがとうございました。
何が何でもオリジナルが一番と申すつもりは無いのですが、一番自然という意味ではやはりオリジナル盤が際立っていたように思います。
尤もリマスター盤は当然オリジナルの音源に手を加えているわけですので、その分音に変化があるのは当然で、これを音が変わったからダメだと酷評するのも問題があると考えます。
またCDに限らず音楽ソースはオーディオで聴くことを目的に作られたものですので、生演奏ではなく演奏をパッケージした作品であることを忘れてはなりません。(もちろん生演奏の雰囲気が削がれた作品は最悪です)
そう考えた時に、後のリマスタリング作業が改良なのか改悪なのかはどこにポイントを置くかによって変わってくると思いますし、オーディオ的な快感が得られる点を重視するならまた感想も変わってくると思います。
今回CDを聴き比べるに当たっては、変な先入観を持たずに聴いたつもりですが、今までの経験則にそって「オリジナルが良い筈」という思いが無かったとは言い切れませんので、皆さんが聴かれる時は私の感想は忘れてお聴きいただけますと幸いです。
(私が言うのも変な話で、勝手なお願いですが、とても良い作品ですので聴き比べから離れてどうぞ大切にお聴きください)


>COCQ-84755(HDCD)※マイク2本のみのワンポイントバージョン
33CO-1088(通常、オリジナル盤)
GES9266(通常、マイク2本のみのワンポイントバージョン)
以上の3枚を追加購入しようかと思います。
計6枚での聴き比べを行い、どの盤が一番生演奏の近い表現をしているか試してみたいと思っております。

GES9266はおそらく通常盤だと思いますし、もし300円程度で購入できるなら聴いてみて下さい。
その他の2枚は是非ともホワイトメタルさんのご感想を伺いたいものです。

ホワイトメタルさんのマーラーに対する熱い思いには並々ならぬものを感じます。
先にも書きましたように、今回興味本位でこの作品を取り上げたことには多少の後ろめたさを感じておりますが、私もインバル指揮のこの盤が好きになりましたし、他の交響曲を聴く良い機会にもなりました。
これからはじっくりと作品を味わうように聴かせていただきます。
ありがとうございました。
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