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     良質なクラシックCDのご紹介
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投稿者 スレッド
PAKA
投稿日時: 2014/1/27 23:54
長老
登録日: 2008/2/22
居住地: 兵庫県
投稿: 764
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん
zappa1993さん
皆さん

こんばんは、PAKAです。
ホワイトメタルさんのご紹介してくださった「インバルのマーラー5番」ですが、本日やっと一日ゆっくりとできる時間が取れたので、前日から機器の電源をオンにしておき、楽しみにして聴かせていただきました。
遅くなってしまい恐縮ですが、自分なりの感想を投稿させていただこうと思います。

マーラーの5番は多くの演奏を聴いていませんが、その中でも以前から愛聴しているテンシュテットのライブ盤を所有していましたので、今日は両方聴いて違いを楽しみました。


左がインバル盤【33CO-1088】、右がテンシュテット盤【TFMCSA-0015】です。

私が購入した「インバルのマーラー5番」は型番【33CO-1088】で、その盤での感想になります。
全体を通して最も印象深いのが、とても心地の良い音であるということでした。
迫ってくるような押し出し感がなく、あくまでさらりとした印象ですが響きは豊かで柔らかく、耳につく音は全く感じない耳当たりの良い音質であると感じました。
演奏に関してはもっと色々な演奏を聴いて経験を積んでいきたいと思っていますが、端正でありながら抑揚のある素晴らしい演奏だと感じました。

テンシュテットの盤はライブ盤でSACDですので単純比較はできませんが、こちらも緊張感ある素晴らしい演奏で、ライブ盤にもかかわらず微小な表現部分も克明に録音されていて、音質もとても自然で明瞭な素晴らしい盤であると思います。
シングルレイヤーなのでホワイトメタルさんにオススメできないのが残念ではありますが、もしどこかで機会がありましたら聴かれてみてください。

この度は、素晴らしい盤をご紹介してくださり本当にありがとうございました。
クラシックの愛聴盤が1枚増えてとてもうれしいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ホワイトメタル
投稿日時: 2014/1/28 14:46
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
PAKAさん、こんにちは!

ご丁寧に返信を頂き有難うございます。

早速、インバル:FRSO「マーラー5番」のCD【33CO-1088】を聴いて頂き大変嬉しい限りであります。
やはり、私もこの盤を聴いて一番最適に思いました。

今回、PAKAさんが感じとって頂いた、
>全体を通して最も印象深いのが、とても心地の良い音であるということでした。
迫ってくるような押し出し感がなく、あくまでさらりとした印象ですが響きは豊かで柔らかく、耳につく音は全く感じない耳当たりの良い音質であると感じました。

ご紹介した甲斐がありました。
近況では珍しいナチュラルな再生音がすると思うのです。
クラシック音楽を聴く上では大切な要素の一つであります。
いずれ何処かで、PAKAさんがこの曲の実演機会時にホワイトメタルが言っていた事も何となく理解できるかなぁ〜、と思い出して頂ければ幸いかと思います。

それと、テンシュテット:ロンドンフィル盤(84年、大阪フェスティバルホールでのライブ録音)のご紹介有難うございます。
テンシュテットのマーラーは質実剛健で凄そうですね。
私はSACDプレーヤーを所有しておりませんので聴く事は出来ませんが、親しい会員さん宅でいずれ聴かせて頂きます。

さて、遅くなりましたが今晩は私の所感を送信させて頂きます。

それでは、失礼致します。
ホワイトメタル
投稿日時: 2014/1/28 20:24
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、PAKAさん、皆様

こんばんは!

いつも大変お世話になっております。

土日の休日出勤と所感を纏めるのに時間がかかってしまい、ご報告が遅くなり大変申し訳ございません。

私は6枚のCDでの聴き比べでしたが、同一指揮者で異なるオーケストラを体感している様な錯覚に陥り、大変興味深い聴き比べでした。
しかし、パッケージメディアでの体感ですので、不思議な感覚と再生音の良し悪しを判断出来る良いきっかけを与えて頂いた、zappa1993さんには感謝とお礼を申し上げます。

予め申し上げますが、私と皆様の機器やリスニングルーム環境などは異なり、一概に私の所感は必ずしも正しい事などありませんので、参考までに拝見して頂けると幸いかと思います。

今回、聴き比べのポイントとしましては、zappa1993さんと同じく第一楽章と私なりの気になるポイントをプラスする事といたします。(略:所感は?〜?で記す)
本音はまだまだ気になるポイントがあるのですが、割愛させて頂きます。

? 第一楽章:全部
? 第二楽章:2′45″〜3′00″のチェロ合奏部分の質感と浸透力
? 第四楽章:冒頭〜1分程度と10′24″〜終結まで
? 第五楽章:冒頭から30″程度のホルンの音の繋がりと余韻と質感
? 第五楽章:2′25″のトロンボーンの出音の耳あたりとリアル感
? 全体的な印象

※ 第三楽章は素晴らしい4分の3拍子のスケルツォで聴きどころ満載ですが、今回は割愛させて頂きます。


それでは、以下の通りになります。


◇COCQ-84755(HQCD:2010年発売)※ワンポイント録音、マイク2本のみ

聴き慣れたワンポイント+補助マイク録音と比べると、明らかに音場が狭くて大
編成オーケストラと大ホールでの響きの醍醐味に欠ける録音だと思います。
この録音された会場は、フランクフルト、アルテ・オーバー、2,420の座席数と50m近い奥行、25,000立方メートルの容積、残響時間は2.2秒(500Hz、空席時)と記されている事を考えると、欲求不満に陥ります。

? 金管楽器(特にトランペット)が超ブリリアントで音の芯が強くて密度感も不足して柔らかさも薄い。
弦楽器も質感がざらついて滑らかさが足りない。コントラバスの低域も強調され過ぎて不自然。
木管楽器の密度感や音色の深み、滑らかさが足りず少々人工的な印象。
打楽器(シンバル、大太鼓、小太鼓、ティンパニーなど)も人口的で硬質な質感。
? チェロ合奏部分の質感は、硬くて人工的で芳醇さが足りない。
? 澄んだ空気感は良いが、弦楽器の密度感が足りず、滑らかさと繊細さに欠ける。後半のバイオリン最高音域もヒステリックで、その後の終結へ向けてのデクレッシェンド(だんだん弱く)の弦楽器の生々しさと陶酔感にも欠ける。
? ホルンの特有の暖かく包まれる感覚に欠けるが、音の繋がりは悪くない。
? トロンボーンの逞しく力強い出音かつ柔らかい音色とは違い、硬くて薄っぺらな印象。
? 分解能は良いが、お勧め出来る程の陶酔感には程遠いと思う。


◇GES-9266(GOLD-CD:1986年発売)

HQCDのマイク2本のみのワンポイント録音よりは、かなり印象が異なります。
やはり、ワンポイントと補助マイクのせいか音場が広がり会場で演奏を聴いている様な感覚に少々近づきました。
全体的な空気感や質感も大分不自然さが薄れてきている様な感覚でした。

? 金管楽器(特にトランペット)がややブリリアントで鼓膜に少々刺激成分を感じるが人工的な感じはない。
弦楽器の質感も少々ざらつき滑らかさも多少不足するが、繊細さもありHQCDよりは密度感を感じる。
木管楽器は、密度感や音色の深みはHDCDよりは少々向上したが、音の芯に刺激成分を少々感じた。
打楽器全般も悪くはないが、少々刺激成分を感じる。
? チェロ合奏部分の質感は、HDCDよりは多少良くなったが、芳醇さと滑らかさが物足りなくて引き込まれる様な感覚が足りない。
? やはり、HDCDよりは弦楽器の密度感や滑らかさや繊細さは増すが、生々しく自然な感覚には少々及ばない。
後半のバイオリン最高音域もヒステリックまでにはいかないにせよ、少々鼓膜に刺激成分を感じ、その後の終結へ向けてのデクレッシェンドの弦楽器の生々しさもまずまずだが、少々不満が残る。
? ホルン特有の柔らかく包まれる感覚はHDCDよりは優るが、何かリアルな感触が足りない。
? トロンボーンの直線的で逞しく力強く柔らかい感覚は近づいてきたが、ややブリリアントに感じた。
? 悪くはないが、何か心に響かない。


◇COCO-73074(Blu-Spec CD:2010年発売)

このCDの所感は割愛させて頂きますが、HQCD(マイク2本のみのワンポイント録音)の延長上にある様な感じがして、音場が拡大してすっきりと澄んだ空気感があるのですが、肝心の質感やオーケストラのナチュラルでリアルな感覚を感じ得ませんでした。

☆COCO-75222(交響曲全集の中より:1992年発売)

当初Blu-Spec CDと再発盤(97年発売:廉価盤)との聴き比べでは、一番好みが合う盤かと思いましたが、繰り返し聴いているうちに繊細で透明感がある反面、耳あたりの良い滑らかさが少々不足している様に感じてきました。
しかし、全聴き比べの中では上位に位置する盤かと思います。

? 音場がクリアで、冒頭のトランぺットの出音や朗々と鳴っている感覚はリアルに感じるが、少々ブリリアントでもう少し音がほぐれていると生音に近く感じられると思う。
弦楽器の質感も繊細で透明感があり決して悪くはないが、しっとりと滑らかな耳あたりを感じると生音に近づけると思う。
木管楽器もほんの少し音に硬さと感じるが、音抜けは良く特別悪いとは思わない。
? チェロ合奏部分の質感は、少々硬さを感じるが決して悪い感じはしないが、芳醇さとねっとりと引き込まれる様なニュアンスが加味されると最高だと思う。
? 質感も良く美音の再現がリアルで、各弦楽器の分離も良い。
後半のバイオリン最高音域もヒステリックな感じはないが、少々硬質に感じる部分も少々あるが、その後の終結へ向けてのデクレッシェンドで音が消え去る際の余韻も大変好ましく思う。
? ホルン特有の柔らかく包まれる感覚と、音の繋がりも良くて余韻も良いと思う。
? トロンボーンの逞しく柔らかい質感と、直線的なアタック感も良いと思う。
? 中低域を奏でる楽器の質感などは良い感じだが、高域を奏でる楽器は少々硬さや煌びやかさを感じたが、評価は高い。


◇33CO-1088(1986年発売:通常、オリジナル盤)

zappa1993さん推奨のオリジナル盤を初めて聴いてみました。
やはり、音に鮮度感が顕れてオーケストラに生命力が漲った感覚を味わえました。
繊細で滑らか、音場もナチュラルかと思います。
オーケストラでは、必須条件の分解能も優れていると思います。
オーケストラの演奏も余裕を感じますし、質感なども先の4枚よりは上質な感じを受けました。
私もzappa1993さんに同調して一番お勧め出来るCDかと思います。
お聴きになった皆様も恐らく同じご意見に至ると推測されます。

? 冒頭のトランペットは、ややブリリアントだが朗々と鳴りっぷり良くホール全体に響き渡って生音に近い感覚に浸れる。
弦楽器も、繊細で滑らかな質感を感じる。
ティンパニー、大太鼓、小太鼓、シンバルなどの打楽器も解像度が増して明瞭に感じるだけでなく、刺激成分も感じない。
葬送行進曲のテーマに合った、悲しくも壮大なスケールを感じた。
この楽章後半のチューバが取分けリアルだった。
? チェロ合奏部分の質感も良く、明瞭で滑らかで芳醇さをも感じ得るが、浸透力及び吸引力がもう少し欲しい。
? この第四楽章は素晴らしいと思う。
この楽章が始まり、忽ち陶酔感に浸れる。
弦楽器は繊細であって滑らかで、聴感上のニュトラルモードに入り込める。
後半のバイオリン最高音域も美音で耳に染み入る感覚を味わえる。
その後の終結へ向けてのデクレッシェンドも繊細かつ滑らかに美しく余韻を残して消え去る。
? ホルン特有の柔らかく包まれる感覚と、音の繋がりも良くて余韻も良いと思う。
? トロンボーンの逞しく柔らかい質感と、直線的なアタック感も生音に近い感覚を味わえるのと、マウスピースから息を吹き込んだニュアンスまで伝わってくる気配。
? やはり、オリジナルマスターに一番近いと思われる再現性だと思う。この盤を購入すれば間違いないと思われる。


◇ COCO-85037(1997年発売:再発、廉価盤)

このCDは、私自身一番聴き込んでいます。その為、基本的にこのCDが私の中では模範となっております。
この再発盤は、オリジナル盤とは違って再生音に歪みが生じていて、音場はやや曇り解像度も劣ります。分解能においても今ひとつです。
しかしながら、弦楽器、木管楽器、金管楽器などは極上の質感が味わえます。
これは私の固定観念で、オーディオファイルの皆様から邪道な判断と言われても異論はありません。

? 冒頭のトランペットは、刺激成分を感じずに朗々と柔らかく伸びやかに再現されている。若干だが音場に歪みを感じるが、生音に近いと思う。
ティンパニー、大太鼓、小太鼓、シンバルはやや歪んで明瞭感が希薄。
弦楽器は、繊細さが少々足りないが、極上の質感で生演奏に近づいている。
? チェロの合奏部分においても繊細さが少々足りないが、芳醇で引き込まれそうになる快感は、限りなく生音に近づいている。
? この楽章も、冒頭から繊細さに欠けるが極上の質感を感じる。
弦楽器の調べは、しっとりとシルキーで耳あたりは良好だが、分解能が今ひとつの様な気がする。
後半のバイオリン最高音域も、刺激成分を感じる事はなくてしっとりとシルキーである。
その後の終結へ向けてのデクレッシェンドは、やはり繊細さに欠けるが極上の質感を感じ、滑らかな余韻を残しつつ穏やかに終結する。
? ホルン特有の柔らかく包まれる感覚はあるが、音抜けが少々悪くて籠った様な印象が残るが、音の繋がりも余韻もナチュラルだと思う。
? トロンボーンの逞しく柔らかい質感はあるが、出音のアタック感と芳醇さが少々足りないが、ナチュラルな余韻は譲れない。
? やはり、オリジナルと比べると繊細さ、分解能、解像度に劣り、この再発盤をお勧めする事に後ろめたさを感じますが、私個人的にはこの盤で何かを感じとって頂きたいと切にお願いしたい願望があります。


☆ まとめ

今回、zappa1993さんからのご発案で、インバル指揮:FRSO「マーラー5番」のCDを複数枚聴き比べ出来た事に、私自身今一度このCDへの原点回帰(この作品を再認識)出来た事が大きな収穫となりました。
有難うございました。
マイク2本のみのワンポイント録音盤が存在していた事も初めて知りましたし、HQCDでは新素材に合わせたリマスタリングも行われていた事も新たな発見になりました。
しかしながら、期待に胸を膨らませた(実は音場が広がるが、質感が薄っぺらでシャリシャリで無機質だろう)HQCDも予想通りの結果となりました。
私自身、オーディオ的な超再生音を理解しようと努めておりますが、偏屈且つ堅物ですのでどうしても理解出来ません。
今回私がご紹介させて頂いたこのCDは、俗に言う優秀録音盤とはかけ離れております。
しかしながら、テクノロジーが進化している近況の録音物(特にクラシックのCD)は、素の音など無視している様に感じるのです。高S/N、高解像度、はったりめいたリアリティーなどは音楽を冒涜しかねません。
音楽を聴いて感動出来る感性を原点回帰する意味と願いを込めて、今回投稿させて頂きました。
そして、近い将来にはどんなCDを購入してもハズレのソフトがないと、我々消費者が安心してお金を費やせる様な録音物が当たり前に出回る様に期待を込めて終わらせて頂きたいと思います。
長々と退屈な文章と、希薄な内容をお許し下さい。

それでは、失礼致します。
zappa1993
投稿日時: 2014/1/30 21:32
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん

こんばんは
力の入った試聴レポートに驚いています

クラシック音楽を愛し、演奏会にもよく足を運ばれているだけあって、流石に細かい部分まで聴き分けておられますね。
ワンポイント録音盤の評価が今一つですが、これなどもコンサートホールでの聴こえ方を熟知しておられるが故の評価だと思いますので、とても参考になりました。
また私の感じた印象と似ているものや、その逆のものもあり、その点も興味深かったです。

他の楽章についても聴き比べのポイントをお書き頂きましたので、これを参考に私も音楽を楽しみたいと思います。

それにしても、アナログならいざ知らず、CDでもオリジナル盤が良いというのはどういう理由なのでしょうね。
最近の高音質盤で用いられている素材は、通常CDのポリカーボネートより優れているという事ですし、デジタル機器の性能もCDが出始めた頃に比べてはるかに進歩しているはずなのに昔のCDの方が音が良い・・・
ホワイトメタルさんが仰るように、音楽を冒涜するような改悪が高音質化という謳い文句の元に公然と行われていることにも問題があるのでしょうね。

管理人K
投稿日時: 2014/2/4 1:11
管理人
登録日: 2007/12/10
居住地:
投稿: 1907
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、ホワイトメタルさん、PAKAさん、皆さんこんばんは。

zapppa1993さんにインバル指揮マーラー交響曲第5番のCDを一式お貸し出し頂きまして試聴致しましたので結果を報告させて頂きます。

zappa1993さんには貴重な機会を与えて頂き感謝申し上げます。

まず、DENONのオリジナル盤である33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)が最も好ましい音質というzappa1993さんとホワイトメタルさんのご意見に賛同させて頂きます。

この33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)はオーケストラの奥行き感と広がりのバランスが絶妙であり、ホール感や倍音成分が自然で、各楽器の質感も柔らかく素晴らしいものです。
CD最盛期に向けてDENONが威信をかけて望んだ録音であるというのがよく理解出来る素晴らしい音質です。

この33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)と「同じマスター」を使用したと思われるのが、GES9266 (通常版 1986年10月発売)と43CO-1841 (GOLD CD盤 1987年10月発売)とBrilliant Classics社の輸入盤BOXセットの中の一枚の3枚ではないかと思います。

GES9266 (通常版 1986年10月発売)はオリジナル盤33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)と比べて、幾分鮮度が落ちており抜けや見通しが悪くなって、オーケストラのスケール感も縮小してます。
これはおそらく、CDプレス工場や工程の違いだと思われます。
より良質なCDプレスを行ったのがオリジナル盤ではないでしょうか?
マスターもバイナリも同じであってもCDプレスによって音質は大きく変ってしまうのはもはや常識です。
ちなみに弊社が一時オマケに付けていた「ビッグヒット昭和歌謡」のCDも満足した音質が得られるまで3回CDプレスのやり直しをしました。

43CO-1841 (GOLD CD盤 1987年10月発売)は信号面の反射層に金メッキを蒸着したもので、他のGOLD盤同様に金独特の音質が感じられます。
その金独特の音質とは温度感が上がって暖かい傾向となり、音のエッジが丸くなり、全体的に少々太めの音質になる傾向です。
このGOLD盤にも同様の音質傾向を感じました。
オリジナル盤と比べると抜けが悪く全体的に篭って引っ込んだような音質です。

Brilliant Classics社の輸入盤BOXセットの中の一枚は海外に渡ったマスターがコピーだったのか?それともCDプレスが劣悪だったのか?他の2枚と比べてもかなりの音質劣化が感じられました。
音場の奥行き、広がり共に萎縮してしまい、質感も潤いがなくなりドライでがさつなものになり果ててしまっています。

次にCOCQ-84811 (2010年5月発売 リマスタリングされたBOXセットの中の一枚)ですが、これは丁寧にリマスタリングされた音質という印象です。
オリジナル盤と比べて明瞭度や粒立ち感などが向上し、オーケストラの細部がよく判る音質にはなっており、低域方向の量感も増えているのですが、オリジナル盤で感じた自然さや柔らかさなどは後退してしまっています。

次にCOCQ-84755(HQCD盤 2010年1月発売)マイク2本のみの音源ですが、ホールのS席にて聴いている印象に近いものがあるというのはzapppa1993さんと同意見です。
不思議なことに完全ワンポイント録音なのに補助マイクも使ったCOCQ-84811 (2010年5月発売 リマスタリングされたBOXセットの中の一枚)やCOCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)とCOCO-73074 (Blu-Spec CD盤 2010年8月発売)よりもオリジナル盤に似ている印象もありました。
非常にスッキリしていて奥行き表現に優れた音質です。
しかし、広がり感やホールトーンで包まれる心地良さや豊潤さはなく、ドライでタイトな印象があります。
特に各楽器の質感が硬質でギスギスしている点がオリジナル盤との大きな違いになります。

最後にCOCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)とCOCO-73074 (Blu-Spec CD盤 2010年8月発売)ですが、この2枚はおそらく同じマスターを使用してHQCD盤とBlu-Spec CD盤にてプレスし分けたものではないでしょうか?
と申しますのは、この2枚だけが他に比べて異様に音圧が高いのです。
ちなみに私が所有していたCDはこのCOCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)でした(廉価版はいまだに探し出せず)
前の投稿にて廉価版に比べてかなり音作りをした音質に感じると書かせて頂きましたが、やはり印象は同じでした。
音圧を上げてるのはもちろんのこと、高域低域全ての帯域にEQをかなりいじってるように感じます。
迫力という点だけは良いのかもしれませんが、楽器の質感は荒れ、生の質感や感触が消え失せてしまっています。
オリジナル盤で感じた柔らかさなホールトーンも消え失せており、全体的にメリハリを効かせた人工的なぎらついた音質です。
微細な抑揚表現もなくなっています。
これでは、優秀な素材のCDであっても良質な音質になっているとは到底言い難いです。
まるでクラシック版ラウドネスウォーとも言いたくなるような改悪ですね。

今回お送り頂いたCDに順位をつけるならば

1位 33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)−オリジナル盤−
2位 GES9266 (通常版 1986年10月発売)
3位 43CO-1841 (GOLD CD盤 1987年10月発売)
4位 COCQ-84811 (2010年5月発売 リマスタリングされたBOXセットの中の一枚)
5位 COCQ-84755(HQCD盤 2010年1月発売)マイク2本のみの音源
6位 Brilliant Classics社の輸入盤BOXセットの中の一枚
7位 COCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)COCO-73074 (Blu-Spec CD盤 2010年8月発売)

といったところでしょうか?

今回、zapppa1993さんのご好意で非常に勉強になりました。
ありがとうございます。

今回の試聴結果から、改めてCDの音質を決めるのは新しい素材でもなく、新しいリマスタリングでもなく、マスタリングを行うエンジニアの感性とCDプレス工程などまで管理する製作側の拘りや熱意こそが重要だということが解りました。

今回試聴しました全てのCDを試聴してみたいという会員様がおられましたら、zapppa1993さんのご好意でお貸し出しが可能とのことですので、ぜひ私管理人までご連絡下さい。

宜しくお願い致します。
ケミ
投稿日時: 2014/2/4 18:39
長老
登録日: 2008/2/17
居住地:
投稿: 851
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん、zappa1993さん、みなさん、こんにちは。

Kさんに先をこされてしまいましたが、私も4種類購入し、先週末にzappa1993さんの紹介順に試聴してみましたので、その順に感想を記させていただきます。



★COCQ-84811(2010年5月発売 リマスタリングされたBOXセットの中の一枚)
 私が最初に聴いた盤で、とても自然で、素直にいいのではないかと思いました。ただ、低域がちょっと盛ってあるのではという印象は否めません。マスタリングエンジニアとして女性の名前がクレジットされています。
 この盤を基準に、以下の3枚を聴き比べました。

★COCQ-84536(HQCD盤 2009年1月発売)
 最初のトランペットからしてキラキラしているし、低域もこれ見よがしに盛られていると感じてしまいました。入力レベルが高いためか、弱奏部でも強く聴こえ、いつまでも耳に音が残っています。
 上記のCOCQ-84811と同じ女性の名前がHQCDへのマスタリングエンジニアとしてクレジットされています。COCQ-84811とは別のマスタリングを施したということでしょうか。この盤を聴く限りHQCDに優位性は感じません(私にとって初HQCDでした)。

★COCQ-84755(HQCD盤 2010年1月発売)マイク2本のみの音源
 上記のHQCDと異なり入力レベルが低いのですが、重心が高く、音の質感がキラキラしているところは似ています。見通しがよくなったという見方もできるのでしょうが、全体の音が細くなってしまっています。私には通常CDのCOCQ-84811の方が自然に聴こえます。 

×COCO-73074 (Blu-Spec CD盤 2010年8月発売)
 購入せず(間違って4番を購入してしまいました)。

★33CO-1088 (通常版 1986年10月発売)−オリジナル盤−
 最も自然に感じました。最初のトランペットも芯があるのに柔らかく、後方からこちら側へと響いてきます。音の厚みや奥行きを感じます。この盤を聴くと、COCQ-84811は印象通り低域が盛られていることがわかります(たぶん)。演奏に余裕が感じられ、その結果ゆったりと聴こえます。上記3枚とは異なり、ボリュームを2目盛りほど上げると、さらに抑揚が増し音楽に浸れます。


私は通常CD2枚とHQCD2枚の聴き比べでしたが、とても楽しく、今後の参考になりました。個人的にBlu-Spec CD 2はたいへんできが良いと感じ、それならばとDENONのBlu-Spec CDも十数枚購入済みでした。今回の聴き比べから、Blu-Spec CDの方はあまり芳しくない結果で残念ですが、仕方ありません。

このような機会がまた訪れることを楽しみにしています。


zappa1993
投稿日時: 2014/2/5 1:42
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
管理人Kさん
ケミさん
皆さん

こんばんは

色んな方のご意見・ご感想が聞けて非常に勉強になりました。
皆さんお忙しい中ありがとうございました。

各盤の細部については、表現の違いを含めいくつか感想が異なるところもありましたが、オリジナル盤(33CO-1088)が一番良いという点に関しては皆さん共通の意見の様ですね。
他の盤を聴き進める中で、それぞれに良いと思う部分もあったのですが、オリジナル盤を聴いてしまうと他がすべて色褪せてしまい、如何に作品の良さが失われていたかと言うのが分かります。
アナログでオリジナル盤が最も良いと言うのなら分かるのですが、CDでもこれと同じことがあるとなると私たちは一体いま何を買わされていると言うのでしょうか。

このインバル指揮のマーラー交響曲第5番に関して言えば、オリジナルに近いほど良い(自然な)音質で、高音質素材を使った後発の盤になるにしたがって不自然な音質に変わっていると言えると思います。
私は自分の感想の中で、HQCD(COCQ-84536)を「オーディオで聴くことに的を絞った作品のような感じ」と書きました。
振り返って考えると、生演奏を聴いている感じは希薄ながらメリハリや迫力と言った点を重視して作り上げた音質で、オーディオで聴いた時に「凄い音」と捉えられるのを狙った音作りだったように思います。
近年の他のCDでも同様の傾向が感じられ、どこに重点を置くかによって評価は変わると思いますがこうした音質を好む人が多いのも事実で、それがこの傾向に拍車をかけているのではないでしょうか。
クラシックを聴かれる人には、生演奏の質感に拘った方が最も多いと思っていたのですが、ここでも管理人Kさんが仰るような「ラウドネスウォー」が蔓延しているのでしょか?


※今回試聴に使ったCDは管理人Kさんに預けてありますので、お聴きになりたい方は気軽に仰ってください。
グリュミ
投稿日時: 2014/2/5 17:31
常連
登録日: 2012/6/13
居住地:
投稿: 68
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
ホワイトメタルさん
zappa1993さん
ケミさん
管理人さん
皆さん

こんばんは
グリュミです。

皆さんの聞き比べの投稿を興味深く拝見させて頂きました。本当に音楽が好きででないとここまでの徹底比較はできませんよね。
感服します。

私が購入したのは33CO―1088(オリジナル)のみで比較はしておりませんが、たまたま33COを買ったわけではなく、BOOK OFFを10件近く探して購入しています。

私の個人的な考えですが、再販、リマスターを繰り返しますと音楽の生命感、躍動感、臨場感、自然さ、倍音が失われてくるのを感じます。化粧をどんどん塗りたくっていくように素材本来(演奏)の良さが見えなくなります。演奏、録音のあらや瑕疵も修正されますがそのような作業が上記の臨場感、躍動感を後退させていくように感じてなりません。
加えて音場もあり得ないほど極端に広げてメリハリ、強調感を演出する方法はオーディオ的な快感はあっても、生の楽器の質感が感じられません。

>振り返って考えると、生演奏を聴いている感じは希薄ながらメリハリや迫力と言った点を重視して作り上げた音質で、オーディオで聴いた時に「凄い音」と捉えられるのを狙った音作りだったように思います。
近年の他のCDでも同様の傾向が感じられ、どこに重点を置くかによって評価は変わると思いますがこうした音質を好む人が多いのも事実で、それがこの傾向に拍車をかけているのではないでしょうか。

そう思います。また、レコード会社もリマスターをうたって売上を伸ばそうとしているのでしょう。
リマスターというだけで買い替えをする方も確実にいるでしょう。

ただ、最新リマスター盤が好きという方がいても不思議でないと思います。というよりもどのようなポイントに注目して聞かれるかによって意見は全く逆になると思いますので、正解のようなものはないのではと思います。

ただ、クラシックが好きで楽器の質感や音楽の躍動感を感じたい方には是非、初盤や初盤に近い盤を聞いて頂きたいと思った次第です。厚化粧をしていませんので、なかには荒々しく感じるCDもあります。

>アナログでオリジナル盤が最も良いと言うのなら分かるのですが、CDでもこれと同じことがあるとなると私たちは一体いま何を買わされていると言うのでしょうか。

本当に悲しいですね。ただ幸いなことにCDのオリジナル盤はアナログ程のとんでもない値段になっていませんので、BOOK OFFや中古店を根気よく探せばお宝は普通の値段で購入できます。
管理人さんもおっしゃっていますが、プレス工場やレーベルに注目していくと良い盤に巡り合えると思います。
デリケートな話なので詳細は書きませんが、今後も続々と初盤は販売されると思います。
心配なのは、初期CDの寿命あまり長くないということです。一部のCDにはピンホールが発生しはじめており、リッピングできないCDもではじめました。CDの記録面を下にして電球越しにかざしますと、プラネタリウムのように見えます。

ただ、全てのCDは初期盤が良いというつもりはありませんので、誤解をしないで頂きたいです。リマスターで良くなったと思われるCDもあります。
あくまでもケースバイケースだと思います。
ホワイトメタル
投稿日時: 2014/2/5 21:22
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
zappa1993さん、ケミさん、グリュミさん、管理人さん

こんばんは!
いつも大変お世話になっております。

まず、ケミさんまで今回の聴き比べにご参加して頂きまして大変嬉しい限りであります。
有難うございました。

さて、今回皆様のご感想を拝見しておりますと、オリジナル盤である33CO-1088が一番良い音質だと言うご意見で合致した事が、私達アコリバユーザーとしての確かな感性と聴覚だったと安堵しております。
オリジナル以外の盤では若干意見の相違がみられましたが、機器やリスニング環境も異なりますので仕方がありませんが、基本的に感じとられている事に差異はないと思われます。

今回ご参加して下さった御仲間は、こちらの掲示板ではアコリバ製品を敬愛し、その魅力を熟知しておられる方々です。
当然の事ながら、よりピュアでナチュラル且つ原音に限りなく近づける再生音を目指して日々努力を惜しまない事を念頭に精進されていると思います。

初版(オリジナル)、再発盤、オリジナルマスターの逆輸入かコピー?盤、リマスタリング+新素材盤(完全ワンポイト録音含む)と異なる音質を体験する事が出来て大変勉強させて頂いたわけですが、一番良質なものに着地できる喜びはオーディオを通じてお知り合いになった確かな絆だと勝手ながら悦に入っております。

今回のインバル:FRSOのマーラー「5番」の演奏は、稀有の名演です。勿論、その他のコンビでも凄まじい演奏がある事は皆様も周知の通りです。
しかしながら、音質が劣悪でテンションが上がらないソフトも多いと思います。
今回のインバル「5番」は、音質が良いのでご紹介させて頂いた次第であります。
まだまだ意見交換が足りない、いや!これから聴くのだと言う方がおられればやり取りさせて頂ければ幸いです。

今後も、私自身演奏と音質が素晴らしいソフトをご紹介させて頂きたいと思っておりますので、その折はぜひともご参加して頂けますと私自身喜びを噛みしめる事が出来ますので、宜しくお願いいたします。

それでは、失礼致します。
ホワイトメタル
投稿日時: 2014/12/7 19:58
長老
登録日: 2012/8/21
居住地: 群馬県前橋市
投稿: 372
Re: 良質なクラシックCDのご紹介
皆様、こんばんは

いつもお世話様になります。

久しぶりに良質なクラシックCDのご紹介PART?として、取り上げさせて頂きたいCDがありますのでご紹介させて頂きます。



ローレンス・レイトン・スミス指揮
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
(現:モスクワ・フィルハーモニー交響楽団)

タイトル
「モスクワ・セッション(?)」

収録曲
グリンカ:ルスランとリュドミラ序曲
チャイコフスキー:交響曲第5番
ムソルグスキー:ホヴァンシチナ前奏曲

録音:1986年8月
プロデューサー:リンカーン・マヨルガ、ダグラス・サックス
エンジニア:キース・ジョンソン、スタン・リッカー

レコード会社(レーベル)
シェフィールド・ラボ(Sheffield lab)

※廃盤のため、中古品しか入手出来ません。

私がこのCDを入手したのは地元の中古ショップで、個人的にはロシアのオケが大変好みに属しますので商品陳列棚を物色していたら目にとまり、商品を裏返してみましたらスタジオでの演奏をディスクにダイレクト・カッティング、アナログ録音のデジタル化、世界中のオーディオファイルから絶賛されシェフィールドならではの高い技術と音楽心が貫かれていると言う謳い文句に購買意欲をそそられ、売価も1,000円未満で未使用中古品と思える位綺麗なコンディションだった為、迷わず購入しました。
もしかしたら、オールド・オーディオファイルの方々にはお馴染みのレーベルなのかもしれませんね。

ライナーノーツを読み進んでいるうち、興味深い事が記されておりました。
アナログとデジタルのために別個のアレンジを行ったのではなく、ミキサーの同一出力をスチューダー(アナログ録音機)、JVC(デジタル録音機:シェフィールド・モディファイの特別仕様機)におくりこんでいるとの事で、両者の間に音の違いがあるとすれば、アナログとデジタルの録音系の相違と録音レベル設定の問題と言う点です。
パラ録りによる同一ラインによる聴き比べと実験ができたのも、このソフトの魅力ではないかと思われます。
シェフィールドCDのダイレクト・ディスクは、アナログ・テープ・レコーダーよりデジタル・リマスターされたものが主流の様です。
当時、アメリカのレコード会社がソ連に機材を持ち込み録音を行い、ましてやアメリカの指揮者がロシアのオケを振ると言う事ですから、指揮者も録音エンジニアも並々ならぬ意気込みがあったものだと推測されます。
上記の様な事実を知り得たのは当CDを聴きまくった後ですので、肝心な事は初めて聴いた時の素直な感じ方が大切ですので、以下におきまして所感を述べさせて頂きます。


購入後に、帰路途中自家用車のカーステレオで再生していたところ、今までに感じた事のない弦楽器の質感とフロントガラスから柔らかく実在感迫ってくる金管楽器の再生音に、「こ、これは!」と確信めいた感動が湧き上がり、自宅へ戻り直ちに自身のシステムで再生したところ、揺るぎない確信へと繋がったのです。
中古ショップに同一品が陳列させていた事を思い出し、急いで舞い戻り複数枚購入できた事でお会い出来るタイミングが良かった御仲間へお譲り出来たのは幸運でした。

では、何故当CDの魅力の虜になってしまったのかと言う事ですが、決して超高音質盤ではありません。
音場は少々籠っていますし、低域(コントラバス)も少々膨らんで聴こえ、ティンパニは不明瞭に感じる部分(正直なところ、マレット【ばち】の種類の使い分けや叩く力加減のニュアンスで判断が難しく、必ずしもハリがあり音抜けが良い音とも限りませんが)
しかしながら、この様な気になる箇所を相殺しまうほどに演奏会場で聴いている様なリアリティーが存在している感覚に浸れたのです。

ルスランとリュドミラ序曲では、オペラの序曲として単独でも演奏される機会が多い曲ですが、テンポが速く弦のしなやか質感と明瞭さが再現されているかが大切で、弦のリードで木管楽器と金管楽器、打楽器が後方からしっかりと分離して主張しながらも調和しているかを再現出来るかが聴き手の大切な要素だと感じておりましが、交響曲とは違い少し抑えられた感覚の再生音に好感が持てました。

交響曲第5番では、少々個性的な演奏ですがスケールの大きさを感じる演奏で、オケの配置が的確に感じ得る事が出来る位相の整った録音で、弦のしなやかな質感と強弱の描写が見事で、出るところはぐっと出て抑えるところはぐっと抑えられてリアリティーがあり、木管楽器の実在感と響き方が良好で、ティンパニのここ一番のフォルティッシモの連打は距離感とホール全体に響き渡る様なリアリティーを感じ、特筆すべきは金管楽器でホルンはふくよかで包まれるけど逞しさを感じて定位置が明確に解り、トランペットも朗々と柔らかく直線的に聴こえ、トロンボーンは更に実在感を増しこの曲の中核を成す存在感を示し、チューバも明瞭で柔らかく床から吹き上げる様な感覚が要所要所で再現されて、素晴らしい録音だと思いました。

ホヴァンシチナ前奏曲でも、繊細で明瞭な質感の弦楽器と、木管楽器の伸びやかで響き方が実在感を感じ、特にオーボエの愛らしい音色は大変良好に再現されていて、しっとりと感銘を受ける録音かと思いました。


冒頭にも記させて頂いた通り超高音質盤ではありませんが、クラシックファンには何かを感じとって頂けると思い投稿させて頂きました。
但し、残念ながら廃盤のCDですので簡単に入手出来るかどうか解りかねますが、運が良ければとこかの中古ショップで安価で入手出来るかもしれません。
オークション等で出品されていましたが、高価ですので強いて推奨は出来ません。
申し訳ございません。



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