ケミさんと一緒にFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmの発表会に行って来ました。

今回のFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmの最大の特徴はウーファーユニットが励磁型、つまり通常の永久磁石ではなく「電磁石」を採用している事です。












残念ながら電磁石ウーファーユニット単体での展示はありませんでしたが、電磁石の電源ユニットは下記のものになります↓














電源ユニットは非常にコンパクトな作りで置き場所に困る事もなさそうです。
スピーカー本体への繋ぎ方は下記のようになります。











簡単に説明しますと電磁石は永久磁石に比べてロスが少なく駆動能力が高いとされ、遥か昔から様々なメーカーが挑戦して来ましたが、成功例は極めて少なかったのが現実です。
私自身もここ数年、励磁型に取り組んでいる国産メーカーとお付き合いして何度か試聴もさせてもらっているのですが、理想通りに行かない難しさを感じていました。
FOCALのウーファーユニットはこれまでの永久磁石タイプでも非常に強力で、個人的には現在トップクラスの低域再現能力を持っていると感じていました。
そのFOCALが開発したこの励磁型ウーファーユニットの実力やいかに？











ツィーターはFOCALお得意のベリリウム逆ドームユニット、上下のミッドレンジにはグラスファイバースキン材で気泡材をサンドイッチしたものを採用しています。











ミッドレンジのマグネットにはやはり同社お得意の６個のマグネットを同心円上に配置した「パワーフラワー」と呼ばれるものを採用しています。
このパワーフラワー型マグネットは、一個の強力で巨大なマグネットに比べて、各マグネット間の隙間が空気孔となり振動板背面が開放されるため、振動板自体のストロークがスムーズになるというメリットがあるそうです。
説明されるとなるほどと納得出来る良く考えられた作りです。











これもFOCAL独自のそれぞれ完全に独立したバックキャビティを持つユニットをアーチ型に配列し、位相を極限まで整合させています。
関心するのはそれぞれのユニットのキャビティの共振周波数までコントロールしている事で、確かにキャビティを手で叩いてみるとツィーターとミッドレンジ、ウーファーではぞれぞれのQ音が違いますし、上下のミッドレンジのキャビティは全く同じQ音がします。
FOCALの位相特性は旧ユートピアの時代から抜群のものがあると感じていましたが、この辺の細かいノウハウも効いているんだろうなと感じました。

実は私自身、自宅のリファレンスシステムに旧ユートピアbシリーズのNOVA UTOPIAというモデルを導入しようと思っていました。
しかし、ベリリウムツィーター搭載の初代機であるNOVA UTOPA（に限らずUTOPIA bシリーズの全モデル）は余りにベリリウムの癖が強くベリリウムの痛い音色で染まってしまうため導入を諦めた経緯があります。
ベリリウムの癖はUTOPIA bの２世代目からは治まっているのを確認しているので今回のFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmの試聴は励磁型ウーファーと共に非常に楽しみです。

試聴

試聴ソースは同行したお客様が持参されたJAZZのライヴ盤や女性ヴォーカル、代理店のロッキー・インターナショナルが用意していたオーケストラやスーパーギタートリオのライヴなどで行いましたが、凄まじいクオリティです！
位相特性は完璧、決して良いとは言えないセッティングと部屋の条件でしたが、奥行き、広がり共に深く広大な音場にシャープで厚みのある音像が超立体的に定位します。
元々、他のハイエンドスピーカーに比べてもFOCALのUTOPIAシリーズはポン置きで位相が整ってしまう凄さがありましたが、今回は更に位相特性が向上しているようです。
ベリリウムツィーターの癖も皆無。しかもまるでホーン型スピーカーのようなエネルギー密度と生々しさで管楽器が迫ってきます。
女性ヴォーカルも子音が気にならず口元が見えるというより、ボディまでが見えるような実在感。
現代ハイエンドスピーカーとホーンスピーカー双方のいいとこ取りをしている感じです。
そして励磁型の低域です。こんな低域聴いたことがありません！
最低域まで全くストレスフリーで延びます。
ディティール超明確で底の底まで見通せる感じです。
超低域の暗騒音成分なども怖いくらいにリアルに再現されます。
全く破綻というものがありません。
これが励磁型の本当の実力だったのでしょうか？！

いやはやFOCALは凄いスピーカーを作り上げたものです。
参りました。
現在、世界最高峰のスピーカーと断言出来ます。

問題は税込み１千万円以上というお値段だけですね。
同じユニット構成、構造、大きさだったNOVA UTOPIAからも倍以上の値段になってしまっています。

しかし、他の１千万円超のスピーカーと比べても全く次元が違いますし、他にこのクオリティを持つスピーカーを私は知りません。
そう考えると安いと言えるのかも？
この値段を払える方は迷わずこのスピーカーを購入して幸せになって欲しいと思います。

FOCAL STERA UTOPIA tmEMtmは今週末のインターナショナルオーディオショウや来週末の大阪ハイエンドショウにて試聴出来ます。
一般のオーディオファイルの方々も現在最高峰の音をぜひ体験して頂き、何かを感じ取って頂けたら幸いです。

11/7追加

大変、失礼致しました。
昨日インターナショナルオーディオショーにてロッキーインターナショナルさんに確認したところ、大阪ハイエンドショーには出展されないとの事でした。
大阪周辺の方はまたの機会にFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmをご体験頂ければと思います。
宜しくお願い致します。

魚釣好人さん　こんにちは。

RANZANです。

管理人KさんからあのFOCAL の試聴記情報が出ました！　

魚釣好人さんも新しいSP導入候補の一つ、FOCAL Scala Utopia の
兄貴分的存在、リファレンス機 FOCAL Stella Utopia EM の試聴記が
11/3の「オーディオ全般」に、その詳細が掲載されました。

魚釣好人さんは、好まないといっておられたベリリウム振動板は、今回も
そのベリリウム振動板を採用したということですが、そのキツイ音は解消されて、
問題は全く皆無ということです。

管理人Kさんも、「Stella Utopia EMを聴いて、この値段を払える方は迷わず
このスピーカーを購入して幸せになって欲しいと思います」ということです。

魚釣好人さん、11/12〜13まで開催の「大阪ハイエンドオーディオショウ2010」
に、行かれるということですが、その実力のほどをじっくり実体験してきてください。

また、その報告も楽しみにしています。

管理人Kさん、先日はお誘いいただきありがとうございました。貴重な試聴体験であったとともに、知ってはいけない世界を垣間見てしまった気分です。

バレーボールができるほどの大きな会場で、しかもスピーカー間隔は５ｍと幅広く、ルームアコースティックもほとんど施されていないライブな状況で、広大な音場と濃密な音像が展開されました。

どの帯域にも癖はなく、かなり音量を上げましたが、破綻の”は”の字もありません。そして、拍手もリアルで、まさにライブ会場にいるかのような錯覚に陥りました。

各ユニットのつながりもスムースで、何よりも低域が自然に聴こえました。量感たっぷりなのに、塊りとしてこちらにきません。低域の微妙な音階の違いもしっかりと描き出しているようです。アナログ盤でならどんなことになってしまうのだろうとさらなる期待も高まりました。

1000万円もするスピーカー(重量も165ｋｇ)はなかなか導入することはできないだろうし、混雑していて試聴環境はよくないとと思いますが、せっかくの機会ですから都合のつく方はインターナショナルオーディオショウでぜひ体験されてみてください。求める音の方向性を示唆してくれることになるかもしれません。

RANZANさん

今晩は！　魚釣好人です。
Focalの話は、管理人Kさんから内々に伺っていました。
現時点で世界最高のSPだと。

来週金曜日夜帰国〜日曜日朝訪韓という強行スケジュールで、大阪ハイエンドショーを見に行きます。
ショーのためだけに帰国とは、、、自分ながらあきれます。
ロッキーエンタープライズが展示するそうですから、Focalを聴いてきます。　最も興味があったクテマの展示が無いのは残念ですが、モニター抽選の確率を上げるために、嫁さんを連れて行ってきます。

ヤマハ１０００M以来、ベリリューウムツィーターを使用したSPでは、これまで感動したものがなかったので、。
というよりは、金属やセラミックを振動板をスコーカーに使用したSPは、何か特有の音が響く、、、という感じがして苦手でした。
即ち、コーラル、ダイヤトーン、エラック、などです。
特別なこだわりがあるわけでは無いのですが、エンクロージャーはウッド、ウーハー、スコーカーはパルプ、ツィーターはホーン、、、というのが好みでした。
今回のFocalも、最初のモデルは耳に突く刺激音が気になったものです。今回はそれが無くなったらしいので、抜けがよく小気味いい低音と爽やかな中高音が期待できますね。
でもクテマとライトニングSEが、気になります。ライトニングSEはラックスマンが輸入元なので、今回のショーでも聴けると思います。Focalとの聴き比べが楽しみです。

また結果は報告します。

管理人Kさん
ケミさん
RANZANさん
魚釣好人さん

こんばんは、PAKAです。
管理人Kさんやケミさんのお聴きになられた、FOCAL STERA UTOPIA tmEMtmというスピーカーは素晴らしいスピーカーのようですね。
私はFOCALのスピーカーは聴いたことがありませんが、オーディオの可能性という観点からも是非一度、見て聴いてみたくなりました。
ちょうど13日に休みが取れそうなので、大阪のオーディオショーを見に行ってみようかな、と思います。

PAKAさん、魚釣好人さん、ごめんなさい。

昨日、インターナショナルオーディオショーにてロッキーインターナショナルさんに確認したところ、大阪ハイエンドショーには出展されないとの事でした。
FOCAL STERA UTOPIA tmEMtmも重量があり過ぎて大阪に送るだけでも２０万円以上のコストがかかるとの事でした。
きちんと確認もせずに投稿してしまい大変申し訳ございません。

FOCAL STERA UTOPIA tmEMtmはまたの機会にご体験下さい。

大阪ハイエンドショー自体は今年の新製品なども多数展示されるはずです。
最先端のオーディオ機器をぜひともご体験下さいませ。

宜しくお願い致します。

皆様にお詫びしなければならない事がございます。
それは昨日インターナショナルオーディオショーにてFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmの再試聴を行ったところ、非常に酷い音質で鳴っていたからです。
素晴らしいスピーカーでぜひ一聴をとお薦めした本人としましては面目丸潰れで非常に恥ずかしい限りです。
またインターナショナルオーディオショーにてFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmを体験頂いた方々にFOCAL STERA UTOPIA tmEMtm自体の実力や音質がこんな程度だと思われてしまうのも非常に残念ですし、FOCALとしても本望ではないと思います。

先日の青山での発表会よりも部屋の環境などは良くなっていたはずなのに何故、こんな音質になってしまったのでしょうか？

FOCAL STERA UTOPIA tmEMtmは今回このようなセッティングになっていました↓









異様に内振りにセッティングされた▽配置。
聞けば某大阪の販売店主がやって来てセッティングしたそうなのですが、FOCALのUTOPIAシリーズ自体、比較的正面向きにセッティングすべきスピーカーで（真正面向きでポン置きでも定位が決まる位相特性の良さがあります）こんな内振りにセッティングしてしまっているため左右の音波が完全に被って中央定位が膨れて不明瞭になってしまっていました。

ロッキーインターナショナルさんによればレーザーポインターにてセッティングしていたとの事ですが、正に「馬鹿の一つ覚え」
なんでもかんでも内振り▽配置にすればいいと思ってるのでしょうか？
スピーカーセッティングはスピーカーの特性、構造、音波放射パターン、部屋の環境、置き場所などによって、スピーカーの振り角度や間隔などは大きく変わってくるという事を全く解っていないようです。
更に中央定位を滅茶苦茶にしていた原因が異様に前方に突起させた中央の凸凹パネル。
これも某店主がセッティングしたそうですが、極端な内振りセッティングのせいで只でさえ不明瞭な中音像を極端に突起させた凸凹パネルで音像を分裂させてしまい、中央音像はどこにいるのかも判りません。
音波放射や音波反射の概念すら判っていないようです。
中央定位が分断され乱反射しただけの音を持ってして、立体感が出たとでも言いたいのでしょうか？
事実、我慢できないので中央の凸凹パネルの突起をある程度平らな状態に直させたところ、ようやく中央音像が微かですが見えて来ましたが、時既に遅し。
私が聴いたのは最終日の午後５時過ぎのショーの終了後ですので、残念ながら会期中は全ての人がこの酷い音で聴いてしまった事になります。

ケーブルやその他のセッティングも某店主がやったとの事でしたが、そのせいなのか、酷く荒れたやかましい音色と質感に愕然としました。
STERA UTOPIA tmEMtmの解像度や物理特性の高さだけが強調されてるような粗ばかり目立つ超刺激的な音。
ジェーン・モンハイトのヴォーカルなどはこれまで聴いてきた中で最悪の音でした。

結果、今回のインターナショナルオーディオショーにおけるデモンストレーションはSTERA UTOPIA tmEMtmの物理特性だけは凄そうだという事が判るだけで、STERA UTOPIA tmEMtm自体の本来の実力、魅力などは１０％も引き出せていなかったと思います。

奇しくもどんな高額高性能なオーディオ機器でも使いこなしが出来なければ（悪ければ）酷い音しか出せない、性能が高いが故に余計に酷い音になるという、「悪い見本」となってしまったようです。

せっかくのデモンストレーションの機会を台無しにしたのは某店主のエゴが原因だとは思いますが、そんな人間に大切なセッティングを任せてしまった輸入代理店にも責任があると思います。
商売上のお付き合いや義理もあるのかもしれませんが、優れた製品を輸入する代理店の責任や義務として、優れた音質を引き出すためのセッティングは自分で行って欲しかったですね。

大阪ハイエンドショーには出展されないとの事で、今後皆様がSTERA UTOPIA tmEMtmを聴ける機会がいつ来るのか判りません。
今回のインターナショナルオーディオショーのような誰でも超ハイエンド機器を体験出来るチャンスは決して多くはありません。
せっかくの貴重な機会が台無しになってしまった事は残念で仕方ありません。

最後に今回インターナショナルオーディオショーにてSTERA UTOPIA tmEMtmを体験された方に申し上げておきます。
物理特性の高さのみはご体験頂けたでしょうが、STERA UTOPIA tmEMtmの実力はこんなものではありません。
今回のような刺激的でざらざらした質感、音色で、平面的で不明瞭な音像定位や音場表現ではなく、本来は遥かに滑らか且つ艶やかな質感と音色、揺るがない音像定位、どこまでも深く広く高い超立体的な音場が再現される素晴らしいスピーカーです。
どうぞ、誤解のないようお願い致します。

管理人Kさん

STERA UTOPIA tmEMtmに関する補足説明ありがとうございます。
セッティングやルームチューンなどによる音質的影響が、全く同じ機器でありながら再生音を別物にしてしまうということは、今までの自宅システムの音質でも十分に体験していますので、オーディオショーなどで聴いた音質がその機器のパフォーマンスを十分に発揮できていることは稀なのかもしれませんね。
そして、インターナショナルオーディオショーでは管理人Kさんの体験された、STERA UTOPIA tmEMtmの良い面をほとんど引き出せていなかったのはとても残念ですね。
やはり機器に合わせたセッティングやルームチューンの追い込みがとても大切であるということなのだと思います。
また、STERA UTOPIA tmEMtmは大阪のオーディオショーには出展されないというのも残念です。
ただ、せっかくの機会ですので色々なメーカーの製品を見てみようと思います。

私もFOCAL STERA UTOPIA tmEMtmの再試聴させていただきました。

結果はとても残念なものでした。確かに基本的な能力が高いことはわかりますが、前回のような鳥肌が立つような感動がありませんでした。

前回との比較を私なりにしてみますと、Ｋさんからあったようにスピーカーの?セッティングがおかしかったのではないかという点。
お客さんで混雑しているときには横で聴いていたのでわからなかったのですが、中央位置で聴いてみると中央音像が肥大し、その音像が割れて聴こえました。たぶん内振りがきつかったのと中央に配置したハの字型のパネルのためだと思います。

もう一点は?ケーブルがアコリバ製ではなかったという点です。前回はＣＤＰ〜プリ間、プリ〜パワー間を持参したアコリバ製ケーブルに変えた途端に音場が広大になりました。今回の会場にもこのケーブルはあったはずで、あの感動を多くの方に体験していただけなかったこともとても残念です。
前回明確だった立体音像も今回あいまいで、ボリュームを上げた際には破綻もしているように聴こえました。そして何よりも音質が汚く聴こえました。あんなに艶のないジェーン・モンハイトは初めてです。

再試聴の結果、セッティング・各種ケーブル・音響パネル等のアクセサリーがいかに重要であるかということを痛感しました。またオーディオに携わる方々にもう少し高い理解と技術をお願いしたいと感じました。そうすることによってユーザーが自分の好きな音楽をより高次元で愉しむことができ、その要求に応えるためにメーカーのレベルアップが図られ、ソフトに関してもより質の高いものが求められ、ユーザーに還元され、そしてユーザーはさらに高いものを求め、・・・というような正のスパイラルが生まれるのではないかと思います。

管理人K　さん

魚釣好人です。　こんにちは！
FOCAL社の件、情報有難うございました。
SPによっては、内ぶりのセッティングだと音の広がりが少なくなり、音像が中央に集中してしまうものがありますね。
私の使っているターンベリーHEもその傾向があり、軸上よりは外向きにセッティングしています。ステラユートピアも、感度が高くてすばらしいSPだけに、セッティングの影響は大きいのでしょうね。大阪逸○館のK代表のセッティングかと思いますが、あの方は自分のセッティングが一番で、他の方法を認めない方ですね。機器の評価も同じです。（私も何回かお話したことがあります）

しかし、大阪ハイエンドショーにロッキーインターナショナルが展示しないのは残念ですね。昔はJMlabなど、フランスのSP展示があったのですが、、、。
でもラックスマンのコンセンサスオーディオやB＆W、マジコなどが聞けるので、久しぶりに高級SPを堪能してきたいと思います。