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   [00-06]アナログレコード
     アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
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投稿者 スレッド
zappa1993
投稿日時: 2013/5/18 10:57
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
皆さん

おはようございます。
私たちのアナログリッピングに対し、多くの方にご関心頂きましてありがとうございます。
また管理人Kさん及びシンタックスジャパンのMさんには改めてお礼申し上げます。

当初、オリジナルレコードの音を高音質でデジタル化し、当時のマスターテープに近い音をデジタル機器でも楽しむことを目的の一つとして始めたアナログリッピングですが、実際に初めて見ると色々と興味深いことが分かりました。
どれ程皆さんのお役に立てる情報なのか分かりませんが、記憶に残っていることを幾つか書かせていただきます。(ここでは深くは検証しません)

まず、私たちはアナログの音をデジタル化するのに192kHz/24bitというフォーマットを使っています。
一般的にハイレゾ音源で良く用いられる96kHz/24bitやCDフォーマットの44.1kHz/16bitでのデジタル化も試しましたが、やはり192kHz/24bitが群を抜いて良かった記憶があります。
もちろんその他のフォーマットも悪くはないのですが、アナログの音と聴き比べてみると192kHz/24bitのものが一番劣化が少なくアナログの雰囲気をよく伝えています。
面白いのは、例えば最初から44.1kHz/16bitでデジタル化するのと、192kHz/24bit でデジタル化してこれをダウンサンプリングして同じフォーマットにするのとでは音が違うという事で、この音の違いもダウンサンプリングする方法(ソフトウェアの違いなど)によっても変わり、デジタルデータの音というのは如何に簡単に、そして想定していないところで変質してしまうという事を改めて実感しました。
ダウンサンプリングする方法により音が変わるのは、そのアルゴリズムの違いや処理するハードウェアの違いによるものですが、例えばUSBケーブル一本でも音が変わりますので、やはりオーディオ的なアプローチも手を抜いてはいけないという事が言えます。
(アナログリッピングした音源は曲の前後をカットする以外何の編集もしていませんので、編集中の劣化は考慮に値しないと思います)

44.1kHz/16bitへのダウンサンプリングは、アナログリッピングした音源をCDPで聴きたいというYoさんのご要望に応えての事だったのですが、ダウンサンプリングしたWAVファイルをCD-Rに焼き、これをCDPで聴きますと、WAV音源を直接USB-DACに送って聴くのとはまた音のニュアンスに違いがあることが分かります。
そして最も驚いた(喜んだ)のは、CDPで再生してもアナログらしい量感があり豊かな音が失われていないことで、重圧な低域も情報として失われていなかったのです。
試しに同じ録音の市販CDを聴いてみますと、多少薄っぺらい音に感じられ、メリハリが効いてクリアで綺麗な音なのですが、やや人工的に感じられます。
最近のリマスターブームの中で、「オリジナルマスターテープ使用」という謳い文句をよく見かけますが、CD化に際しどうして重低域が失われてしまうのでしょうか。
CD-Rとも20Hz〜20kHzという帯域は同じだと思いますので、CD用のマスター音源を作る際に失われると考えるのが自然ですが、問題はどうして再生可能な低域を弱める処理がされるかという事で、この理由は分かりません。

最後に再生環境について。
アナログリッピングは、アナログの音をデジタル化することですが、デジタルデータのメリットは持ち運びが簡単で、他のオーディオシステムでの再生が出来るという事です。
Yoさん宅でリッピングした音源は、Yoさんの調整し尽されたアナログプレーヤーの音を閉じ込めたものですが、この音源を拙宅で聴いてみるとアナログらしさは十分感じられるものの、同じDACを使ってYoさん宅で聴く音とはまた違いがあることが分かります。
アナログリッピング音源はアナログ→プリアンプまでの音をデジタル化したもので、実際のアナログ再生はこの後パワーアンプ→スピーカーという流れになります。
このパワーアンプとスピーカーという再生系統が実際の再生音の多くを決定づけているようで、同じアナログリッピング音源を聴いても拙宅ではまた違った聴こえ方になります。
それでもアナログを聴いているという感覚はCD再生では得難いところです。

やや当たり前の内容になりましたが、備忘録として書かせていただきました。
zappa1993
投稿日時: 2013/5/11 11:02
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
Yoさん

詳しいご解説ありがとうございます。
返事が遅くなりまして申し訳ございません。

仰るように、振動がないと思われる物の下に敷くインシュレーターやアンダーボードの素材や構造によっても再生音に違いがあることを確認しております。

ディスクドライブを内蔵するNASは、ディスクの回転運動による振動がありますので、手で触っても軽い振動を感じますが、HUB等のネットワーク機器やバッテリー電源等は可動部を持たない為自らは発振しません。
ただネットワーク機器はNASと同じボード上に置いていますので、僅かな振動を受けていると考えられますが、手で触っても分からない程度のものです。

そして、リッピング時のように再生音がない状態(アコースティックフィードバックがない状態)でもNAS等の振動体から隔離した電源BOXやバッテリー電源などのアンダーボードの素材などで、作成されるリッピング音源の音が変わることも確認しており、不思議な事ですが事実その様になります。

これらはYoさんが3番でお書きになった様に、全ての物体が持つ固有振動数の違いと、違う物体同士を組み合わせた時の振動モードである程度の説明はつくと思います。
単一素材のインシュレーターを例に単純に考えますと、インシュレーターのもつ固有振動数と上に乗せる機器接触部の固有振動数、更にインシュレーター下の物体の固有振動数があり、これらが似通っていると共振し易く、制振とは反対の作用を引き起こしてしまいます。
物体にはそれぞれ固有の振動数があり、全く同じ振動モードになることは稀であると考えられますので、使用するオーディオ機器や床面の素材によって制振作用が変わり、これが音に現れるのだと思います。

それでは振動していない機器に使っても音が変わるのは何故かという点ですが、これに対しては明確な説明は出来ませんが、Yoさんもお書きになっているように、全ての物体は手で触れた位では分からない程度の微振動をしており、この固有振動数がプラスされて音に影響を与えているではと想像します。
また重量バランスの変化も音に何らかの影響を与えているのかもしれません。

ここで考えなければならないのは、高い固有振動数をもつ物体をインシュレーター等に用いると硬く高域よりの音になり、逆に低い固有振動数をもつ物体を用いるとぼやけた音になると言う点で、設置場所の素材や使用前の音の傾向に合わせて最も適したものを選択する必要があると言う事です。
中にはこれを逆手にとり、高域よりの音になる素材を使ってクリアで見通しの良い音になったと思わす商品があるようですが、インシュレーター等の素材としては、変な癖がなくまた制振作用が高いものが好ましいと思います。

----------------------------------------------------------------------

掲示板での報告が遅れましたが、Yoさんとのアナログリッピング作業も順風満帆とはいえないものの確かな手ごたえを感じながら少しずつ前進しております。
シンタックスジャパンからお借りしたUCXというRME社のハーフラックサイズのオーディオインターフェイスは、先にお借りしたUFXとはまた少しニュアンスの違う音ながら、高S/Nで音の劣化が少なく、前回も書きましたが単体のDACとしても品質・コストパフォーマンス共に非常に優れた製品だと思います。

今回のアナログリッピングは192kHz/24bitで音源化しているのですが、それを96kHz/24bitや44.1kHz/16bit(CDフォーマット)にダウンサンプリングしてUSB-DACで聴いたり、ダウンサンプリングしたWAV音源をCD-Rに焼いてCDPで聴くなど色々な再生方法を試す中で面白い経験も出来ましたし、アナログリッピング作業やファイル音源を再生するパソコンの違いでも、録音/再生の品質に大きな影響があることが改めて分かりました。
この辺りの事は改めて文章にまとめて報告させていただきたいと考えています。

Yo
投稿日時: 2013/3/13 19:25
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
zappa1993さん

ご返事有難うございます。
アナログリッピングのメリットは他にもその人の音楽の聴き方によっても有るように思います

>アナログリッピング時にアンプのボリュームを0に絞ってSPから音を出さない場合、アナログプレーヤーやアンプのインシュレーターやアンダーボードの違いでリッピング音源の音が変わるでしょうか?
プレーヤーはターンテーブルの回転がありますので制振による効果は音に出てきそうですが、アンプはほぼ無振動のはずです。
もし違いが表れるなら、それはどう言った理由によるものなのか考えてみるのも面白そうです。

この件については間違いなく音は変ると思います。それはzappa1993さんが一番ご存知のはずで「音を出さないCDリッピングの時、ディスクドライブやPCなどのアンダーボードやインシュレーターの調整でリッピング音源の音が変る」と言う経験をされているはずです。・・・如何ですか?

この理由については管理人Kさんのご意見を是非とも伺いたいところですが、私の考えをまず述べさせて頂きます。

アンダーボードやインシュレーターの効果の理由ですが下記の3点を考えています。

1)床や台から来る振動のフィルタリングと制振効果
基本的にはSPからの音圧による床や台の振動を制御する事ですが、実際の環境で全く振動が無い事は無いので、わずかながらもこの効果による影響はあると思います。

2)機器自身の振動の制振と反射による効果
プレーヤーや回転系を持つ機器はもちろんの事、SPからの空気振動他による機器の振動がインシュレーターやボードに伝わって制振と反射が起ってこれも音に影響すると思います。

3)機器(足や筐体)とインシュレーターやボードが接触する事によるそれぞれの固有振動数の相殺と相乗による新たな振動数の影響
基本的には上記1)と2)で説明が付くのですが、私の経験上同じインシュレーターやボードを使っているのに機器の接触部の材質などの違いでその効果や音に対する影響が全く違う事や同じ材質のボードを使ってもその厚みで効果と音への影響が変る事も経験しています。それは1)、2)だけでは説明が付きにくいと思うからです。
zappa1993
投稿日時: 2013/3/10 18:54
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
Yoさん
皆さん

こんばんは

>アナログリッピングのメリットとしてレコードをそのまま聴くより良い面が一つありました。それはプレーヤーへのハウリングやアコースティックフィードバックをキャンセルして聴けることです。

これは私も気が付きませんでした。
仰るように、アナログリッピングはアンプのボリュームを0に絞って行いましたので、SPからの振動の影響が無かった訳です。
アナログにしろCDにしろ、私たちは普段SPからの振動の影響を受けたプレーヤーの音を聴いている訳で、そこに使われる制振素材や機構を含めて再生音を調整しています。
つまり、純粋にプレーヤーだけで形成された音ではないと言う事ですね。
例えば、普段聞いている自分の声と、録音再生した自分の声では印象が違うと言う事があります。
これは、普段聞いている自分の声は頭蓋骨の振動により伝わる音と耳から入る音の合成で得られたもので、一方録音された声は口から出て耳から入る音だけという違いがあるようです。
アナログリッピングとは同じ原理ではありませんし、不適切な例えかもしれませんが、両者に違いがあると言う事がお分かりいただけるのではないでしょうか。

>曲によっては低音楽器がわずかにタイトに聴こえたり、高域楽器の張りが微妙に強めかな?と思えることも有りましたが、今から考えるとこれはリッピングでの変化と言うよりはプレーヤーへのアコースティックフィードバックをキャンセルできた影響かなと思っています。

そうかもしれませんね。
振動は高域の伸びを妨げたり、低域を曖昧なものにしているのかもしれません。
Yoさんがお書きの様に、何れも「わずかに」と言う部分で、本質的に音を変えてしまうような影響まではありませんでした。
(紛れもなくアナログの再生音と同質の音で、わずかなニュアンスの違いとご理解ください)
これを「良」と取るか、「否」と取るかは人それぞれですが、私は本来の音が得られたと言う事で「良」方向の変化だと思います。

私は普段CDからリッピングした音源をネットワークプレーヤーで聴いていますが、このリッピング音源の優位性を語るときに常に使われる「CDPと比べて回転系が無い」と言う部分に少し疑問がありました。
まず、リッピング音源の優位性を語るのに真っ先に用いられることに違和感がありましたし(実際には他の要素の方が大きいと思えます)、リッピングするにしても同様に回転系があるCDドライブを使う訳です。
アナログリッピング音源のわずかなニュアンスの違いを考えると、このCDのリッピング音源の優位性も同じところから来ているのかなと言う気がします。
つまり同じ回転系のメカを使っても、リッピング時はSPの振動の影響を受けないのに対し、通常のCDPでの再生ではSPの振動を受けると言う事です。
リッピング音源を再生するネットワークプレーヤーもSPの振動を受けますが、音源はファイル形式のデジタルデータに過ぎませんし、振動の影響を受けるとしてもそれはアナログ回路部分が大半ではないでしょうか。
CDをリッピングしたときの音の変化がアナログリッピング時の変化とよく似ていることがこれを物語っています。


それともう一つ。
アナログリッピング時にアンプのボリュームを0に絞ってSPから音を出さない場合、アナログプレーヤーやアンプのインシュレーターやアンダーボードの違いでリッピング音源の音が変わるでしょうか?
プレーヤーはターンテーブルの回転がありますので制振による効果は音に出てきそうですが、アンプはほぼ無振動のはずです。
もし違いが表れるなら、それはどう言った理由によるものなのか考えてみるのも面白そうです。
Yo
投稿日時: 2013/3/6 17:15
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
皆様

追記です。

1) アナログリッピングと言う言葉について
 確かに私がzappa1993さんを誘う為に即席で作った言葉なのですが、使いやすいですし造語としても簡単なので他に使われていないか調べてみました。結果やはりアナログレコードのデジタルファイル化という意味で「アナログのリッピング」と言う言葉と共にこの言葉を使っていらっしゃる方がいるようです。よって初めてではありません。しかしこの言葉をお使いの方のブログ等を拝見すると単なる「アナログレコードのデジタル録音」としてお使いの方も多く、私達としては、通常のリッピングという手法が「CD等をそのままCDPでプレイして聴くよりも、一旦デジタルファイルとして取り込んでそれをネットワークプレーヤーやPCで聴く方が品位が高い」という意味合いがありますので、これを踏まえて「品位の高いデジタルファイル化でないとこの言葉は使えない」と言う気持ちでやっていこうと思っています。

2)アナログリッピングのメリットについて(1)
 1)の言葉を検索して捜した方の文章を拝見すると「アナログレコードはトレースすればするほど劣化するので・・・リッピングしてそれを聴く」という人が居ました。私はそうは思いません。確かに調整不足のトラッキングの悪い針や劣化した針でのトレースはキズの元ですし、埃などクリーニング不足のレコードをトレースした場合はチリパチノイズの原因にもなります。そしてかけ過ぎ(注1)もダメージを与えてしまう可能性がありますが、きちんと調整されたプレーヤーで上記のことに気を配って聴く分には全く問題は無いと思っています。逆にジャズ喫茶ベイシーの店主菅原氏は「レコードはかければかけるほど鍛えられて音が良くなる。」と言う方もおられます。(私もそれなりに納得できる面があります)よってこのレコードの劣化を防ぐ事をアナログリッピングのメリットとは考えていません。

(注1)「かけ過ぎ」とは短時間や一日に何度もプレイすることで、ある人から「柔らかいヴィニルを硬い針でトレースするとその瞬間ヴィニルがわずかながらも変形する。その変形は時間と共に戻るので問題ない変形だが、変形が戻るまでに何度もトレースすると結果完全な変形やキズとなりやすい。」と聞いた事があります。また別の知人のジャズ喫茶の店主からは「かつてキース・ジャレットのケルンコンサートが大変な人気だった時、来る客来る客にリクエストされた時は盤がすぐにダメになった。」と聞いた事とあわせて私自身納得し、気をつけるようにしています。

3)アナログリッピングのメリットについて(2)
 アナログリッピングのメリットとしてレコードをそのまま聴くより良い面が一つありました。それはプレーヤーへのハウリングやアコースティックフィードバックをキャンセルして聴けることです。私のプレーヤーで「レコードを回転させずに針を下ろし、アンプのボリュームを上げて行ってハウリングを起こすボリューム位置を知る」というテストにおいてはフルボリュームでも起こさない調整をしてありますが、アコースティックフィードバックは良く分かっていませんでした。もちろんこのフィードバックはプレーヤーだけでなく他の機器やケーブルにも起るので完全にキャンセルすることなどSPと機器を別部屋にでも隔離しない限り無理ですが、アナログリッピングをする事で少なくともプレーヤーへのフィードバックはキャンセルできます。(その代わりPCやネットワークPへのフィードバックは起りますが、これはアナログプレーヤーに比べると軽微だと思います。)

今回のテストでzappa1993さんとも聴き比べて「ほとんど変らない」の結果では有りましたが、曲によっては低音楽器がわずかにタイトに聴こえたり、高域楽器の張りが微妙に強めかな?と思えることも有りましたが、今から考えるとこれはリッピングでの変化と言うよりはプレーヤーへのアコースティックフィードバックをキャンセルできた影響かなと思っています。いずれにしてもプレーヤーの裸の音が聴けるという意味でメリットはあるかと思います。

以上とりあえずの追記事項です。
よろしくお願いいたします。
zappa1993
投稿日時: 2013/3/5 0:56
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
管理人Kさん
皆さん

こんばんは

アナログリッピング音源の過大なるご評価ありがとうございます。
私自身、アナログのエネルギー感や実在感などはレコードをトレースして得られた生のアナログ信号に宿っているもので、それを一度デジタル信号に変換し静のデータにした時点で幾らかは失われるのでは無いかと想像していましたので、最初は不思議な感覚でした。
全ての音(音楽)は波形で表すことが出来、全く同じ波形なら同じ音(音楽)を再現できるという理屈を頭では理解しながら、実際には波形では表しきれない或いは第2、第3の要素がある等して、似たような音は再現できても全く同じ音を形作ることは難しいのではないかと考えていましたので、今回のアナログリッピング音源がアナログの音を再現しているのを体験し、時間があればこの辺りを深く掘り下げてみたいという思いになりました。

そしてYoさんが、すべてのノウハウは私(zappa1993)にあるとお書きになっていますが、決してそんな事はありません。
私のノウハウも不可欠ではありますが、他にも必要な要素はたくさんありますので、今回のアナログリッピング音源の音質を決定づける要素を私なりに考えてみました。

1. 高音質のアナログデータ
2. データを変質させないラインケーブル、デジタルケーブル
3. 音質劣化の少ない機材
4. ノイズの影響を抑えたPC
5. 音質劣化の少ないDAWソフトウェア
6. 良質なモニター環境

1番は言わずもがなですが、PCに取り込む前の音がチープではどうしようもありません。
私はこの部分が最重要だと考えます。
2番以降で幾ら劣化を食い止める工夫をしても、それはバケツリレーの水を出来るだけこぼさずに送るのと同じで、元の高音質のデータを正しく伝える作業に過ぎません。
Yoさんの調整し尽された高音質なアナログの音を最小限の劣化でデジタル音源化出来たことで、この元のアナログの音の良さを他所の第三者が純粋に評価したと言えるのではないでしょうか。
両者を聴き比べることが出来るのはYoさん宅だけなのですから。

2番はもちろんアコリバのケーブル類です。
他にも電源BOXや電源ケーブルも活用させていただきました。
REM-8も有効でしたし、次回のUCXにはRBR-1を試してみるつもりです。

3番は先の投稿にも書かせていただきましたように、RME社のオーディオインターフェイスが重要な働きをしてくれました。
単に内部を信号が通るというだけではなく、リッピング時はA/D変換、再生時はD/A変換を行いますので、ここで音質が変わっては話になりません。

4番はYoさん宅に持ち込んだ私のPCが音質劣化を防ぐのに一役買ったと思います。
ノイズ対策に関しては未だに少しずつ手を入れており、電磁波吸収シートをほぼ1cm角程度のサイズで加えたり除いたり、貼る場所を変えたりしながら音の調整をしています。

5番も意外と重要な項目で、PCでデジタルデータを処理するソフトウェアによっても音質がかなり変わります。
プロの現場でも使われている市販の有名なDAWを使うのがベストですが、これらの中にはFreeバージョンもありますので、安易なフリーソフトの利用は避け、実績のあるものを使うのが好ましいと思います。
今回のアナログリッピングは32bitのオーディオエンジンを持ったDAWを使いましたが、将来的には64bitのオーディオエンジンで処理をしたいと考えています。

6番は別にモニタールームがあるわけではありませんが、きちんとセッティングされたオーディオで音楽を聴くことは音楽の理解を深めますし、音楽表現に長けた再生音に調整することは1番にも繋がると思います。

上記の何が欠けてもあのアナログリッピング音源は出来なかったと言えるのではないでしょうか。

Yo
投稿日時: 2013/3/3 16:03
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
Kさん

ご返信有難うございます。そして私たちで作った音源への過分なご評価恐縮です。

これもRMEという潜在能力の非常に高い機器があった事、そして能力は非常に高いですが各種入出力に対応する為に一般的(一般オーディオ機器)には使われない端子が設定されている事(たぶん接続間違いを防ぐためもあるだろうと思います)で使い辛い面も持っていることに対して、アコリバとして接続ケーブルの面倒をすべて見て頂けたことが大きかったと思っています。Phoneプラグなんてオーディオグレードで作っているところなんて他にないですからね。その上入出力の方向性まで対応して頂きましたから・・・感謝に堪えません。

そしてzappa1993さんのPCもリッピングで培われたノウハウで自作された音楽専用PCでもちろんチューニングはアコリバで行われてあります。・・・これらの事を考えると私は言い出しっぺではありますが、実際には音を出しただけですから・・・イベントのゲストなんて向いてないですよ・・・ノウハウはすべてzappa1993さんにありますから・・・。

いずれにしても私の個人的な想い「オリジナルレコードが作品でマスターテープは素材」ということに関して、つまり「オリジナルレコードを元にしたデジタル音源がマスターテープを元にしたデジタル音源に勝るとも劣らない」ということに一石を投じることが出来れば満足なのです。
管理人K
投稿日時: 2013/3/1 23:26
管理人
登録日: 2007/12/10
居住地:
投稿: 1907
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
Yoさん、zappa1993さん、皆様こんばんは。

Yoさん、zappa1993さん、アナログリッピングの実験、大変お疲れ様でした。

先日のスタジオAのRMEイベント終了後にzappa1993さんからシンタックスJAPANさんへお送り頂いたアナログリッピングのサンプルをシンタックスの皆さんや出版社の方々と一緒に聴かせて頂きました。

その音は見事なまでにアナログレコードのサウンドでした。
立体感と生命力に溢れる正しくアナログレコードの音です。
ハイレゾなどのデジタルファイルとは違った、またCDやSACDともまた違ったアナログ独特の素晴らしい音に皆さん、驚愕していました。

おそらくですが、ここまでのクオリティを有したアナログリッピングは世界初じゃないでしょうか?

スタジオAでのRMEのイベントでは今後、アナログリッピングのイベントも企画しております。
その際にはぜひゲストでお越し頂き、アナログリッピングのノウハウなどをご教授頂けたら幸いです。

ありがとうございました。
Yo
投稿日時: 2013/2/26 18:54
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
zappa1993さん
皆様

「アナログリッピング」と言う言葉を作ったYoです。なぜこんな言葉を作ったか?・・・それはアナログレコードの音をその魅力をも閉じ込めた高度なデジタルファイルを作ることに挑戦したいとずっと思っていたのですが、自分にはその経験も無いので(デジタル)リッピングを中心にオーディオを楽しんでおられて音的な好みも近くデジタルの取り扱いにノウハウを持っておられるzappa1993さんを引き込む為には魅力的な言葉が必要だったからです(笑)。・・・zappa1993さんすみません・・・でも本当なんです。「アナログレコードのデジタル録音」では面白いと思われなかったでしょうし、私もここまでテンションが上がらなかったでしょう(笑)。

「アナログを聴く人がそれをデジタル化して聴く事にどんなメリットがあるのか?」・・・この設問に関しては確かに難しいですし、ただ聴くだけならメリットは少ないと言えるでしょう。私も元々この事には興味はあったのですが実際「やろう」と思ったのはzappa1993さんとの交流に有りました。それはzappa1993さんがネットワークオーディオのシステムを拙宅に持ってこられて(アコリバのテーブルタップから何から何までですからかなりの物量です。・・・zappa1993さんの本気度が分かりました;笑)音と音楽に関していろんなお話をしました。初回の音は私の耳からしてもデジタル的解像度を追求した音で正直言って「リッピングってこういう音なのか?これも好みの違いかな?」と思ったのですが、2度3度と来られるごとに音が変化して私にも十分納得できる音になってきました。そして「自分の音を他のシステムで聴く事やアナログと比較する事がとても勉強になった」と言って頂きました。オーディオの音はその家に伺わないと聴けないので、他の趣味のように持ち寄って楽しむ事が出来ないものです。ですからzappa1993さんのようにシステムの前段(プレーヤー系)だけでも他のシステムとドッキングさせて聴く事は大きなメリットだと言う事は私にも理解できます。特にアナログを中心に聴いている人で「CDはダメ」と仰る人の中には「前段と後段(アンプ+SP)の調整でプラスマイナスの帳尻をつけて聴いている人は、出力特性がある意味保証されているCDが上手く鳴らない」と言う方が少なからず居ます。私としてはそのことが分かっているので全体のバランスはCDで取っているつもりですが、自分の前段の音(自分の裸の音)を他のシステムで聴いてみたいという欲求は有りました。ですが、アナログシステムは微調整まで煮詰めているので持ち運びはしたくありません。それが今回の実験で自分のシステムでは「ほとんど変らない」というリッピングデータが出来た事で、それを持ち帰ったzappa1993さんから頂いた感想が「一番最初にアナログの音をデジタル化するというお話を伺ったとき(デジタルの話を掲示板でやり取りしていたころだったと思います)アナログの音をファイル化して再生することにどれ程のメリットがあるのか今一つ分からなかったのですが、自宅でアナログリッピングした音源を聴いてみると、これは凄いことだなとようやく分かってきた感じです。」・・・この言葉で「やった!」と思いましたし、自分の裸の音も通じるんだと思いました。
このように音の保存だけでなく自分の再生音を高度なファイルとして持ち運べる形にする事はオーディオの交流や人の再生音を自室で聴く事が出来ればまた新たな発見と刺激をもらえるという意味でもメリットは十分あると思いました。

オリジナルレコード(基本としてそのレコードの1stプレス盤)がなぜ音が良いかについてはzappa1993さんが述べて頂いたので重複は避けますが、私の意見としてオリジナル盤というのは演奏者、プロデューサーそして(録音、マスタリング、カッティング)エンジニアの合作の一つの作品だと思うのです。もちろん2ndプレス、3rdプレス盤が作品で無いとは言いませんが「売れたから増刷」と言う面もありますし「メタルマザーの使いまわし」という面はぬぐえません。さらに後年の再発盤(CDも)はマスターテープを素材とした新しい作品と考えるべきで、優れた感性を持ったエンジニアがその時代の機器を駆使してオリジナルを上回るか?と思える程の作品が出来る可能性もありますが、妙に綺麗なだけで音楽性を伴わないものや、一聴では良い音のように聴こえても長く聴いていると加工臭が鼻(耳)に付くものも少なくありません。もちろんオリジナル盤が絶対良いとは限りません。1stプレスの時に何か失敗が有って2ndプレスの時に同じエンジニアがやり直して発売と言うものもありますし、ヨーロッパ録音の米国発売盤などの場合でオリジナルの米国盤より後のヨーロッパ盤(提携国盤)の方が明らかに音が良い場合などの例もあります。
また別の見方として「マスターテープが絶対で、レコードは単なる製品」とお考えの方がいらっしゃいますが、私としては「レコードが作品で、マスターテープは素材」と思える面がありますので今回のアナログリッピングはそれを個人レベルで実証できるかの挑戦でもあったのです。

今回の第一次アナログリッピングテストではzappa1993さんがお書きになっているように「思いのほかの上出来」に終わりましたがまだまだその反省点も残っています。次回はそれを踏まえてもう一段の完成度を目指そうとzappa1993さんとも話しています。リッピングは192kHz/24bitが絶対的に凄いのですが、zappa1993さんがダウンサンプリングでCDフォーマット(44.1kHz/16bit)に落とすソフトをいろいろ試して頂いて(これでも音が変るのが不思議ですが)ベストのものをCDで送って頂いたのですが、これが十分鑑賞に耐えるものでアナログの良さ、オリジナル盤の良さを感じられるものでした。
ただ、「デジタルデータで聴く」と言う意識で聴くとアナログを直接聴く時よりプチパチやスクラッチノイズが気になります。これはノイズが増えたと言う事ではなく意識の問題ですがノイズの多い盤は向いてないと思いました。

システムとRME UFXの接続はプリアンプのREC-OUT、INを使っています。UFXにはアナログのバランスIN,OUTの端子があるのですが、私のプリアンプでボリュームを通らない出力端子であるREC-OUT端子はRCAなのでUFXのPHONE端子との接続でアコリバKさんには特別に方向性を揃えたIN,OUTのケーブルを作って頂きました。他にもいろいろお借り出来たことをここにお礼申しあげます。アナログケーブルに関しては他のケーブルでは試せませんでしたがこの結果から想像するにアコリバケーブルだったからこそ出来た結果だと思いますし、USBケーブルもRME付属のケーブルとzappa1993さんがお持ちのアコリバケーブルを比べましたが鮮度に関して大きな違いがありました。

最後にUFXをお貸し頂いたシンタックス様にはお礼を申しあげます。次回UCXを確認させて頂いた後には必ず買わせていただきますのでよろしくお願いいたします。DAC機能だけでもお買い得だと思いました。

またzappa1993さんと共に報告をいたします。
いずれご要望があればサンプルはお届け出来るかもしれません。
よろしく見守って下さい。
zappa1993
投稿日時: 2013/2/26 1:43
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: アナログリッピングという言葉をご存知でしょうか?
PAKAさん

こんばんは
興味をお持ちいただきましてありがとうございます。

アナログリッピングをしたと言ってもまだ数曲を録ったにすぎず、実際にアルバム一枚をリッピングするとなると、また新たな問題も出てくると思います。
将来的にはアナログとデジタルのシームレス化が出来ればと考えています。
(そういう意味ではPC・ネットワークオーディオは最適です)

また経過を報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。
拙宅のネットワークオーディオの音も更に良くなりました。
これにはアナログからのフィードバックがとても大きいのです。


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