「吾が西方の音」（９）
　　　　　　　　　　　　 最後の挑戦　 ２０１３１１２２
過去２年間、愛器が醸し出す再生音にほぼ満足し、オーデオライフを楽しんできた。音楽評論家の諸石幸生氏がタンノイ/キングダムを導入された。選んだ理由に「音楽の空間を見事に再現し、演奏家そのものが、そこにいる雰囲気が有り、聴いていてとっても贅沢にさせてくれる。」又「演奏家の気持ちが伝わり、音楽そのものに浸れる。」と述べていた。音楽評論家が、オーデオの有るべき姿を如実に示した記述に感心した。一方、吾が愛器は、残念ながら未だそのレベルに至っていない事を痛感した。少しでもそのレベルに近づけるべく、オーデオ機器を再構築する新たな意欲が湧いてきた。よわい７１歳に成っても未だ気力を奮い立たせてくれるこの世界は、人生に張り合いを与えてくれて大変有難い。
だが、限られた予算で最大の効果を出す必要があり、最後の挑戦である。
ＳＡＣＤのタイトル数は、益々少なくなり、名盤の宝庫であるＥＭＩも消滅し、このまま行くと、ＳＡＣＤや其の再生プレイヤーも無くなり、デジタルファイルミュージックが主流になるだろう予測する。かつて、アナログ音盤再生を簡単に放棄した苦い反省もあり、今後とも、ＳＡＣＤの高音質を最大限引き出すことを目的とした。
まず自分は、「Ｓｉｍｐｌｅ　ｉｓ　ｔｈｅ　ｂｅｓｔ」のコンセプトを信条としており、それを具現化した機器から選択する。
タンノイ　キングダム　ロイヤルは、４ウエイもあり、いくら良い音でも候補に入らない。ヴォクサテイブ・アンペッジオ・シグネチアは、一つのスピーカーとバックロードホーンによる古典的システムである。昔欲しくても手に入らないモノ−ラール時代のローサーを彷彿とさせ、グッドマンＡＸＩＯＭ８０，タンノイモニターレッド等を、懐かしく思い出させる。最新技術による古典の復活であり、開発者の拘りと情熱に感動を覚える。
もっとも魅力的なシステムであるが非常に高価である。
結局、現用の２ウエイスピーカーのジャーマンフジックスのカーボン?で再挑戦することにした。カーボン?で同じメーカー３作目の導入になる。それほど気に入っているのである。音の本質が技術と形に具現化されている。無指向性の故、自然な音場感が得られ、多少ＳＰの中心から外れて聴いても臨場感は、変わらない。又、様々な楽器の質感を良く再現し、再生音に品が有る。まだまだ潜在能力を秘めており、それを引き出すのが私の務めである。更に、アコーステックリバイブ社の様々な周辺機器も、オーデオ機器をさりげなくプラス方向に支えてくれるので、これらも外せない。
ＳＡＣＤプレイヤーは、アキュフエーズＤＰ７２０を試聴せずに導入を決めた。
過去、アキュフエーズの２製品を続けて愛用しており、全幅の信頼感を持っている。音質が良くオーソドックスなデザインも馴染みやすく、ライフサイクルが長く、３年保証をしている。デジタルボリュームが付いており、直接パワーアンプに接続でき、プリアンプの必要性を感じない。プリアンプを使うくらいなら、其のコストを他の機器のグレードアップに使う。結局、気に入ったパワーアンプを見つける事が、今後の課題である。オーデオ誌を参考にして、興味を引いたパワーアンプ４機種を選だ。ファーストワットSIT2、ジェフローランドM525、マッキントッシュMC275、オクターブRE290、それに手持ちのアキュフエーズＡ３５である。年内に全てを、拙宅で試聴出来るように手配してもらった。この他にも３００Ｂ真空管アンプも探したが、未だ適当な候補に出会わない。ナグラの３００は、デザインがチャーミングで魅力的だが、あまりにも高価過ぎる。中音量で演奏の空間を十全に再現する機種が見つかれば本望である。ＤＰ７２０は、来年にならなければ導入できないのでＤＰ６００を用いて可能性を探る事になるが、ＤＰ７２０を導入後改めて再確認する。今回のアンプ試聴では、長年親しんできたＡ３５がプレイヤーのＤＰ６００からＤＰ７２０に替える事により、他のアンプを凌駕することを密かに期待している。
いよいよ　明日より試聴開始である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

「吾が西方の音」さま

shima3です
はじめまして〜

投稿９に惹かれ、思わず遡って全部見させてもらいました〜
大変面白い内容でした

またアコリヴァを大変愛用されているのも分かりました。

＞オーデオ機器を再構築する新たな意欲が湧いてきた。よわい７１歳に成っても未だ気力を奮い立たせてくれるこの世界は、人生に張り合いを与えてくれて大変有難い。

とても素敵な言葉ですね〜
生涯を通して楽しめる趣味ですね！
音楽は永遠に不滅ですし、最近は高音質化で勢いもありますね〜
まだまだ若い人には届いてないかもしれませんが、アナログがお陰で注目度は上がっているのではないのでしょうか

既に機種選びに入っているそうで、「吾が西方の音」の今後が見逃せないですね♪
またの報告を楽しみにしております〜〜