メイン [03-03. AC電源関連]電源ケーブル POWER STANDARD-TripleC-FM / AC2.0TripleC アンプの電源ケーブルをPower Standardに交換−−−−シロウトにもできる工作 | 投稿するにはまず登録を |
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メリメロ | 投稿日時: 2022/6/11 21:56 |
常連 登録日: 2019/5/14 居住地: 投稿: 48 |
アンプの電源ケーブルをPower Standardに交換−−−−シロウトにもできる工作 メリメロです。
ウエスギ真空管アンプ三種類を、自分でもあきれるほど長いこと使ってきました。いかにも昭和日本の堅牢な技術の賜物といった作りで、酷使にもかかわらず、ノイズを出すこともなく、律儀な働きぶりを見せるので、ここまできました。 少し前にRTP absoluteを導入したとき、その電源ケーブル部分が頼りないので、せめて電源プラグの部分だけでもと思って、Furutechのものに付け替えましたが、その後電源ケーブルそのものを取り替える方策を考え始めました。シロウトにできる範囲の工作は以下の通りです。 まずパワーアンプからです。付け替えた電源プラグをいったん取り去り、そこにインレット(受けの部分)を取り付け、手持ちのPower Standard Triple Cをつないでみました。すごいことになりそうという予感がしました。元々あった着脱不可の電源ケーブル1.5mはまだ残したまま、その先にPower Standard 1mがつながっているという、いい加減な状態なのですが、それでも、なんでこんな違いが生じるのか不思議です。 そこでアンプ三種類(パワー+プリ+フォノ)全部の電源ケーブル交換をやってみることにしました。パワーアンプ用には新たにPower Standard Triple C FM 1.5m(二芯/貴陽石処理済み)を制作してもらいました。プリアンプはいろいろ試してみたのですが、最終的には、以前作っていただいた同1m(FMなし、貴陽石処理済み)に落ち着きました。フォノアンプには、だいぶ前に購入したAC 2.0 Triple Cを流用しました。 インレット受けの部分は 3個ともFurutech Fl06Gという製品です。元々の電源ケーブルは7〜8センチくらいに切り詰めて、そこにFl06Gをねじ止め、極性ドライバーで正しい電流の流れになっているかどうか確認しました。 おっかなびっくりのシロウト工作でしたが、いまは三週間が経過したところ、当初どうなるかと思っていた音のほうですが、落ち着いてきました。この工作のせいでバランスが崩れる心配もありましたが、桁外れに本格的な音になって驚いています。 これまでリアリティ・エンハンサーやRTP absoluteなどの導入の際、次元が変わった思った瞬間がありましたが、今回はそれに匹敵する、いやそれ以上の変化です。3D的空間のレリーフ感覚が何倍も強まり、ダイナミックな音の変化の迫力ばかりでなく、しなやかで繊細な部分に生命が吹き込まれます。 今回ケーブル交換を思い立ったのは、どうもピアノの音色に関する体験が関係しているようです。 4月初めに王子ホールで藤田真央のモーツァルトのソナタの演奏を聴きました。やりたいことが次々と溢れだしてくる様子は笑ってしまうほどでした。たまたま知り合い二人が同じリサイタルを聴いていて、その後メールで感想をやりとりしましたが、ピアノの音の響き(演奏者によるソノリティの追求)の受け止めについてはだいぶ違いがありました。会場内の座席の位置にもよるのかもしれませんが、隣で聴いていた妻と自分の印象も少し違うので、主観的な要素もあるのでしょうね。 家に戻って、そのリサイタル冒頭におかれていたK280のソナタを、クララ・ハスキルのLPで聞き直してみましたが、どうもピアノの響きに得体のしれない残響がまとわりつくのです。同じ演奏のPC音源のものも聞き直しましたが、大同小異です。蘭Philipsの7枚組モーツァルト全集のLPも買って比べて聴いてみましたが、これも似た傾向です。やはりアンプがパワー不足で、音の芯にあたる部分が弱いのでは、と疑ったのが、電源ケーブル交換にいたるきっかけです。 さて工作後の音の変化ですが、とりあえず二つの例だけ記しておくことにします。 ひとつは古典四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏曲14番と16番がカプリングされたディスク(聴くのはflacファイルですが)。もともと古典四重奏団の録音は残響が少なく、各パートが混濁せず、楽曲のテクスチュアーが明確に浮き上がる点はほとんど例外的と思ってました。その反面、ドラマティックな起伏という点ではむしろ淡白、平面的に聞こえる印象もありました。というのは過去の話、いまは3D的空間感覚の一大変化にともなって、各奏者のあいだに空気が入り込み、響きが回り込んでふくらみが出てます。タカーチ四重奏団などと比べればスタティックに聞こえるかもしれませんが、分析的かつ十分ダイナミックな演奏です。 家で弦楽四重奏を聴くにはすでに及第点と思ってましたが、その奥にすごい世界がありました。 もうひとつはピアノの音色の例です。少し前から、いわゆるフォルテピアノ演奏を集中的に聴くようになっていたのですが、今回の工作の結果、楽音以外のノイズの部分も含めて、リアルな響きの充実という点で変化がすごいです。こうしてみるとモダンピアノとフォルテピアノという二分割があまりにも大雑把な区切りに思えます。例としてアレクセイ・リュビモフのお話を少しだけ。 彼のフォルテピアノ演奏は1990年代前半のショパンやシューベルトのものから聞いてはいましたが、驚異的なレパートリーの広さをもつ演奏家です。プリペアド・ピアノでジョン・ケージの演奏をしたりもしてます。ドビュッシーの「前奏曲集」全二巻を二種類のピアノで引き分けているディスク(ECM,2012)もユニークです。同第一巻はベヒシュタイン(1925年製作)、同第二巻はスタインウェイ(1913年製作)を用いて弾き分けたと彼自身ライナーノートに書いてます。その言葉によると、前者は「クリアで、シャープな描画、半透明にして軽く、複雑なテクスチャーでもそれが変わらない」、後者は「ピアニシモでは神々しいまでにソフト、響きが豊かで、思いがけない色彩変化にみごとに対応」というわけです。「前奏曲集」第二巻は1913年出版ですから、必ずしも同時期のピアノを合わせようとするピリオド奏法的な意図でもないようです。たぶん多くのひとはベヒシュタインのほうに均一化されてない偶然性の響きを聞き取るのではないかという気がします。 フィリップ・カサールやアラン・プラネスなどのドビュッシー弾きもほぼ時をおなじくして出たディスクでベヒシュタイン(1898年製作/1897年製作)を用いて「前奏曲集」を弾いてますが、違うピアノで弾き分けるという芸当はやっていません。リュビモフの場合は、ピリオド楽器(奏法)かモダン楽器(奏法)かという二分法ではとらえきれない響きの多様性の追求が主眼だという印象なのですが、スタインウェイ(1913年)による「前奏曲集」第二巻の随所から聞こえてくるトレモロ音のうなりは、ドビュッシーという文脈を超えて、ジョン・ケージなど時空を超えた響きのあり方につながるものを感じました。その第二曲「枯葉」を聞いていてメシアンを連想しましたが、こんなことは初めてでした。 この春You Tubeで、リュビモフのコンサート映像を見ました。二人の警官がずかずかと会場に入ってきて、演奏をやめさせようとするのですが、動じることなく最後まで弾き切る姿に改めて尊敬の念を抱きました。いまは本人の身の安全を祈るばかりです。 思うに、今回の電源ケーブル交換も、聞きたいと思う対象の変化があって、それに無意識のうちに引きずられて生じた出来事であったような気がします。インレット部分はもともと機器にしっかりねじ止めすべきものですが、これはシロウト工作の域を超えるので、この部分の振動対策はまったくできてません。宿題はいろいろ残っています。余裕が出たらフォノアンプのケーブルもPower Standardにしたいと思います。 最後にプリアンプの部分のケーブルについてですが、最初は、切り売りのPower Standard Triple C8800と余った電源プラグを使ったシロウト工作、次は以前制作していただいたPower Standard Triple C FMのメガネ型プラス安物のアダプター、最後が上記のPower Standard貴陽石処理済みのものでしたが、生命感、輝きの違いが明らかにありました。Acoustic Revive制作、貴陽石処理のものには改めて脱帽です。 |
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» アンプの電源ケーブルをPower Standardに交換−−−−シロウトにもできる工作 | メリメロ | 2022/6/11 21:56 |
Re: アンプの電源ケーブルをPower Standardに交換−−−−シロウトにもできる工作 | KOTA | 2022/6/13 17:51 |
Re: アンプの電源ケーブルをPower Standardに交換−−−−シロウトにもできる工作 | メリメロ | 2022/6/14 7:21 |
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