オーディオコンポーネントは、CDプレーヤー・プリアンプ・パワーアンプなど、完成された製品として何ら問題なく実力が発揮されると考えがちです。
ところが、基盤配線上や内部の配列上などを原因として、音質へのさまざまな悪影響があるようです。たとえば電源トランスからの不要電磁波、プリント配線基盤同士が発生する相互干渉、スピーカーなどからの不要振動など、素人の私にはそれ以上のことは残念ながら申し上げられませんが。

そこで、アコースティック・リヴァイブがコンポのチューンナップ対策を施すサービスをしていることを知り、会社からの距離も比較的近いため出張サービスでチューンナップをしてもらうことにしました。対象はプリアンプ／アキュフェーズC-2800と、ステレオパワーアンプ／ゴールドムンドMIMESIS 28 MEです。
自分のアンプの蓋を開け、中を見るのは初めてでした。
両方のアンプはまったくつくりのコンセプトが違うことが素人目にも良く分かります。
アキュフェーズはカバーで覆い中の基盤もタテに整然と美しく並んでいますが、残念ながらそのカバーをはずすことはできません。

そして肝心のチューンナップの内容ですが、側で見ていたのですが、具体的には振動など
の制振対策や高音質化のための水晶チップの貼付と、10種類以上の電磁波ノイズ対策素材を駆使してのチューンナップということらしいです。丁寧な作業が約１時間ほどで順調に終了しました。

そしてケーブル類を繋ぎ直し、電源のスイッチを入れ、対策前に試聴していたCDをかけてみました。正直、チューンナップにはそれほど大きな期待は抱いていなくて、「前よりちょっと音が良くなればOKかな。」くらいに考えていました。
さて、音楽が再生されはじめて、3秒ほどで座っていた椅子から飛び上がるほどびっくりしました。ピアノと管弦楽のための曲をかけたのですが、冒頭の弦楽合奏の音が出始めただけで楽音の芯の実在感、ホールに響く残響、楽器の値段が上がったような品位の向上など言葉に出せばこうなりますが、早い話全体が一挙にグレードアップしたのです。これは正直驚きました。ちょっと良くなればどころの話しではありません。同席していた知人も「10万円のアンプを200万円にしたらこうなるかも。」とつぶやきましたが、まさに私も同感です。製品のグレードが一段階アップしたなんてもんじゃありませんでした。

夜SN比が高くなってから何枚も耳に親しんだCDをかけて真剣に試聴したのですが、実演を聞いた演奏家の演奏など、本当にリアルにまさに生演奏を彷彿とさせるオーディオ再生音となっています。機械的な不自然さはなく、より自然な生演奏に近づいたという印象です。音楽的な品位も当然向上しています。驚異的な音質改善効果でした。

アコリバでは近くの方なら出張で、遠い方ならコンポの郵送でチューンナップを施してもらえるようです。もちろん機器のグレードにより金額は異なるようですので、是非音質向上を考えられている方は、まず機器を買い換える前にチューンナップ対策を強くお勧めいたします。買い換える値段よりも比較にならないくらいの安い費用で、格段の音質アップが図れるのですから、まずはメールか電話で問い合わせてみてはいかがでしょうか。