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Acoustic Revive CD : Red Herring Baroque Ensemble | 投稿するにはまず登録を |
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| 投稿者 | スレッド |
|---|---|
| Koike Strings | 投稿日時: 2025/12/26 17:24 |
常連 ![]() ![]() 登録日: 2015/10/26 居住地: 投稿: 45 |
Acoustic Revive CD : Red Herring Baroque Ensemble Acoustic Revive : Red Herring Baroque Ensemble(AR-1002)
本CDは2017年にリリースされた作品で、すでに8年の歳月が経過していますが、今さらの巡り逢いとして耳にしたヘンデルの《リコーダー・ソナタ集》は、予想をはるかに超える深い感動を与えてくれました。 とりわけ特筆すべきは、上村かおり氏によるヴィオラ・ダ・ガンバです。 音楽の要とも言うべき方向性の伝道者、そのような役割を彼女のガンバが担っていると言っても、決して過言ではありません。 作品全体の音楽性は、まさにこの楽器によって導かれていると感じられます。 「リコーダー・ソナタでありながら、なぜリコーダーではなくガンバなのか」と不思議に思われる方がいても、それは無理からぬことでしょう。 しかし、アルト・リコーダー・ソナタを含め、ヴァイオリン・ソナタやオーボエ・ソナタなど、ヘンデルは数多くの独奏楽器のための室内楽作品を書いており、とりわけ作品1には、そうした柔軟な要素が色濃く見受けられます。 当時イギリス王室に仕えていたヘンデル自身、低音楽器、すなわちここで記されている basso continuo(通奏低音)を音楽の基盤として書いていたことは想像に難くありません。 無論、通奏低音とのみ記されている以上、チェンバロのみでも差し支えなく、ポジティフ・オルガンやチェロを用いることも可能です。 楽器の選定は奏者に委ねられており、その時々の演奏者や解釈によって決まってくるのでしょう。 ただし音量のバランスという観点から見ますと、今回用いられているリコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロという編成は、三者の音量がほぼ均衡しており、極めて理想的な組み合わせであると言えます。 バロック・ソナタとしては、独奏楽器の書法は比較的簡潔で、技術的にも取り組みやすいものが多い一方、通奏低音の修練を主な目的として書かれているがゆえに、演奏的には難所が随所に存在する作品群であるとも言えるでしょう。 いわゆるヘンデルの「作品1」と呼ばれるこれらのソナタのうち、ヴァイオリンを学び始めて間もない奏者が演奏する機会を与えられることの多い6曲は、第3、10、12、13、14、15番です。一方、リコーダー用としては、第2、4、7、11番が該当します。 本アルバムには、そのリコーダー・ソナタ4曲すべてが収録されています。さらに、ヘンデルよりやや若く、主にロンドンで活躍したイタリア・バロック期のヴァイオリニスト、ニコラ・マッティスによる舞曲の小品が11曲併録されています。 マッティスの作品を聴くのは、私にとってこれが初めてでした。 Acoustic ReviveのCDは、私たちのアルバムを含め、すでに14枚がリリースされていますが、このデジパック仕様以降に限れば、手元には福本氏によるパイプ・オルガン盤と、本リコーダー・ソナタ集の二枚を所持しています。 録音の上質さや音への徹底したこだわりについては、今さら言うまでもなく、非の打ちどころがありません。 演奏者の立場から付け加えるならば、このレーベルの録音は、奏者の音楽性と演奏力を余すところなく、むしろ剥き出しにする厳しさを備えています。 そこには一切のごまかしが許されず、音を通して演奏者の本質に深く切り込んでいく力があります。 それは単なる「音源」としての音ではなく、まさに音楽表現そのものとして結実した記録であり、私が求め続けている理想の録音の姿にほかなりません。 |
| あじなめろう | 投稿日時: 2025/12/26 17:54 |
長老 ![]() ![]() 登録日: 2022/7/4 居住地: 投稿: 1061 オンライン |
Re: Acoustic Revive CD : Red Herring Baroque Ensemble Koike Stringsさん、こんばんは!
素晴らしい投稿です。 演奏家による作品評というのは逆に難しいと思います。専門的なことを平易にどなたにも解るように書くことほど難しいことはないでしょう。 声楽家でありクラシック解説Youtuberでもある車田和寿さんも先般の著書刊行の際に 同じように仰っていました。 僕の別の投稿にも述べたように、ヴィオラ・ダ・ガンバの上村かおりさんの演奏を一言「すごい」と仰っていたことの深い意味もよく解りました。 曲の土台になる通奏低音を休まず和音を即興的につけることこそ、実は楽譜に記されていない部分での奏者の適応力が求められるんですね。 僕などはJAZZやROCKでのドラムでしかセッションしたことがありませんし、そこに和音なるものもコード進行もありません。 しかし、ベーシストと正確に適応し合い、リード楽器奏者やヴォーカリストが自由に伸び伸びとプレイ出来るための縁の下の力持ち(& 太鼓持ち笑)を自負していました。 今回の上村さんの演奏もそういうイメージで聴いていくと「縁の下の力持ち」そのものです。 「確かにこれはすごい」。弦楽器をろくに触れない僕でも容易に うかがい知ることが出来ます。 |
| marron | 投稿日時: 2025/12/26 20:45 |
長老 ![]() ![]() 登録日: 2023/4/26 居住地: 投稿: 1220 |
Re: Acoustic Revive CD : Red Herring Baroque Ensemble Koike Stringsさん、あじなめろうさん、皆さん、こんばんは。
本当に素敵なアルバムです。 これまでは理屈はわからないまま、ただただ「こころに深く染みる一枚」だと感じていたのですが…… お話を拝読して、ヴィオラ・ダ・ガンバがポイントだったことを理解することができました。 あらためて聴いてみると… クリアなリコーダーとチェンバロの響きにヴィオラ・ダ・ガンバが寄り添い、 全体がやさしく温かい空気に包まれているように感じます。 |
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