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投稿者 スレッド
Baby Driver
投稿日時: 2022/6/3 21:29
新米
登録日: 2022/4/22
居住地:
投稿: 19
DBLPが示してくれたシステムの現在地
先日RTP-2 absoluteの導入ご報告を当該スレッドでしましたが、購入からレポートまでの2週間ほどのあいだに幸運にも生産完了品のスタビライザーDBLPの中古品を入手することができました。実際に使用してみたところ、その実力は想像以上のものがありました。
ただし現状使いこなせているかというと別問題となってきます。

レコードスタビライザーは私が昨年Acoustic Reviveに出会う前から使用してきた数少ないオーディオアクセサリーの一つです。
これまでに使ったスタビライザーはよく見るAT社の定番のもの、そして初めて買ったターンテーブルのメーカーでもあるオーストリアP社によるスクリュー留め式のものがあります。
今回はこの3年間習慣的に使用してきてデフォルト化していた後者との比較になります。

P社のクランプはアルミニウム製で上部と底面にレザーが使われています。自重ではなくスクリューでスピンドルにしっかりと固定されるタイプで、重量は120gとかなり軽量です。レコードよりも軽いですね。
単に載せるだけでなくスクリューでの固定が確実そうだと考え買ってみましたが、実際に以前の環境では音がフォーカスしてよい結果を出せていたと記憶しています。しかしその頃と今では電源環境も違えばターンテーブルマットRTS-30の導入もあるうえ、今年に入ってターンテーブル本体も高級機といえるものにステップアップを果たしています。また電源の改善を機にシステムの粗も少しずつ把握できるようになっており、目標とする音もおかげさまで持つに至っています。
DBLPに換えてみたところ、現行システムに抱いていた不満の原因が少なからずこのクランプにあったことが判明しました。
※ただし両者は価格帯もターゲット層も異なりますから、単純比較の対象とすべきでないことは留意しなければなりません。これについては後ほど。

DBLPを使用すると音楽が活き活きとしてきます。「有機的」という言葉がすっと浮かんできました。以前は全体に平面的でのっぺりとしていたのが気になっていたのですが、明らかに彫りが深くなり、楽器の質感にリアリティが増しています。これまでずっと押さえつけていたものが溢れて飛び出してきたかのようなカタルシスさえ感じられました。Kさんが別のスレッドでおっしゃっていた解放感とはこれか、とあまりにも言葉通りの効果に思わず笑いがこぼれてしまいました。
ただ何でしょうか、今まで感じたことのない不思議な違和感がつきまといます。私のシステムには若干もったいないというか、どこか分不相応な感が否めません。
名優が下手な監督のもとで無駄遣いされているような、妙なもどかしさが感じられてしまうのです。間違いなく上質な音には近づいているのですが…
抽象的な表現ばかりになってしまい恐縮ですが、要するにシステムの粗も解放してしまっているような気がするんですよね。上記の好ましい変化に加えて、ノイズ感もやや強調されて聴こえてしまいます。かといってP社のクランプに戻すと破綻はないものの抑圧的な音になり、かなりのグレードダウンが感じられるようになってしまいました。軽量とはいえスクリューで固く押さえ込むことで過度な重みのあるものと大差ないのでしょうか。
DBLPは美点欠点どちらもあからさまにする効果があるのかもしれません。しかしノイズ対策を万全にして、システムとの身の丈が揃えば真価を発揮するものであることは間違いありません。これは贔屓目からの評価ではなく、出音に表れた変化の傾向から確かだと思いました。
習慣で使ってきたアクセサリーがシステムのポテンシャルをここまで押し下げていたのは正直考えてもみなかったことです。逆にDBLPによってシステムが秘めていた本当の能力がちらりと垣間見えたような気がします。

ところで運悪く比較対象にされてしまった他社アイテムについてネガティブなことばかり書くのも申し訳ないので念のため強調しておきますと、P社のクランプも悪い製品だとは思っていません。前述の通り以前のシステムではそれなりの効果がありましたし、そもそもあまり高級なプレイヤーでの使用は想定されていないらしいことは触れておかないといけないでしょう。メーカー公式でも「スピンドルシャフトの弱い安価なプレイヤーではあまり重量のあるものはおすすめできないのでこちらを」といった趣旨の記述がありましたし、価格も適切ではと思います。
しかしそれもアップデートを重ねた現在のシステムにはいつのまにか力不足になっていたということがわかってしまいました。ではDBLPはというと反対に役不足を余儀なくされているのが現状ですから、システムがまだまだ過渡期にあるということなのでしょう。システム全体のレベルが向上していけば、アクセサリーもそれに見合ったクラスへのアップグレードが必要になってくるというのは発見でした。ただし他社の同価格帯の製品を聴き比べたわけではありませんので、あまり一般化して語るのも慎重になった方がいいのでしょうが(単にAcoustic Reviveのものがよくできているだけかもしれませんからね)。

何だか歯切れの悪い文章になってしまいました。とりあえずP社クランプには今までお世話になりましたと言いたいです。DBLPに対しては本領発揮できるまでもうしばらく辛抱してくださいといったところでしょうか。とはいえもうすでに愛用品になってますけどね。
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