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投稿者 | スレッド |
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管理人K | 投稿日時: 2008/5/11 21:36 |
管理人 ![]() ![]() 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1932 |
オリジナル盤vsリマスター盤 第4回 ジョン・コルトレーン「バラッド」 ![]() オリジナル盤vsリマスター盤第4回はジョン・コルトレーン「バラッド」です。 細かいフレーズを早吹きにて敷き詰めて行く「シーツ・オブ・サウンド」という独自の奏法を確立したコルトレーンがマウスピースが合わずにシーツ・オブ・サウンドが出来なかった時期に製作したスローなスタンダードバラッド集らしいのですが、全てのJAZZバラッド演奏の中でも最も格調高い仕上がりになっているのがさすがです。 その曲も有名なスタンダードで、しかも親しみやすい演奏ですのでこれからJAZZを聴こうという初心者にもお薦め出来るアルバムです。 ![]() 比較したのは、オリジナル盤、ベルサウンド盤、スピーカーズコーナー盤、日本200g重量盤、日本180g重量盤のSTEREO盤にて行いました。 また、参考としてモノラル盤のオリジナル盤と英国リイシュー盤の比較も行いました。 日本180g重量盤 ![]() 数年前にJAZZ名盤シリーズとしてユニバーサルより復刻された180g重量盤です。 音質は比較的こじんまりとして躍動感や迫力を余り感じません。 アナログ的な開放感なども余り感じる事が出来ず、どこかCD的な音質を感じてしまいます。 楽器の質感などはCDよりはリアルですが、アナログの圧倒的な優位性はなく、どこか欲求不満を感じてしまいます。 日本200g重量盤 ![]() 昨年、同じユニバーサルから復刻された200g重量盤です。 先程の180g重量盤から進化しているかと心配になりましたが、 音質は確実に進化していました。 180gと比べると周波数レンジが確実に延びており、特に低域はより低重心で最低域に向かって延びるようになっています。 全体の厚みも僅かながら向上しており、アナログらしい重厚さが少しは出てきました。 エネルギーやダイナミックレンジも僅かながら向上していますが、CDに比べて圧倒的に素晴らしいとは言い切れないレベルではあります。 スピーカーズコーナー180g重量盤 ![]() 数多くのJAZZ、クラシック、ROCKの名盤の優秀な復刻をする独スピーカーズコーナー社から発売された180g重量盤です。 一聴して違いが判る素晴らしいリマスター盤です。 全体に厚みがあり、濃厚な空気感が漂う中に、立体的でエネルギー感に富んだサックスが浮かび上がります。 そのサックスの音色も有機的で生々しく、ピアノやベース、ドラムスも全てリアルで滑らかな音色になっています。 立体感や前後感に優れた彫の深い音質で、演奏の躍動感や抑揚表現が素晴らしく再現されています。 全体に滑らかさや穏やかさを強調した仕上がりですが、バラッド演奏というこのアルバムには非常にマッチしたものだと思います。 これだけ素晴らしい仕上がりで数千円で入手出来るのですから、バラッドのアナログ盤を入手予定の方は売り切れる前に今すぐ買いですね。入手はこちらでどうぞ。 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=12274 米国べルサウンド盤 ![]() 私が米国のオークションで「オリジナル盤」として入手したものですが、ELPEAMANさんの情報によるとオリジナル盤はオリジナル盤でもセカンドプレスでベルサウンドという会社がカッティングしたもののようです。 音質は一聴、鮮度が高いように聴こえて最初のインパクトは強いのですが、よく聴いてみるとハイバランスで高域方向がしゃくれ上がって強調されており、かなり騒々しい演奏に聴こえます。 高域の強調によるマスキングが原因なのか、見通しが悪くなってしまって立体感が乏しく、低域の支えが弱いため、上ずった感じの演奏に聴こえてしまいます。 ハイ上がりのケーブルを使用した時の変化に近いと言えば解り易いでしょうか? 米国オリジナル盤 ![]() こちらがELPEAMANさん所有の正真正銘のファーストプレスのオリジナル盤です。 カッティングも録音エンジニアのルディ・ヴァンゲルダー自ら行っているようです。 本当の意味での鮮度の高さを感じる音質です。 先程のベルサウンド盤と比べると低域の支えが遥かにしっかりとしており、各音像もエネルギー感に満ちて立体感が出ています。 高域過多によるマスキングがないため音像定位が明瞭で立体的です。 非常にエネルギッシュでJAZZ演奏の熱さが伝わってくるサウンドで、コルトレーンは左スピーカーの前に降臨したかのようなリアリティを感じます。 今回の順位を付けるならば 1、米国オリジナル盤 2、独スピーカーズコーナー180g盤 3、米国ベルサウンド盤 4、日本200g盤 5、日本180g盤 で、今回もオリジナル盤の凄さを見せ付けられる結果にはなりましたが、個人的にはスピーカーズコーナー盤も捨てがたい魅力を感じました。滑らかさや表現力では「バラッド」というアルバムの性格上、この盤の音質傾向が一番適しているようにも感じます。 好みはあるとは思いますが、個人的にはスピーカーズコーナーを一位にしても良いと思うくらいで、それくらい素晴らしいリマスター盤です。 また、私が誤ってしまったようにオリジナル盤にも種類があります。入手される時はくれぐれもよく調べて入手されて下さい。 ちなみに「バラッド」などコルトレーンのインパルス盤のオリジナル盤とベルサウンド盤の違いはジャケットの仕上げで判断出来るそうです。正真正銘のオリジナル盤は横から見ると明らかに厚くしっかりと出来ています。 今回、参考にモノラル盤の比較もしてみました。 英国モノラル再発盤 ![]() モノラルらしいエネルギーの凝縮感を感じます。サックス音像は中央に立体的に定位します。 落ち着いた音調で、穏やかで滑らかな音質傾向を感じます。 オリジナルモノラル盤 ![]() 英国盤に比べると音の張りや押し出しが強く、ハイテンションでエネルギッシュな演奏に聴こえます。 STEREO盤同様、JAZZ演奏の熱さが伝わってくる音質です。 英国とのお国柄の違いなのか、音質傾向にかなり違いがあるのが面白いなと感じました。 |
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題名 | 投稿者 | 日時 |
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管理人K | 2008/5/11 21:36 |
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maro | 2008/5/12 11:20 |
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管理人K | 2008/5/15 1:55 |
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ケミ | 2008/5/12 12:38 |
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管理人K | 2008/5/15 2:05 |
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ELPEAMAN | 2008/5/17 0:02 |
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管理人K | 2008/5/20 5:06 |
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ELPEAMAN | 2008/6/10 0:52 |
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管理人K | 2008/6/11 7:19 |
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ELPEAMAN | 2008/6/15 21:12 |
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スタビ | 2008/6/16 22:57 |
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管理人K | 2008/6/28 4:33 |
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