メイン [00-04]PC&ネットワークオーディオ リッピングファイルを如何に高音質で作成するか | 投稿するにはまず登録を |
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zappa1993 | 投稿日時: 2012/4/21 1:12 |
長老 登録日: 2011/3/17 居住地: 投稿: 1916 |
リッピングファイルを如何に高音質で作成するか 皆さん
こんばんは zappa1993です。 私がネットワークオーディオを初めて早くも1年半近くが経ちまして、ようやく自分なりの方法が確立できたように思います。 まだこの先変更はあると思いますが、途中経過として一度文章にまとめることにしました。 内容は題名の通りリッピングファイルを如何に高音質で作成するかという事です。 これまでにも色々なところで断片的に書かせていただきましたが、この作業で作成した音源を今後聴くことになるため妥協をすることができず、多くの試行錯誤を繰り返してきましたので簡単に文章にまとめることができません。 それらのノウハウは、こらから思いつくまま書き足していきたいと思いますので、まずはリッピングファイル形式をどうするかという選択についてのみ、今回は書かせていただきます。 PC・ネットワークオーディオについてある程度の知識のある方でないと分からない部分があるかもしれませんが、ご了承お願いいたします。 まずファイル形式ですが、無圧縮方式(WAV等)、可逆圧縮方式(FLAC等)、不可逆圧縮方式(MP3等)があります。 不可逆圧縮方式はその名の通り、圧縮前の状態には戻りませんので音質劣化が激しく、ピュアオーディオには不向きです。 無圧縮方式もその名の通り、全く圧縮していない状態です。 圧縮していませんので音質の劣化がなく、一番理想的なのですがデメリットも存在します。 まず、タグと呼ばれる曲情報がファイルに付いていません。 数枚程度のCDならこれでも構いませんが、数百枚、数千枚となるととても管理しきれませんので、これは決定的なデメリットです。 もう一つ、全く圧縮していませんのでファイルサイズが大きいというデメリットもあります。 ただし、最も高音質であることには変わりがなく、リッピング後にタグ情報を書き加える作業をしてWAV形式で保存される方もたくさん居られます。 最後に、可逆圧縮方式ですが、両者の利点を上手く組み合わせたような方式です。 圧縮はしますが、可逆の名の通りファイルの再生時には圧縮前の状態にもどすことができます。 このため理論上は無圧縮音源と同じ音質になります。(後述しますが実際には音質は異なります) 無圧縮音源と同じ音質でありながら、ファイルサイズも小さく、WAVファイルの最たるデメリットであるタグ情報も付加されますから、ファイル形式としては最もバランスがよく一番多く利用されているのがこのファイル形式です。 可逆圧縮方式で一番メジャーなFLACと呼ばれるファイル形式は、インターネットでの音楽配信や、DVD-RやUSBメモリに収録されるハイ・レゾリューション音源にも採用されており、リッピングデータの保存方法としては最もお勧めできるものです。 ただし、一つだけ気になることがあります。 理論上は無圧縮状態に戻せるため、無圧縮音源と同じ音質でないといけないはずですが、実際にはハッキリとした違いがあります。 無圧縮状態に戻せてはいるが、戻す際の処理や転送に余計な負荷がかかるためこの様なことが起こるのかもしれませんし、元に戻ってもファイル形式がWAVで無い点が音質に違いを与えているのかもしれません。 専門家ではありませんので実際のところはよく分かりませんが、可逆圧縮と言いながら、無圧縮とは音質が異なるという事をよく理解しておかなければなりません。 FLACの圧縮率はレベル0〜8までありますが、最も圧縮率が低い(元ファイルに近いファイルサイズ)0で圧縮しても音質の変化はあります。 そもそも最も圧縮率が高いレベル8で圧縮して、再生時にオリジナルと同じ音質が約束されるであれば、他のレベル0〜7の低圧縮率は必要ありませんね。 裏を返せば、圧縮率により音に違いがある → 可逆圧縮の音質=無圧縮の音質ではないという事です。 圧縮の話はこれくらいにして、次にリッピングしたファイルの保存先を考えてみます。 保存先としては、NASと呼ばれるネットワークドライブを利用している方が多いと思います。 PCオーディオを楽しまれている方は、PC本体の記憶媒体に保存する方法が一般的かもしれません。 何れにせよ、その記憶媒体はハードディスク(HD)かソリッドステートドライブ(SSD)のどちらかになると思います。 HDはバイト単価が安く、容量が大きいのが特徴で、2TBでも1万円しません。 しかし、内部で円盤が回転する構造のため発熱や振動が大きく、動作音も気になります。 SSDはHDと全く逆で、バイト単価が高く、小さい容量のものしかありません。 2TBのHDを買うお金で、64GB程度のSSDしか買えません。 1TB=1024GBですから、その大きさの違いがお分かりいただけると思います。 ではSSDの何が良いかと言うと、SSDはフラッシュメモリで出来ていますので、駆動部分がなく、全くの無音で熱もほとんど持ちません。 またHDよりも読み書きの速度が圧倒的に早いのも大きな特徴です。 前置きが長くなりましたが、ここからが私の採用したリッピング方法の説明になります。 まずファイル形式ですが、音の劣化がないのを十分理解しながら、タグ情報が自動的に不可されないのが気に入らず、早々にWAVは諦めました。 可逆圧縮にはFLACとALAC(Apple Lossless)がありますが、私はiTunesもiPodも使いませんので、一番メジャーなFLACを選択しました。 リッピングソフトはdbpowerampを利用しています。 そして約一年間、FLACの圧縮率が一番低いレベル0を用いてリッピングしてきました。 当初はNASの記憶媒体はHDでしたが、SSDの方が音が良いという評判を無視することができず、SSDを導入しました。 両者の音の違いは、簡単にまとめますと HD – メリハリがある。力強い音。やや高域がキツイ。 SSD − 上品な音。音の余韻等の細かい部分の再現が自然。歪が少ない。 と言ったところです。 概ねSSDの方が原音に近い音質になります。 HDはちょっと癖がのる感じがしますが、これはHDのメーカーやモデルによっても違い、極論で申しあげれば、保存先に使用するHDやSSDのモデルによりリッピングデータの音質が異なるようです。 市場にあるすべてのモデルを試すなんてことは到底不可能ですし、そんなことに時間とお金を使うのもうんざりします。 出来るだけ有名なメーカーの安すぎないモデルを選ぶという程度で大丈夫です。 HDなら通常のモデルより高額になりますが、エンタープライズ・モデル(ネットワークサーバー用)をお勧めします。 HDがクラッシュする率も低いですし、消費電力も低く動作も安定しており、音質の変化も少ないと考えています。 SSDは一つのメーカーで統一しているため、他のメーカーのものと聴き比べたことはありませんが、どれも構造に大きな違いがないため音質の違いは殆どないと思います。 しばらくSSDとFLAC(レベル0)の組み合わせでリッピングをしていたのですが、あるときFLACのリッピングレベルに「lossless uncompressed」と言うモードがあるのに気付きました。 これは直訳すれば無圧縮であるという事になります。(losslessは損失がないという意味で0〜8の全てのレベルにも同様に付きます) 無圧縮の可逆圧縮ファイル? よく意味が分かりませんよね。 要するにFLAC形式のファイルではあるが、データ自体は圧縮していないという事です。 それならWAV形式でいいじゃないかという事になりますが、このファイル形式には大きなアドバンテージがあります。 それはWAVと同様の無圧縮音源でありながら、タグ情報を付加することができるのです。 見事にWAVのデメリットを克服したわけです。 実際のファイル形式はFLACですが、無圧縮のデータにタグ情報のみを追加したデータになっているようです。(ファイルサイズもWAVとほぼ同じで、WAV+タグ情報になっていると思われます) 実際に3者を聴き比べてみますと以下のような違いがあります。(1と2は3との比較です) 1. FLAC(lossless 0) スッキリした音になる。可逆でありながら間引きしたような情報量の少なさを若干感じます。音はかっちりしており透明度も高く聴きやすい音です。 一般的にPC・ネットワークオーディオの音は、研ぎ澄まされたクリアな音で、澄み切っていると言われますが、多くの方がこのFLAC形式の音源を利用していることに由来するのかもしれません。 2. FLAC(lossless uncompressed) 1に比べて密度と情報量の多い音です。スッキリ感やクリア感は後退しますが、それでもWAVの音に近く、これが本来の音であることが分かります。音の余韻や表情が豊かで、HDに対するSSDの様な落ち着いた傾向の音です。 3. WAV 無圧縮のFLACと比べてもやはり微妙にこちらの方が高音質です。 何が違うかと言うと、こちらの方が鮮度が高く感じるのです。2は本当に若干ですが輪郭がぼやけてくすむ感じがします。 以上簡単にまとめましたが、個人的には2のFLACしかないという感じです。 ここで、すべてを総合して組み合わせを考えてみます。 1. HDは大きなファイルでも容量に余裕があるのでOK、SSDは大きなファイルでは直ぐに容量が足りなくなるのでNG 2. FLAC(lossless 0)はファイルサイズは小さいが音が変わってしまうのでNG 3. FLAC(lossless uncompressed)はファイルサイズは大きいが音はWAVとほぼ同じ。 4. WAVはファイルサイズが大きい上にタグ情報が付かないのでNG(ただし一番高音質) 以上を踏まえて、私はHDにFLAC(lossless uncompressed)でリッピングする方法を採用しました。 若干輪郭が甘くなる点は、HDのメリハリ感と相殺され、SSD+WAVと双璧の音質になりました。 市販のHDの容量はどんどん大きくなっていきますし、大きなファイルサイズで残すことも全然心配いりません。 だんだん取り留めのない文章になってきて申し訳ございません。 現状ではこの組み合わせがベストだと思い、ここ2か月程はこれでリッピングしています。 ただ、HDの発熱や振動の問題は残りますし、HD特有の音の癖も多少はあります。 しかし、無圧縮の音源であるというのは気持ち的にいいものです。 今後はこれらの課題の克服を考えながら、更なる高音質化に取り組んでいきたいと思います。 誤りやお気づきの点がございましたら、ご指摘お願いいたします。 ※ 私の知る限りでは、lossless uncompressedはdbpowerampにしかないようです。 |
Yo | 投稿日時: 2012/4/26 17:45 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか zappa1993さん、こんにちは。Yoです。
zappa1993さんがデジタル音源のオーディオをいろいろ楽しまれているご様子なので、その方面には疎い私として伺いたいことがありまして書き込ませていただきます。よろしくお願いいたします。 まず私のデジタル音源への理解度をご理解頂く方が良いと思いますのでその説明からさせていただきます。 ご存知のように私のオーディオはアナログレコードが中心です。その理由は決してデジタルが嫌いと言うわけではなく、私の聴きたい録音がアナログ時代のものが多い(特にジャズは)と言う事と、アナログ録音時代のものは当時に作成されたレコードが一番と思うだけなのです。そしてデジタル録音であってもアナログレコード作製のノウハウが最高レベルに達した時期の流れが残っている(エンジニアが健在)時期(1990年代)のCDと併売されたアナログレコードも良いものが多いように思います。 私のデジタル音源はCDだけです。一応トランスポートとDACを気に入ったものを買い、接続は自分なりにいろいろ試して良かったのが光(STリンク)でそれからは変えていません。トランスポートとDACは分離できるCDプレーヤーを含めて3台づつ試し、そこから得た私の理解は 1)音の基本的な成り立ち、癖、骨格はトランスポートで決まる。 2)DACは音の質感、力感に影響する。 要するにデジタル信号を読み取ったトランスポートの段階で音が決まってしまう面が大きい。・・・この程度です。この程度しか知らない人間に教えるつもりでお願いします(笑)。 まずリッピングのことですが、私の理解として「CDなどからトランスポートで読み取って同時再生としてDACでアナログ信号に変換するより、一旦固体メモリーやHDにデータとして取り込み、そこから再生する方が音が良い」要するにエラー補正がかかればかかるほど音が悪くなるので読み取り同時再生は良くない・・・と理解していますがそれで良いのでしょうか?(もちろん非圧縮WAVファイルでという事で・・・) 次は私の勝手な理解かもしれませんが「トランスポートからDACに信号を送るケーブルや方式によって音が変るのも同時再生だからこそではないか?デジタルファイルを移動するだけに使うケーブルは何だって良いのではないか?要するにディスクドライブで読み取ってHDや固体メモリーにファイルを移送するケーブルは何だって良いのか?ディスクドライブの機種によっても音は変らないのではないか?」という疑問です。これは正しいのでしょうか?もし違う(変質する)となればデジタルファイルも基本的には完全コピーできない事になるし、ファイルに欠陥があっても保存できるという事になります。そしてダウンロードファイルでのオーディオも変ってしまうことになりますね。先日私が書いた「解像度」のお返事にそれに近いことをお書きになっていたので気になっていたのです。もちろん固体メモリーやHDからの再生に関してはケーブルによる違いは有るだろうとは理解しています。・・・如何でしょうか? スレッドの趣旨と離れるかも知れませんが、よろしくお願いします。 |
zappa1993 | 投稿日時: 2012/4/27 1:12 |
長老 登録日: 2011/3/17 居住地: 投稿: 1916 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか Yoさん
こんばんは zappa1993です。 お問い合わせありがとうございます。 私自身ネットワークオーディオに興味を持つまでデジタルオーディオでこれ程までに音が変化するとは想像もつきませんでした。 その変化量と方向は想像以上で、とても完全にコントロールすることなど不可能ではないかと思えるほどです。 と申しますのも、なぜ音が変わるのか、どの様に変わるのかという事が、完全に解明されていないからなのです。 どの様に変わるかという部分については、多くの試行錯誤の中でおぼろげながら少しは方向性が分かってきたように思いますが、なぜ音が変わるかという点においては、私自身も納得いく答えを見つけていません。 多くの情報誌やHP等で言われていることは、概ねよく似た内容で、確かにそれらも一理あり、原因の一つだと思われますが、果たしてそれだけなのか?と首をかしげたくなるほど多くの要因があり、何時どこで音の変化に遭遇するのか全く予測が付きません。 例えば、これは3日ほど前に気が付いたことですが、私が音楽を聴いている間、リビングで妻がノートパソコンでインターネットに無線接続しているとオーディオの音が多少ぼやけるのです。 これは可能性として薄々気づいていたことなのですが、その日は何時もに比べて音のぼやけがなく、静寂感が際立った印象を持ちました。 音楽を聴き終わってリビングに行くと、珍しくその日は妻がパソコンを使っていないことが分かり、「やっぱりな」と思った次第です。 こんな感じです。 今回Yoさんからご質問いただいた中で、私なりに回答が出来るものと出来ないものがあります。 また回答が出来たとしても、それは私がそう思うというだけであって実際にそれが合っているのかどうか分かりません。 折角の機会ですから、色々なお話をさせていただいた中で、音が変わる原因について何か得るものがあればと考えています。 私よりYoさんの方がオーディオの経験・知識ともに豊富ですので、色々と教えて頂けますと幸いです。 今回は、ご質問の中ですぐにお答えできるものだけ回答させていただき、そうでないものは、私なりに考えをまとめて改めて回答させていただきます。 現在、私はネットワークプレーヤーをメインに使っており、遂にあまり調子が良くないCDPも除去してしまいました。 巷では、PC・ネットワークプレーヤーの優位性が説かれ、CDPに代わる新しい再生方法として注目を集めていますが、私が思うには、再生方法の選択肢が一つ増えたというだけで、取って代わるものではないと思います。 と申しますのは、PC・ネットワークプレーヤーが全ての点において優れているかと言うと必ずしもそうではないと思うからです。 CDにはCDの良さがあり、アナログにはアナログの良さがあるからです。 それぞれに音の傾向があり、好みで使い分けるが最も適した方法だと思います。 Yoさんがアナログレコードを中心に楽しまれているのは、その方が好ましい部分が多いからだと思います。 私がYoさんの音を聴かせていただいたとき、アナログレコードを聴いたのは15年ぶり位だったのですが、とても優れた音質であることに驚きました。 現状のデジタルオーディオでは、ある点ではアナログレコードより優れていたとしても、同様に劣っている点もあります。 今私がとっているスタンスは、デジタルならではの良さを追求し、アナログより劣っていると思われる点はアナログに近づけるというものです。 結局、アナログの音を手本にしているという点で、デジタルオーディオの立ち位置が分かるというものです。 >1)音の基本的な成り立ち、癖、骨格はトランスポートで決まる。 >2)DACは音の質感、力感に影響する。 >要するにデジタル信号を読み取ったトランスポートの段階で音が決まってしまう面が大きい。 これは私も同様に、トランスポートで音の骨格のようなものが決まり、DACでその表情が決まるように思います。 おもちゃの積木に例えれば、トランスポートで積み木の形が決まり、DACで表面の手触りや色が決まるような感じです。 後のご質問にありました、「ディスクドライブの機種によっても音は変らないのではないか?」の回答がここにあるように思います。 ディスクドライブはトランスポーターであり、ディスクドライブが変わることにより音の傾向は大きく変わります。 ただし、これはピックアップだけの問題ではなく、内部回路やソフトウェア等の部分も含めて考えるべきです。 実際に私もいくつかのディスクドライブを試しましたが、それぞれに音の傾向があります。 Plextor社のドライブが、優れているとして人気がありますが、確かに多くの人がそう感じるように、このドライブは音ににじみやふくらみが少なく、付帯音がない綺麗な音が特徴です。 >まずリッピングのことですが、私の理解として「CDなどからトランスポートで読み取って同時再生としてDACでアナログ信号に変換するより、一旦固体メモリーやHDにデータとして取り込み、そこから再生する方が音が良い」要するにエラー補正がかかればかかるほど音が悪くなるので読み取り同時再生は良くない・・・と理解していますがそれで良いのでしょうか?(もちろん非圧縮WAVファイルでという事で・・・) これはリッピングデータの再生が高音質である理由として必ず言われることです。 確かにこれも一つの理由だと思いますが、これだけで片付けられるものでもないと思います。 その他の理由については改めて書かせていただきます。 私が思うのは、エラー補正が実際にどれだけ起きているかという事です。 エラー補正がかかることで余計な処理が増え、ジッターや伝送の面において音質的に不利になるのは想像できますが、実際にエラー補正がほとんど起きない状態であれば、それ程音が変わるとも思えません。 逆にそんなに多くのエラー補正が必要ならドライブに不良があるという事です。 もう一つ、エラー補正で音質が劣化するとして、果たしてその劣化がどれ程の量なのも疑問です。 微々たるものであれば、数回程度エラー補正が起きても音質に影響はないと思われるからです。 「同時再生は常にエラー補正をしながら再生する」これに対してリッピングデータの再生は「エラー補正がなされて出来上がったデータを再生する」この違いが音の違いになる。 この一点だけでは片づけられないように思いますが、Yoさんはどう思われますか? ケーブルで音が変わる理由については、私も明確な答えが分かりません。 一番考えられるのは外来ノイズの問題ですが、デジタルデータとして転送されているものがノイズの影響を受けたとして、データそのものが変わってしまうことはまずないと思います。 ここでも最終的にエラー補正が行われるからです。 また、デジタルデータがノイズの影響を受けても、アナログ波形への影響と同様に考えていいのかどうかも考えねばなりません。 この点についてもちょっと勉強してから書かせていただきます。 ダウンロードファイルでも音が変わるのは確認されています。 ただ、これもケーブルの問題がかかわってきますので、上記と一緒に考えるべきものだと思います。 デジタルデータでも音が劣化するのを簡単に試すには、同じデータを何度もコピーを繰り返すことです。 コピーして、それをまたコピーして・・・これを何度か繰り返して、オリジナルデータと聴き比べれば音が違うことが確認できます。 (中には空耳だという方もいますが、聞き分けるだけの再生装置をお持ちでないだけだと思います) 保存場所を色々と変えたりすると、より変化があるはずです。 よく想像でものを書きますので、おかしい所があればご指摘ください。 他のPC・ネットワークオーディオを楽しまれている方のご意見もいただけますと幸いです |
Yo | 投稿日時: 2012/4/27 18:09 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか zappa1993さん、お返事有難うございます。
そしてやはりzappa1993さんは本当にオーディオに真摯に取り組んでいらっしゃる事と「わからない事はわからない」とはっきり仰る姿勢が伝わってきてzappa1993さんにお聞きして良かったなと思っております。 オーディオは人の感覚の中でも特に敏感な聴覚を持って音楽という情緒ある情報を扱うものですからほんのわずかな事でその違いが分かってしまいます。耳によるその違いの判断は機器による測定よりはるかに敏感で、理論的に説明できない事も多い分野だと思っています。以前大学の物理学の教授のブログで趣味のオーディオの事が書いてあって「デジタル伝送でケーブルによって音に差が出ることはありえない」と書かれていたことがありました。当然その時私は違いがあることは経験済みだったので「なんて人だ」とも思いましたが、書かれてある文章は本当に真摯に論理的にも丁寧に書かれてあることばかりだったので「論理的にはそうなのだろうけど、この方は未だ経験されて無いだけだ」と思っておりました。この質問をきっかけに昨日2年ぶりくらいにそのブログを見ましたら、その部分を削除されていました。・・・きっとその方の音も良くなったことでしょう(笑)。 でもだからと言ってオーディオは物理現象だという事を無視して情感だけの判断やありもしないような理屈を平気で言う人も多いのがこの世界です。「オーディオは物理現象であることが基本だときちんと理解し、得られた感覚のところは測定でも分かりえない微妙なところで論理的にも説明が難しい所だ」と肝に銘じている人、つまり感覚と理論の橋渡しを自分の中できちんと出来る人でないとオーディオの調整は難しいと思っています。zappa1993さんはそのタイプの人だと思いました。 さて本論に入りますが(笑)、まずトランスポートとDACの音への影響での判断が同じだった事はデジタルの話をする土台が出来たように思います。 >後のご質問にありました、「ディスクドライブの機種によっても音は変らないのではないか?」の回答がここにあるように思います。ディスクドライブはトランスポーターであり、ディスクドライブが変わることにより音の傾向は大きく変わります。 ・・・実は私もそう思っていたのですが、デジタルデータ読み取りでディスクドライブで読み取ったデータが変るなんてあってはならない、CDのトランスポートで音が変るのは同時再生だからだと思っていた(というより「思い込もうとしていた」が正しいかも?)のです。私自身以前に経験したことではCD-Rの書き込みソフトの初期では最大4倍速の時に1倍速というのもあって、この1倍速で読み取り書き込みをしたときの音は本当にオリジナルのCDとほとんど変らない音のものが出来た記憶があります。もちろん書き込みの正確さもあるので一概に読み取りの精度だけとは言えないと思うのですが、読み取りに関してもエラーの発生とエラー補正が付きまとっているように思います。 そこでzappa1993さんのご質問ですが >「同時再生は常にエラー補正をしながら再生する」これに対してリッピングデータの再生は「エラー補正がなされて出来上がったデータを再生する」この違いが音の違いになる。 この一点だけでは片づけられないように思いますが、Yoさんはどう思われますか? 私は逆にエラー補正は想像以上に働いているのではないか?と思うのです。そして読み取りによる差(zappa1993さんご提言のディスクドライブの機種の差やコピーによる音の変化、そして私が言った読み取り速度の差など)を考えると元通りのデータにはなっていないのではないか?つまり他の一般データだと全く問題ない程度のデータエラーがオーディオに関しては大きな(認識できる)差となってしまうのではないか?ということです。CD作成におけるマスタリング工程でも同じデータなのにCDにすると音が悪くなる・・・という話も聞きます。もちろんここまでの話になればエラー補正の理屈も理解できないと何とも言えませんがデータの変質があることは確かなようですね。 ところでリッピングに使うソフト、ディスクドライブで読み取りは何倍速なのでしょうか?本当に音質重視なら1倍速では飽き足らず半倍速なんてあっても良いかもですね?アナログレコードのカッティングではありますから・・・。 >Yoさんがアナログレコードを中心に楽しまれているのは、その方が好ましい部分が多いからだと思います。 確かに前コメントで申しましたようにアナログの良さは感じていますが、もう一つ疲れの問題もあるのです。私のCDPは自分なりに判断して出来るだけアナログの質感に近い物を買ったつもりですし音質は気に入っています。しかしCDばかり聴き続けた後でアナログを聴くとホッとするのです。実は私はこのアコリバ掲示板のアナログのスレッドに時々書かれるELPEAMANさんとレコード友達でその関係でKさんと知り合ったのですが、共通のレコードを聴く会では朝から晩までレコード漬けになります。最長では12時間休憩なし(食事も聴きながら)でレコードを聴いた事があります。もちろん疲れは残りますが心地よい疲れです。CDではたぶん出来ないと思います。アナログもCDも測定すると歪みやノイズが有りますがその差は歴然としていてアナログの方が格段に多いはずです。しかし人の神経に対してアナログの歪みやノイズは優しいような気がします。決してアナログの音質をまろやかにしているわけでは無い事はzappa1993さんはご理解頂いていると思います。 将来的に、現行の音楽をもっと聴くにはデジタルも充実させなければなりませんのでこうしてデジタルの経験が豊富なzappa1993さんにお聞きしているのですが、逆にzappa1993さんに申したいのは「デジタルは将来まだまだ進歩するでしょうが、今のアナログも良いですよ」・・・です(笑)。 >よく想像でものを書きますので、おかしい所があればご指摘ください。 ・・・これはお互い様です。何らかの理由を考える事も大事な事です。そしてそれに固執しない事も・・・。 これからもよろしくお願いします。 |
zappa1993 | 投稿日時: 2012/4/30 10:22 |
長老 登録日: 2011/3/17 居住地: 投稿: 1916 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか Yoさん
おはようございます zappa1993です。 お返事ありがとうございます。 Yoさんの書き込みを拝見させていただいて、この先このやり取りがとても有意義なものになることを確信しました。 まだまだ手探りの状態での書き込みになりますが、最終的に何か得るものがあれば良いと考えています。 お時間をとらせてしまい申し訳ございませんが、引き続きよろしくお願いいたします。 >「オーディオは物理現象であることが基本だときちんと理解し、得られた感覚のところは測定でも分かりえない微妙なところで論理的にも説明が難しい所だ」 全く仰る通りです。 何事も物理現象であることには変わりありませんが、その現象の全てを人間が理論的に理解できているかと言えば決してそうとは言い切れません。 よく「理論的にはあり得ない」と言う言葉で現象のすべてを片付け、「プラシーボ効果だ」と人を馬鹿にする発言を目にします。 この様な事を言う人については、こちらこそ馬鹿らしいので何も言いません。 一般的に、理論的に何らかの説明がなされているものについても、果たしてその説明だけですべてを言い表せているかどうか誰にも分からない様な気がします。 物事には色んな側面があるからです。 一つの理論を持ってすべてを理解することはなかなか困難なことではないかと思います。 そう考えると、物理現象の解明がなされていないものだけではなく、解明されているものの中にも人間の感覚でしか分からないような部分は存在と考える方が自然です。 私も気になる事柄については色々と調べることが好きですので、書籍やインターネットで学術的な事柄にまで目を通しますが、決してそれを鵜呑みにすることはしません。 色々と調べた中で「正しいと思われること」「納得できること」を自分の中で情報処理し自分なりの考えにまとめるようにしています。 その上で、それらの理論と自分の感覚を照らし合わせ、最終的に自分なりの結論を見出すような感じです。 自分が納得できる理論と自分の感覚を大切にしています。 私もここからが本題です ディスクドライブによるリッピングデータの音質の違いについてですが、私はピックアップが読み取るデータそのものには差が無いように思います。(あっては大変です) デジタルデータを理解するのにキーワードとなる言葉に「ジッター」があります。 ジッターとは時間軸のズレや揺らぎの事ですが、ディスクドライブがCDからデータを読み取る際に様々なジッターの影響を受けます。 このジッターの影響如何でデジタルデータの音質が劣化すると考えられています。 ジッターが発生する可能性を考えてみますと、まずCD面の質の影響があります。 現在いくつかのメーカーから高音質CDとしてポリカーボネート以外の素材を使ったCDが発売されていますし、オーディオ機器が買えるほど高額なガラスCDもあります。 何故これらが通常のCDより高音質かと言えば、ピックアップがデータを読み取る際のジッターが少ないからだと思います。 これはYoさんが書かれた「CD作成におけるマスタリング工程でも同じデータなのにCDにすると音が悪くなる・・・という話も聞きます。」にも関係してくると思うのですが、デジタルデータをCDにプレスし、そこから読みだすという作業の中で既に音質の劣化が保障されているようなものなのです。 ただし、このジッターの影響は同時再生でもリッピングでも同じように起こると思いますので、リッピング音源の優位性には直接関係がないと思われます。 関係があるとすれば、盤面の質が悪いことで同時再生ならエラー補正が起こるところを、リッピングでは再読み込みと言う方法で、補正されたデータではなく正確なデータを得られるというところです。 先に書きましたように、このエラー補正されたデータを再生するCDPと、限りなく正確に読み取ったデータを再生するPC・ネットワークオーディオの違いが、両者の音質が違う大きな要因です。 Yoさんが実践されているトランスポーターとDACに分ける方法は、実はこのリッピングと言う作業の目的に近い所があります。 通常のCDPの同時再生では、CDからデータを読み出し、そのデータをD/A変換して出力するという作業が一つの機器の中で同じマスタークロックで行われます。 先ほど申し上げたような、CD読み取りの際のジッターや、回転精度に起因するジッター、振動によるジッター等が、後のD/A変換のクロックにも影響を与えてしまいます。 これに対して、トランスポーターとDACを分ける方法ですと、トランスポート時のジッターがDACに影響されることがなく、DACの正確なマスタークロックで再生されるためより揺らぎがない再生が可能になります。 リッピングと言う作業も、実はこのトランスポーターがデータを読み出す作業を事前に行いデータ化しているというだけで、DACのマスタークロックに影響を与えない再生方法と言う点では共通しています。 私は、エラー補正の問題と、このDACのマスタークロックへのジッターの軽減の2点がリッピングデータ再生が高音質である主な理由であると考えています。 ちょっと話がそれましたが、ディスクドライブによる音質の差は、アナログ回路等の機器構造の他に、データの読み出し時に発生するジッターの大小が関係してくるのだと思います。 ディスクドライブの回転数は、当然発生するジッターに影響を与えると思いますので、出来る限り等倍速での読み書きが好ましいと思います。 ここで疑問なのですが、リッピング作業は通常数倍から数十倍速の回転数で行われます。 回転数が多いとそれだけ短時間でリッピングが終了するからなのですが、これほどの高回転で回転させて正確に読み出せるのなら、等倍速でエラー補正が必要なほどの読み取りエラーが起こるのか? 高回転でも音質劣化がないのか? と考えてしまいます。 回転によるジッターはDACに影響を与えないと考えると、正確にさえ読めていれば高回転でも何ら問題ないことになりますから、私はMAXの半分くらいの回転数が上限になるように設定しています。 もう一つ大きな疑問ですが、トランスポートとD/A変換を別クロックですることでジッター軽減を図ったPC・ネットワークオーディオで、リッピングデータの違いにより音質の差があると言うのはどういう事なのでしょうか? バイナリ一致のデジタルデータの中にも、D/A変換のクロックに影響を与えるジッターが内包されており、この違いが音質の差になって現れるのではと考えていますが真相は分かりません。 一番最初に書きました、同じ無圧縮音源であるWAVとFLAC(lossless uncompressed)に微妙な音質の差があるのは、理論的にはおかしいことですが、D/A変換される作業の中で発生するジッターに違いがあるのかもしれませんし、付加されるタグ情報の内容によっても音が変わるという記述もありますので、その様なことが影響されているのかもしれません。 デジタルデータがバイナリ一致で全く同じであれば、再生音は同じでないとおかしいというのは、理論的にはそうかもしれませんが、実際にはそうはならないのは聴き比べてみればわかります。 この点はよく議論されるところで、ゆっくりと解明したいので今は書きませんが、バイナリ一致はデジタルデータの並びが同じであるというチェックサムの一つであって、データのすべての要素の照合をしているわけではないと考えています。 アナログの音が聴き疲れしないという点は私も同感で、これは他の多くの方も同じではないでしょうか。 私がアナログを楽しんでいたのはずいぶん前の事ですので、記憶だけなのですが、今と比べもっと優しい音に包まれていた様な気がします。 その感覚はおそらくストレスなく聴くことから来ているのだと思います。 人間は自分が意識しないところでも多くの情報を認識し情報処理をしています。 例えば、視覚の場合ですと、意識しているものの他に多くのものを見、その情報が脳に伝達されています。 意識していない視界の中でもおかしな部分があれば、変な違和感となって無意識に感じ取ることができます。 これは想像ですが、聴覚も同じように無意識の中に違和感を感じ取っているのだと思います。 改めて言うまでもありませんが、CDのデータはアナログ波形を細かな点の集まりとし、その点同士を繋げることでアナログ波形に近いカーブを人工的に作っています。 また、可聴帯域の上下を切り取った形になっています。 何れも自然に存在する音ではありません。 人間の脳はこれらの音を無意識の中で不自然なものとして認識し、それが精神的なストレスになっているのではないでしょうか。 アナログに付き物のノイズの様に、意識される音にもストレスはあるでしょうが、それよりもこの無意識に感じる音の違和感の中に聴き疲れする大きな要因がある気がします。 >・・・これはお互い様です。何らかの理由を考える事も大事な事です。そしてそれに固執しない事も・・・。 仰る通りです。 固執しない柔軟な考え方を持たないと、なかなか正解にはたどり着けません。 私は決してデジタルに詳しいわけではないのですが、色々と見聞きした中で、自分の頭で考えることを忘れないようにしています。 今回は何か取り留めのない内容になってしまいました。 |
Yo | 投稿日時: 2012/5/2 18:10 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか zappa1993さん、熟考のお返事有難うございます。
なかなか上手く返事をまとめられずに遅くなってすみません。 >物理現象の解明がなされていないものだけではなく、解明されているものの中にも人間の感覚でしか分からないような部分は存在と考える方が自然です。 仰るとおりですね。そもそもデジタルオーディオ(CD)の初期には「全ての機種は同じ音になる」と言ったメーカーの技術屋がいたのですから、今こうして徐々にわかってきている事こそ人の感覚がその違いを見つけてきたと言えるでしょう。デジタルはまだ素人が勝手な論理を振り回せる分野ではないのでそれほどでもないですが、アナログは本当にいい加減な事を定説のように言う事が残っている分野で困る事も多いです。 >ディスクドライブによるリッピングデータの音質の違いについてですが、私はピックアップが読み取るデータそのものには差が無いように思います。(あっては大変です) デジタルデータを理解するのにキーワードとなる言葉に「ジッター」があります。 ジッターとは時間軸のズレや揺らぎの事ですが、ディスクドライブがCDからデータを読み取る際に様々なジッターの影響を受けます。 このジッターの影響如何でデジタルデータの音質が劣化すると考えられています。 なるほど、ジッターが最も大きな原因なんですね!?そうですよね、データの読み取りエラーがあるとなるとデジタルデータというものの信頼性が揺らぎますからね。 要するに、データはきちんと読み込んでいて一般のデータでは全く問題の無い事が、時系列を取り扱う音楽データでは読み込んだパルスの周波数の不安定さ(ジッター)がその後のD/A変換に影響するという事なのですね?そしてそのジッターは同時再生の時だけの問題ではなくデータ保存する場合にも引き継がれるということなのですね!? 実は私はこれまでこのジッターというものはCDから読み出した時には問題としてあるけれどデータ保存すれば引き継がれないものと思い込んでおりました。・・・目からうろこです(笑) >関係があるとすれば、盤面の質が悪いことで同時再生ならエラー補正が起こるところを、リッピングでは再読み込みと言う方法で、補正されたデータではなく正確なデータを得られるというところです。 ここのところは少し疑問があります。「補正されたデータではなく正確なデータを得られるというところです。」・・・この部分です。「同時補正しながら再生するのと、補正し終えて正確なデータとして保存されたものから再生する違い」と理解していましたが、リッピングの場合はエラー補正ではなく再読み込みをするのですか?リッピングの為に読み込むときもCD表面のキズとか埃とかもあるので読み込み精度の問題や再読み込みの問題だけでは無いと思うのですが・・・如何でしょうか? もう一つ疑問があります。 >Yoさんが実践されているトランスポーターとDACに分ける方法は、実はこのリッピングと言う作業の目的に近い所があります。 通常のCDPの同時再生では、CDからデータを読み出し、そのデータをD/A変換して出力するという作業が一つの機器の中で同じマスタークロックで行われます。 先ほど申し上げたような、CD読み取りの際のジッターや、回転精度に起因するジッター、振動によるジッター等が、後のD/A変換のクロックにも影響を与えてしまいます。 これに対して、トランスポーターとDACを分ける方法ですと、トランスポート時のジッターがDACに影響されることがなく、DACの正確なマスタークロックで再生されるためより揺らぎがない再生が可能になります。 リッピングと言う作業も、実はこのトランスポーターがデータを読み出す作業を事前に行いデータ化しているというだけで、DACのマスタークロックに影響を与えない再生方法と言う点では共通しています。 私は、エラー補正の問題と、このDACのマスタークロックへのジッターの軽減の2点がリッピングデータ再生が高音質である主な理由であると考えています。 私のこれまでの理解では「トランスポートとDACは一つの高精度なマスタークロックで同期する方が音が良い」と言う事だったのですが、それは間違いで送り出し側とは別のクロックでアナログ変換すべきなのですか? そしてこの文章だと「トランスポートで発生したジッターは引き継がれない」「リッピングのディスクドライブで発生したジッターも引き継がれない」ように理解してしまいますが、そうなのでしょうか?それとも「軽減」と言う事なのでしょうか? そして私の最大の疑問なのですが、「どんなトランスポートでもディスクドライブでもデータは正確に読み取っている、違いはジッター」・・・ということになると、zappa1993さんと基本合意できた「音の骨格、音の癖はトランスポートやディスクドライブで決まる」と言う事でジッターであれほど音が変るものなのか?と言う事なのです。ジッターと言うものは音の劣化ではなく「特定の癖までつけるもの」なのでしょうか? >ディスクドライブによる音質の差は、アナログ回路等の機器構造の他に、データの読み出し時に発生するジッターの大小が関係してくるのだと思います。 ・・・と書かれているのでそうなのでしょうね?しかし私はこれまでトランスポートとしてYAMAHA・CDX10000、初期フィリップス-スイングアームタイプ(WADIA3200)、エソテリック・P-70、オラクル・CD2000を自宅で同じDACで経験しましたがピックアップの違いだけでなくそれぞれのメーカーの音作りという癖も感じました。これがジッターでコントロールされているとはとても思えないので不思議です。ジッター以外には音をコントロールできるものは無いのでしょうか? >意識していない視界の中でもおかしな部分があれば、変な違和感となって無意識に感じ取ることができます。 これは想像ですが、聴覚も同じように無意識の中に違和感を感じ取っているのだと思います。 ・・・これは仰るとおりだと思います。その背景の違和感が単にデジタルノイズだと断定は出来ませんが、耳に聴こえる範囲以外のところで何か人の神経に違和感をもたらすものがあるように思います。 今回は理解できる所と逆に疑問が深まった所のギャップが大きくて上手く言えませんでしたがよろしくお願いします。 |
zappa1993 | 投稿日時: 2012/5/3 1:35 |
長老 登録日: 2011/3/17 居住地: 投稿: 1916 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか Yoさん
こんばんは zappa1993です。 早速のお返事ありがとうございます。 >なかなか上手く返事をまとめられずに遅くなってすみません。 いえいえ。 私の方もなかなか纏められないことが多いので、すぐにお返事いただけなくても大丈夫です。 >アナログは本当にいい加減な事を定説のように言う事が残っている分野で困る事も多いです。 そうなんですか。 どの様な誤った定説があるのかまた機会がございましたら教えてください。 >なるほど、ジッターが最も大きな原因なんですね!?そうですよね、データの読み取りエラーがあるとなるとデジタルデータというものの信頼性が揺らぎますからね。 要するに、データはきちんと読み込んでいて一般のデータでは全く問題の無い事が、時系列を取り扱う音楽データでは読み込んだパルスの周波数の不安定さ(ジッター)がその後のD/A変換に影響するという事なのですね?そしてそのジッターは同時再生の時だけの問題ではなくデータ保存する場合にも引き継がれるということなのですね!? 実は私はこれまでこのジッターというものはCDから読み出した時には問題としてあるけれどデータ保存すれば引き継がれないものと思い込んでおりました。・・・目からうろこです(笑) この部分はまだ定説化されていないところでして、「バイナリ一致」とは何を意味するかと言う部分と合わせて突き詰める必要があると考えています。 一般的かどうかまでは分かりませんが、デジタルデータとして保存した段階でジッターとは切り離されるという考えがあります。 デジタルデータの読み書きはデータの移動のみで、移動が正確に行われバイナリが一致すればクロックの影響を受けないので同じデータであるいうことです(移動がスムーズに済んでも時間がかかってもクロックに同期した作業ではない) しかし、実際にデジタルコピーしたデータでも音質の変化を聴きとることができますので、上記の理論は不完全であると思います。 Yoさんが書かれたように、私は保存されたデータにもジッターが内包される、或いはD/A変換される際にジッターを生む要素を含んでいると想像しています。 これは「バイナリ一致」を単なる同一データで片付けてしまっていては及ばない発想です。 「バイナリ一致」は大きなテーマで、何通りかの考えがありますので、またの機会にゆっくり考えてみたいと思います。 >このところは少し疑問があります。「補正されたデータではなく正確なデータを得られるというところです。」・・・この部分です。「同時補正しながら再生するのと、補正し終えて正確なデータとして保存されたものから再生する違い」と理解していましたが、リッピングの場合はエラー補正ではなく再読み込みをするのですか?リッピングの為に読み込むときもCD表面のキズとか埃とかもあるので読み込み精度の問題や再読み込みの問題だけでは無いと思うのですが・・・如何でしょうか? 言葉足らずで申し訳ございません。 当初、私もリッピングとはエラー補正を含んだ作業で、正確に補正できないような部分があったときのみ再読み込みという方法をとるものだと思っていました。 しかし、色々と調べるうちに基本的にエラー補正は行わず、再読み込みで対応していると理解するようになりました。(これはリッピングソフトにもよります) それでも読み込みが出来ない場合はエラーとなります。 私が使っているリッピングソフトでは、リッピングしたデータをインターネット上にある同じCDのデータと照合して正確にリッピングできたかどうか調べるようになっています。 有名なアルバムは殆どこの照合が可能です。 実際に多少の傷や汚れのあるディスクをリッピングして再読み込みが起きない場合でも、インターネットのデータと照合できないことは滅多にありませんし、再読み込み作業自体が殆どありません。 私の眼には、数倍〜数十倍の速度でのリッピングは、たった一度の読み取りだけで完了しているように思えます。 これでYoさんのご質問への回答になっていますでしょうか? 傷やほこりがあるアルバムは、読み取り時にジッターが発生しやすく、これが電源やクロックに影響を及ぼすのではないかと思います。 >私のこれまでの理解では「トランスポートとDACは一つの高精度なマスタークロックで同期する方が音が良い」と言う事だったのですが、それは間違いで送り出し側とは別のクロックでアナログ変換すべきなのですか? そしてこの文章だと「トランスポートで発生したジッターは引き継がれない」「リッピングのディスクドライブで発生したジッターも引き継がれない」ように理解してしまいますが、そうなのでしょうか?それとも「軽減」と言う事なのでしょうか? すみません。これは私の勘違いでした。 トランスポートとDACを光や同軸ケーブルで接続した場合は、送り出しのクロック・D/A変換のクロック共に正確さが求められ、両者にズレがないことが好ましいようです。 つまり送り出す際にもジッターの影響を受けることになります。 私はCD読み取り時に発生するジッターが直接D/A変換のクロックに影響を与えないという意味のことを申し上げたかったのですが、私自身の理解が足りなかったようです。 これに対し、PC・ネットワークオーディオでNAS等の記憶媒体からLANケーブルでデータを送り出した場合は、クロックに同期されませんのでジッターの影響を受けません。 これは、LANでは一定の転送速度が約束されておらず同時再生に無理があるため、DAC側のバッファメモリに一旦データを溜めてからD/A変換する方法をとっているためです。 実際にネットワークプレーヤーでデータを再生中にLANケーブルを抜いても直ぐに音は途切れず、数秒間は音楽が再生されます。 USB接続した場合はクロック同期が行われますので、送り出しにジッターの影響を受けます。 ※しかし、デジタルデータのコピーでも音質が劣化するという私の考えに即して考えると、クロックに同期しないLAN転送でも音質劣化が起こる可能性があることになります。 これは外来ノイズや転送時のフロー制御による新たなジッターが原因ではないかと思います。 このフロー制御は曲者です。 >そして私の最大の疑問なのですが、「どんなトランスポートでもディスクドライブでもデータは正確に読み取っている、違いはジッター」・・・ということになると、zappa1993さんと基本合意できた「音の骨格、音の癖はトランスポートやディスクドライブで決まる」と言う事でジッターであれほど音が変るものなのか?と言う事なのです。ジッターと言うものは音の劣化ではなく「特定の癖までつけるもの」なのでしょうか? こちらも私の表現が悪く誤解を与えてしまったようで申し訳ございません。 「音の骨格、音の癖はトランスポートやディスクドライブで決まる」という考えに変わりはございません。 骨格等はトランスポートで決まりますが、それとは別に如何にジッターを軽減するかと言うメーカーの工夫も音を決定づける要因の一つになっているのだと思います。 ジッターが音に癖をつけるのではなく、音の劣化を引き起こす原因だと考えています。 >・・・と書かれているのでそうなのでしょうね?しかし私はこれまでトランスポートとしてYAMAHA・CDX10000、初期フィリップス-スイングアームタイプ(WADIA3200)、エソテリック・P-70、オラクル・CD2000を自宅で同じDACで経験しましたがピックアップの違いだけでなくそれぞれのメーカーの音作りという癖も感じました。これがジッターでコントロールされているとはとても思えないので不思議です。ジッター以外には音をコントロールできるものは無いのでしょうか? 前述の続きですが、音の基本はトランスポートのメカ部分から来ているのは間違いありません。 それぞれにメーカーの工夫がありますから、それが音の違いとなって現れているのだと思います。 ジッターが音をコントロールしているという事ではなく、音を劣化さす原因として影響を及ぼしているという事です。 ジッターはトランスポートの電源に影響を及ぼしますし、送り出しのクロックにも影響を及ぼします。 例えドライブメカが同じでCDの読み込み品質が同じであったとしても、低ジッターになるように工夫されたトランスポートの方が高音質になるという事です。 前回は、矛盾や誤りを含んだ文章でYoさんを混乱させてしまいすみませんでした。 文章に纏めることは難しいですね。 今回は訂正や補足説明だけになってしまいましたが、まだおかしい所や不明瞭なところがありましたら仰ってください。 |
Yo | 投稿日時: 2012/5/3 10:09 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか zappa1993さん、早速のお返事ありがとうございます。
今回のやり取りで分かったことは、いかに私がデジタル素人かということとzappa1993さんが真剣にデジタルに取り組んでおられる中で理屈と現実の狭間を埋め合わせるのにいかにご苦労されているかということです。勉強すればするほど一筋縄ではいかないことを説明することの難しさ・・・良くわかります。でもまあ素人に説明するときの苦労から意外と新しいアイデアが浮かんだりすることもありますので、そのお役にたてば・・・なんて聞く側が言ってはいけないかもです(笑) 「なるほど、ジッターが最も大きな原因なんですね!?そうですよね、データの読み取りエラーがあるとなるとデジタルデータというものの信頼性が揺らぎますからね。 要するに、データはきちんと読み込んでいて一般のデータでは全く問題の無い事が、時系列を取り扱う音楽データでは読み込んだパルスの周波数の不安定さ(ジッター)がその後のD/A変換に影響するという事なのですね?そしてそのジッターは同時再生の時だけの問題ではなくデータ保存する場合にも引き継がれるということなのですね!? 実は私はこれまでこのジッターというものはCDから読み出した時には問題としてあるけれどデータ保存すれば引き継がれないものと思い込んでおりました。・・・目からうろこです(笑)」 ・・・私もこの文章を書いた後で「こんな簡単ではないぞ!」と薄々わかってきておりましたが、zappa1993さんのお返事を楽しみに書き直しをしませんでした。・・・すみません(笑)。でもお答えで「バイナリー一致」の難しさがおぼろげながらわかった気がします。後述のデジタル出力機器のアナログ機器的音質変化を含めて「エラーコレクト」「ジッター」の2つの大問題以外にも第3、第4の問題点が今後発掘されるような気がしてなりません。 >当初、私もリッピングとはエラー補正を含んだ作業で、正確に補正できないような部分があったときのみ再読み込みという方法をとるものだと思っていました。 しかし、色々と調べるうちに基本的にエラー補正は行わず、再読み込みで対応していると理解するようになりました。(これはリッピングソフトにもよります) それでも読み込みが出来ない場合はエラーとなります。 私が使っているリッピングソフトでは、リッピングしたデータをインターネット上にある同じCDのデータと照合して正確にリッピングできたかどうか調べるようになっています。 有名なアルバムは殆どこの照合が可能です。 ・・・へぇ〜、ここまでするのか?という驚きと同時にここまでしても「バイナリー一致」に至らない(D/A変換後の音に違いが出る)ことに驚きます。やはり「真の一致」を見極める何かが足りないとしか思えないですね。 >トランスポートとDACを光や同軸ケーブルで接続した場合は、送り出しのクロック・D/A変換のクロック共に正確さが求められ、両者にズレがないことが好ましいようです。 つまり送り出す際にもジッターの影響を受けることになります。 これに対し、PC・ネットワークオーディオでNAS等の記憶媒体からLANケーブルでデータを送り出した場合は、クロックに同期されませんのでジッターの影響を受けません。 これは、LANでは一定の転送速度が約束されておらず同時再生に無理があるため、DAC側のバッファメモリに一旦データを溜めてからD/A変換する方法をとっているためです。 実際にネットワークプレーヤーでデータを再生中にLANケーブルを抜いても直ぐに音は途切れず、数秒間は音楽が再生されます。 USB接続した場合はクロック同期が行われますので、送り出しにジッターの影響を受けます。 ・・・良くわかりました。というか勉強になります。こういうことはきちんと知っているかどうかで対処法やグレードアップ方法が変わりますから大事なことですね。ありがとうございます。 トランスポートの音の違いについてはやはりジッターだけでは説明が難しいですね。セッティングや使い方の違いがアナログ機器的音の変化をもたらすことの説明はデジタル信号の変化にどうつながるのか疑問は深まるばかりです。 例えば私はオラクルのCD2000というオープントップで完全開放系でCDをプレイできる数少ないトランスポートですが、メカ部の蓋としてアルミ削り出しの重量のあるものが付属しています。この蓋をするときとしないときの音の差がその重量のこともあって蓋をすると若干重くなることと解放感がなくなるのです。そしてエソテリックP-70のVRDSというCDを上下挟み込んでクランプした状態で読み取るトランスポートでは(私の好みではありますが)解放感が薄れ、剛直化したガチガチの音に聞こえます。これはアナログプレーヤーでも同じことでレコードにインシュレーターを載せたり、クランプすると解放感が薄れて聴こえますし、ターンテーブルにバキュームで吸い付ける方式のプレーヤーはVRDS同様剛直化した音に聞こえます。(好きな方にはすみません。私の好みです) そしてCD2000にはオラクル独特のフローティングサスペンションが付いていますが、それでも置台やその材質で音が変わり、ガラスや大理石のような硬いものだと音も硬くなり、木質の柔らかいものだと音もやわらかくなります。これなどジッターでは絶対に説明のつかないことだと思えてなりません。 >前回は、矛盾や誤りを含んだ文章でYoさんを混乱させてしまいすみませんでした。 文章に纏めることは難しいですね。 ・・・とんでもありません。逆にzappa1993さんの一所懸命に説明しようとするところと難しさを感じておられるところが伝わりましたし、私の素人質問にもつながりましたので感謝しています。 |
zappa1993 | 投稿日時: 2012/5/5 9:32 |
長老 登録日: 2011/3/17 居住地: 投稿: 1916 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか Yoさん
おはようございます zappa1993です。 早速のお返事ありがとうございます。 私も素人の様なものですから一緒にお考えいただき感謝しています。 仰るように、理屈だけでは片付けられないことや、一部の知識だけで全てを判断できないことも多く、理解することが難しいですね。 >・・・私もこの文章を書いた後で「こんな簡単ではないぞ!」と薄々わかってきておりましたが、zappa1993さんのお返事を楽しみに書き直しをしませんでした。・・・すみません(笑)。でもお答えで「バイナリー一致」の難しさがおぼろげながらわかった気がします。後述のデジタル出力機器のアナログ機器的音質変化を含めて「エラーコレクト」「ジッター」の2つの大問題以外にも第3、第4の問題点が今後発掘されるような気がしてなりません。 私もそのように思います。 ジッターに関してはCDが出た時から言われていましたし、今ではデジタル機器が必ずこれの影響を受けているのは周知の事実です。 次は、どこでジッターが発生し、そのジッターがデジタルデータのどの段階にまで影響を及ぼすかという事がわかると、この問題に関しては対策の出口が見えてくる気がします。 >・・・へぇ〜、ここまでするのか?という驚きと同時にここまでしても「バイナリー一致」に至らない(D/A変換後の音に違いが出る)ことに驚きます。やはり「真の一致」を見極める何かが足りないとしか思えないですね。 そうですね。 デジタルデータ的にはCDとネットのデータベース共にバイナリ一致しながら、再生音が違うデータはいくらでも作れます。 例えばリッピングするパソコンの電源ケーブルを変えるだけでも作成されたリッピングデータの音は変わりますし、USBケーブル、コンセント等の物理的変化だけではなく、時間帯による変化もあります。もちろんすべて同じバイナリ一致のデータです。 次に再生時の変化をみますと、同じリッピングデータを再生するのに、上記と同じような物理的、非物理的な違いによる再生音の違いを感じ取ることが出来ます。 (これが存在するから各メーカーがオーディオ用のケーブル等を販売しているわけですが) 繰り返しになりますが、バイナリ一致とは単なるデータの並びをチェックサムで照合できたというだけで、それは一つの側面でしかないという事です。 これは例え話で屁理屈だという方もおられると思いますが、例えばデータに色があったとすると、全て黒色のデータと全て赤色のデータでデータの配列が同じと言うだけで同じデータと言えるか。 或いは、全く同じ黒のデータであったとしても、一方は真っ直ぐ並んでいるのに対し、もう一方はジグザグに並んでいる。一方は丸い容器に入っているのにもう一方は四角い容器に入っている等々 書き出すと切がありません。 実際にはデジタルデータは1次元の世界ですので、この様な違いは起こり得ませんがバイナリ一致以外の相違点があるかもしれないと考えを巡らす必要はあると思います。 >トランスポートの音の違いについてはやはりジッターだけでは説明が難しいですね。セッティングや使い方の違いがアナログ機器的音の変化をもたらすことの説明はデジタル信号の変化にどうつながるのか疑問は深まるばかりです。 例えば私はオラクルのCD2000というオープントップで完全開放系でCDをプレイできる数少ないトランスポートですが、メカ部の蓋としてアルミ削り出しの重量のあるものが付属しています。この蓋をするときとしないときの音の差がその重量のこともあって蓋をすると若干重くなることと解放感がなくなるのです。そしてエソテリックP-70のVRDSというCDを上下挟み込んでクランプした状態で読み取るトランスポートでは(私の好みではありますが)解放感が薄れ、剛直化したガチガチの音に聞こえます。これはアナログプレーヤーでも同じことでレコードにインシュレーターを載せたり、クランプすると解放感が薄れて聴こえますし、ターンテーブルにバキュームで吸い付ける方式のプレーヤーはVRDS同様剛直化した音に聞こえます。(好きな方にはすみません。私の好みです) そしてCD2000にはオラクル独特のフローティングサスペンションが付いていますが、それでも置台やその材質で音が変わり、ガラスや大理石のような硬いものだと音も硬くなり、木質の柔らかいものだと音もやわらかくなります。これなどジッターでは絶対に説明のつかないことだと思えてなりません。 「蓋をすると開放感がなくなる」「硬い素材だと硬い音になり、柔らかい素材だと柔らかい音になる」これらは、人間のイメージ通りであることが分かります。 それならば単なる思い込みや錯覚かと言われれば、決してそうではないことはオーディオファンならお分かりいただける筈です。 これらの違いは目隠しをしても聴き取れますし、経験豊かな方ならその素材を言い当てることすらできると思います。 振動によるジッターは存在しますので、ジッターが多い → 時間軸のズレが多く不明瞭な音になる ジッターが少ない → 時間軸のズレが少ないので輪郭がはっきりした音になる と言った違いは出てくると思われます。 これが素材や形状、重量その他様々な要因によって発生するジッターの量に影響を与え、音の変化につながっているという考えも成り立ちますが、実際のところはどうなのでしょうか。 認識されていないジッターがあるという事も考えられますし、Yoさんが仰るようにジッター以外に別の要因が存在するとも考えられます。 |
Yo | 投稿日時: 2012/5/5 17:56 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: リッピングファイルを如何に高音質で作成するか zappa1993さん、お返事ありがとうございます。
そしてデジタル素人の私の意見に付きあわせて申し訳なく思います。 特に、アナログ回路を持つCDPならともかくデジタル信号送り出し機器でアナログ機器のような音質劣化(変化)をもたらす信号を送り出すことに関してはパルス信号の周波数の揺らぎ(ジッター)の事だけでは納得は難しく、zappa1993さんにご迷惑をかけていることと存じます。 この上は私も少しはデジタルのことを勉強してからと思います。そして今回のzappa1993さんのお返事の中で最も心に残った一文があります。それはトランスポートの置台の材質に関して「経験豊かな方ならその素材を言い当てることすらできると思います。」の文章です。確かに自分で問題提起しておきながらそこまで思い至らなかったのですが、確かに択一問題としてなら材質を言い当てることは可能かなと思える変化は自身でも経験しています。要するに材質の固有振動数がデジタルデータに乗ってくる(変調?)させる可能性とその理屈、またはデジタルグライコの方法論(特定の周波数を増減させること)とデータとしてのバイナリー一致の問題・・・これが分かれば少しはこの問題の理解に近づけるのでは?と思います。如何でしょうか? それはそうと、ここまでお話を伺っているとリッピングの難しさが身に染みてまいました。やはり第一段階のディスク読み取りのところで変化し、音のグレードだけでなく音質、音の傾向にもかかわるとなればその一歩が踏み出しにくくなりますね。 一つだけド素人質問で恐縮ですが、「気に入っているトランスポートでリッピングデータを読み込みできる方法やソフトはあるのでしょうか?」・・・すみません。 |
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