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     インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
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投稿者 スレッド
zappa1993
投稿日時: 2012/7/18 2:00
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん

こんばんは
ご解説ありがとうございます。

私の説明が不十分なのと誤解を与えるような図解で申し訳ございませんでした。
順番に私の誤りの訂正と補足説明をさせていただきます。


>そこでまず私の図に書き込んでいただいたところで一つ間違いがあります。それは元の私の書き方がいけなかったので誤解をされたと思いますが、インサイドフォースは決してレコードセンターに向かないということです。

これは私が誤解をしていました。
今回掲載していただいた図を見て、インサイドフォースもインサイドフォースキャンセラーもアームの同心円状に同じ角度で働くことが理解できました。
これは内周でも外周でも同じで、インサイドフォースとインサイドフォースキャンセラーとして働く力との角度も変化しないと理解してよろしいでしょうか。

オフセットアングルの件は、私が書いた図の?や?の様な角度調整ができるものと誤解していました。
既に基準となるオフセットアングルが決まっており、そこからの微調整のみ可能ということですね。
それなら私が書いた、オフセットアングルの角度によってカンチレバーとインサイドフォースキャンセラーとして働く力とに角度差が生じると言うのは、実際には微々たる角度差だと言うことになりますので、この考えは誤っていることになります。

>その前に側面図でご指摘の下方向への力は理解できません。もしインサイドフォースとキャンセラーの方向にずれがあるので後方にその合力が発生すると言う事でしたら(これも同じ針にかかる力としての場合ですが)針と溝との摩擦力と反対方向の力となるので若干相殺されるだけかと思いますが如何でしょう?決して下方に向くものでは無いと思います。

これは私の図が書き方が悪くYoさんに誤解を与えてしまいました。
黄色い矢印は、上から見た図の青色の矢印を横から見た図として書いたもので、カートリッジを手前に引っ張るのと、手前よりやや後方に引っ張るのとを分かりやすいように書いたつもりでしたが、逆に分かり辛い図になってしまいました。
下方向(重力の方向)への力ではございません。

>アームメーカーのキャンセラーの設定は針圧をもとに設定するようになっています。これに関しては私の初文に書きましたが「溝の状態、針の形状状態、外周と内周など種々の条件で刻一刻変化しているので針圧だけでの設定は無理がある」と書いたのですがダメでしょうか?

最初に書かれた内容の通りだと思います。
オフセットアングルが直接関係ないなら、お書きいただいたような変化する針圧と固定値のインサイドフォースキャンセラーの関係が重要だと思います。

>何が適しているかはお使いになる方のキャンセラーの機能の重要度に任せる以外ないのです。ただ少なくともメーカーの設定値を超えない方が良いですよ・・・というのが私の提言なんです。

これもYoさんの仰りたいことは十分理解しているつもりでしたが、折角のYoさんの提言を湾曲してしまいすみませんでした。

>ダンパーの回転・・・もう少し説明をしてください。理解が難しいです。

これも説明が悪くてすみません。
下図の左のように、ダンパー部分で「折れ曲がる」のではなく、右のように「回転する」のではないかと思ったのです。
何故なら、インサイドフォースとインサイドフォースキャンセラーの力の方向が直線状にないと仮定すると、力のバランスが合っていない状態だとダンパーを支点に回転する力が生まれるように思えたからです。
しかし実際には、前にYoさんに教えていただいたように、針は溝の中にある為横には動かないので回転は生じないような気がします。
次にインサイドフォースは針先にかかる力で、インサイドフォースキャンセラーはダンパーを支点として針先にかかる力だと考えると、針先は溝の中で移動しないためダンパーだけにアームの同心円上を移動する力が働きこれがダンパーを支点としてカンチレバーが回転する原因のように思いました。

※また理解しがたいことを書いてしまったかもしれません。
言葉で表すのは難しいですね。


(ダンパー部分の矢印は支点と言う意味で、力を表したものではありません)

針が曲がるという現象を、私が勝手にカンチレバーが折れ曲がった状態と解釈していたからこのような疑問を持っただけで、もともとダンパーを軸にカンチレバーが回転した状態のことを書かれていたのでしたら、話をややこしくしてしまっただけかもしれません。

今回は訂正ばかりになりすみませんでした。
やはり資料もなしに頭の中だけで考えると誤りが多いですね。

ストレートアームの解説ありがとうございました。
アナログは趣味性が高い反面、勉強しなければいけないことも多いですね。
その分やり甲斐があると思いますので、将来アナログを始めるときはじっくりと腰を据えて取り組みたいと思います。



Yo
投稿日時: 2012/7/17 19:59
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
zappa1993さん

またまた熱の入った書き込み有難うございます。
ただ今回の書き込みの論理はとても難解である事と多少の誤解もあるようなので私なりの返事をさせて頂きます。zappa1993さんの思いとすれ違った返事になるかも知れませんがお許しを・・・。

まずインサイドフォースとキャンセラーの力の方向が直線状に並ばずに角度が付くと言うご指摘は面白いですね。私もそこまで考えていませんでしたのでそれがどのような問題を引き起こすか厳密に考えて見ました。
そこでまず私の図に書き込んでいただいたところで一つ間違いがあります。それは元の私の書き方がいけなかったので誤解をされたと思いますが、インサイドフォースは決してレコードセンターに向かないということです。下記にインサイドフォースの方向を正確に作図した図を乗せます。


この図はLINNのECOSアームのデータを元に書きました。確かにアーム軸と針を結んだ直線とインサイドフォースの角度は77度強となって直角にはならないのでズレは存在します。この角度は簡単に計算できます。1/2(180-25.3)ということです。つまり針の溝との摩擦力と針の軸方向への向心力は同じ大きさなのでインサイドフォースの方向はその2つの力の中間方向となるからです。
ただここでキャンセラーの力の方向と直線状にならないとのご指摘は、元々「力のかかる場所が違うのでキャンセルしていない」との私の初文やzappa1993さんが図解入りでご指摘頂いた「高さも違う」と言う事と兼ね合わせて考えた場合、この12.6度(90-77.4)の角度差が生む複雑な合力がどれくらいの意味を持つか私には分かりません。

そこで新たに書いて頂いた?と?の図ですが、「オフセットアングルの大きい小さい」と言うのが良く分かりません。もし私のKさんへの返事で「オフセットアングルの調整」という一文をご覧になって「自分で変えれる」と理解されたならそれは誤解です。あくまで1度以下の微調整(カートリッジ取り付け穴のガタの範囲)の事で自由は効きません。そもそもアームの設計はオフセットアングルありきではなく、有効長とオーバーハングを設定する事で針と溝(の接線)との角度が安定することから、それにあわせたオフセットアングルが必然的に出てくるのです。このECOSの図を見ていただいてLINNではオフセットアングルの表記がありません。ですがこの図から最低と最大の間の適当な角度(たぶん23.5度辺りかと思います)が設定されていると思います。ですから?のようなストレートアームは出来ません。ストレートアームに関してはせっかく書いて頂いたのでその問題点を下記に示します。
その前に側面図でご指摘の下方向への力は理解できません。もしインサイドフォースとキャンセラーの方向にずれがあるので後方にその合力が発生すると言う事でしたら(これも同じ針にかかる力としての場合ですが)針と溝との摩擦力と反対方向の力となるので若干相殺されるだけかと思いますが如何でしょう?決して下方に向くものでは無いと思います。

下記の3枚の図はECOSの実行長にあわせてオフセットアングルをゼロにした場合の作図です。?は最内周でトラッキングエラーをゼロとした場合で最外周では15度近いエラーが発生します。そしてその角度でインサイドフォースが発生します。?は最外周でエラーをゼロにした場合で最内周ではエラーアングルは40度を越えて使い物になりません。?は中間周でエラーをゼロにした場合ですがこれも最内周で15度近いエラーが発生します。そして外周ではインサイドフォース、内周ではアウトサイドフォースが発生します。実行長を長くしたり、支点の設定をベストポイントにしてもトラッキングエラーアングルは10度程度は残ると思います。ストレートアームは以前江川三郎氏が提唱された事があるのですが、トラッキングエラーアングルが大きく残ると共にインサイド(アウトサイド)フォースは残るので私としては使い物になるとは思えません。



>以上の2点を総合して考えると、インサイドフォースキャンセラーの数値はオフセットアングルと針圧との関係の中で割り出す必要があり、一概にメーカーの規定値を用いるべきではないと言うことです。

アームメーカーのキャンセラーの設定は針圧をもとに設定するようになっています。これに関しては私の初文に書きましたが「溝の状態、針の形状状態、外周と内周など種々の条件で刻一刻変化しているので針圧だけでの設定は無理がある」と書いたのですがダメでしょうか?

>規定値が最も適している場合もあれば、規定値の半分程度の方が良い場合があるというのはそういうことではないでしょうか。

何が適しているかはお使いになる方のキャンセラーの機能の重要度に任せる以外ないのです。ただ少なくともメーカーの設定値を超えない方が良いですよ・・・というのが私の提言なんです。

>もしこれがダンパー部分での回転であれば、先ほどの図の左側(?)の方がこの回転が起こり易いはずですので、オフセットアングルの角度が大きい方がカンチレバーが曲がり易いという結論になるかもしれません。

ダンパーの回転・・・もう少し説明をしてください。理解が難しいです。

今回はzappa1993さんのお書きになっていることが良く分かりませんでした。申し訳ありません。
ケミ
投稿日時: 2012/7/17 17:23
長老
登録日: 2008/2/17
居住地:
投稿: 851
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん、zappa1993さん、こんにちは。ライラTitanの特注品の修理は大変痛いものでした。ただし、新しい方式に変更して修理していただいため、以前よりも安定感を持ってレコード再生できていると感じます。

私はカンチレバーが内週側に曲がってしまったのに気づいて、クリーニングの際に内側に押し込んでしまったのだろうと思っていました。しかし、自身のルーティーンを振り返ると、前後にクリーニングはしても左右にはクリーニングしていないと思います。そして、そのくらいの力ではカンチレバーは曲がることはありません。

したがって、Yoさん、zappa1993さんが解説してくださったように、インサイドフォースとインサイドフォースキャンセラーによってカンチレバー自身が曲がったのではなく、カンチレバーが腐食したバンパー部分を支点に内側へと回転させられたと見るのが妥当ではないかと思います(実際に内部を見たわけではありませんが・・・)。これからはこの点を頭に置き、インサイドフォースキャンセラーを調整し、最も効果の高い点を検証してみます。

アナログの場合さまざまな調整ポイントが存在するため、大変な部分はありますが、その分魅力も大きいと感じます。再生する側の機材、再生されるレコードにも大いなる可能性があり、この喜びをぜひ共有できたらと思います。時間をやりくりしてその機会を持つことができるように今をさらにしっかりと過ごしていこうと思います。

Yo
投稿日時: 2012/7/16 15:26
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
ケミ さん

ご投稿有難うございます。
ケミさんの別スレッドのご投稿を勝手に使わせて頂いた事、再度深謝いたします。
このキャンセラーについてはその実体とその効果と併せ持つ危険性を誰も言わないことに問題を感じておりました。ケミさんのライラTitanでましてや特注品となれば高級プレーヤーが買える価格でしょうから湿式クリーナーの使いすぎがあったにせよ大損失だと思います。私の提言はまだ「可能性」の段階かもしれませんが、「やりすぎは危険」である事は間違い無いと思います。アームの指定値以下で使われる事を心に留め置いて頂ければ書かせていただいた甲斐があります。
アナログはこんなビニルの波打った溝から素晴らしく実体感のある音が取り出せる不思議さと共にカートリッジなどの機材の組み合わせで質感まで調整できる素晴らしい音楽趣味だと思っています。
またいずれケミさんとも音楽体験を共有できる時があるかも知れませんが、その時はよろしくお願いいたします。

zappa1993さん、ケミさんへの返事を書こうとしたらまた新しく投稿いただいてますね。じっくり読ませていただいて返事します。
zappa1993
投稿日時: 2012/7/16 13:03
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
皆さん

こんにちは
zappa1993です。

インサイドフォースキャンセラーが何かも知らず、アナログプレーヤーの色々な調整機構の仕組みも分からないまま書き込みをさせていただいたのですが、Yoさんの説明や皆さんの体験談等を拝見させていただき、インサイドフォースキャンセラーというものの必要性や効果について概ね理解できました。

インサイドフォースキャンセラーが構造上、カンチレバーを曲げる要素を含んでいることは間違いないと思います(私なりに何度も繰り返し考えてみました)
実際にカンチレバーを曲げてしまった方がいる反面、曲げたことが無い方もいると言うことは、問題はインサイドフォースキャンセラーの数値のみにあるのではなく、他の要因との因果関係の中にヒントがあるように思いました。

ここからは、私の想像です。
理解が足りず、誤りがあればご指摘ください。





先にYoさんが掲載された画像を利用させていただきます。
図中のAとBの合力がインサイドフォースであると言うことは、この力は赤の矢印で表せます。
次に、この力を相殺するためには黄色の矢印の方向に同じ大きさの力を加えるのが一番自然な形になります。
しかし実際にはアームが支点で固定されている以上、黄色の矢印の方向には力は働かず、アームの支点からの円周上に力が向かいます。
これを青色の矢印で表しました。
つまり、インサイドフォースとインサイドフォースキャンセラーは直線状に並ばないと言うことです。

これをカートリッジとカンチレバーに当てはめたのが次の図です。
(上から見た図として書きました。カートリッジからカンチレバーが飛び出しているように書きましたが、これは分かり易いように書いただけで、実際にはカートリッジの下にあるものとお考えください)





左側が、オフセットアングルの角度が大きい場合で、インサイドフォースキャンセラー(青い矢印)はカンチレバーの向きに対し鈍角に働きます。
これに対し、右側のオフセットアングルの角度が小さい場合は、インサイドフォースキャンセラーはカンチレバーの向きに対し90度に近い角度で働くことになります。
側面から見るとカートリッジを真横に引っ張るのと、やや後方に引っ張る違いがお分かりいただけると思います。

もう一つ要因として考えられるのは、針圧です。
インサイドフォースが針と溝との摩擦に関係があるならば、この摩擦力の大小に大きくかかわる針圧如何でインサイドフォースの大きさが変わるように思います。
そして、これはインサイドフォースキャンセラーでも同様で、青い矢印の力は針圧に左右される つまりインサイドフォースキャンセラーとして同じ力を加えても実際にカートリッジに掛る力は針圧により変わるのではないでしょうか。

以上の2点を総合して考えると、インサイドフォースキャンセラーの数値はオフセットアングルと針圧との関係の中で割り出す必要があり、一概にメーカーの規定値を用いるべきではないと言うことです。
勿論、オフセットアングルや針圧にもメーカーの規定値があり、インサイドフォースキャンセラーもこれらの規定値を前提に考えられていると思いますが、そこはユーザーの自由度の高いアナログの事ですから、使用部品や設定値等は人様々で一概にメーカーの規定値が当てはまるものでもありません。
規定値が最も適している場合もあれば、規定値の半分程度の方が良い場合があるというのはそういうことではないでしょうか。


最後にもう一つ、カンチレバーが曲がるという話を聞いて、レバー部分がダンパーから横に曲がっている風に想像していたのですが、ケミさんが掲載された写真を拝見させていただくと、曲がったというよりは、ダンパー部分で回転している様にも見えます。
もしこれがダンパー部分での回転であれば、先ほどの図の左側(?)の方がこの回転が起こり易いはずですので、オフセットアングルの角度が大きい方がカンチレバーが曲がり易いという結論になるかもしれません。
私は右側(?)の状態がカンチレバーを曲げる原因だと考えていたので、正直よく分からなくなりました。
それと、オフセットアングル・針圧共に調整幅があると言っても、そんなに大きなレンジは無いと思いますので、その中で図式したような大きな違いが生じるかどうかも私にはわかりません。

不十分な解釈のままの書き込みで申し訳ございませんが、私が考えたことを書かせていただきました。

ケミ
投稿日時: 2012/7/15 16:11
長老
登録日: 2008/2/17
居住地:
投稿: 851
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん、こんにちは。ケミといいます。たいへん興味深い提言にレスしたかったのですが、春から気の抜けない仕事が重なり、精神的に余裕がなくこんな時期になってしまいました。

私は学生時代にCDが出現したため、アナログプレーヤーは本当に簡易的なものしか使用せず、インサイドフォースキャンセラーについてはまったく知識も経験もありませんでした。そんな私が数年前にアナログの魅力を知りどっぷりとはまり、経験のなさから湿式の針クリーナーの液の付け過ぎでダンパー部分を腐食させカンチレバーを曲げてしまいました。



今から思うとYoさんの提言と合致しているようで、インサイドフォースキャンセラーの調整も強すぎた感もあり、そのため写真のように大きく内側に曲がってしまったようです。

アナログによる音楽の世界を楽しむとともに、インサイドフォースキャンセラーの調整等、時間的にも精神的にも余裕をつくってチャレンジしてみたいと思います。

Yo
投稿日時: 2012/7/10 16:03
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Kさん

追伸です。
昨夜の私の書き込みで「キャンセラーの調整で音が変化して聴こえるのはそれ以外の調整の所為」と読めるような書き方と気付きました。そんなつもりは一切なくて「私の調整で私の好みの音にすると私の耳には問題なく聴こえる」と言うだけでKさんや皆さんには「いや、そんな事はない。問題はあるよ!」と言われるかも知れません。人にはそれぞれ好みやこだわりがあることは十分心得ておりますので個人的な見解とお読み下さい。・・・失礼しました。
Yo
投稿日時: 2012/7/10 1:43
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Kさん

ご丁寧な書き込み有難うございます。

Kさんがキャンセラーを音質調整に有用であると考えておられる事は以前から知っておりましたので、このスレッドの立ち上げには躊躇と緊張をいたしました。それでも書き込もうと思い立ったのは実は前段があるのです。Kさんもご存知のあるレコード店店主がレコードを聴く会で「あるメーカーのPLとアームでメーカー指定値が1.5gの所を徐々にキャンセラーの値を増して行ったら1.8gで音の焦点が決まって良い音になった」と話し始めたのです。私は当然「それは危険です」と申してその場は気まずくなりました。その後日談も有るのですがそれは置いておいて、その時思ったのが「キャンセラーを音質調整に使う人はメーカーの指定値を越えて使うんだ」と言う事でした。それでキャンセラーの実情は伝えた方が良いと思ったわけです。しかしこのお返事でアームの指定値より低めでベストポジションがあるとの事ですので指定値を越えずにお使いとの事で少し安心いたしました。

さてここでKさんの書き込みの論点は2つ有ると思います。
一つは
>次にインサイドフォースキャンセラーのかけ過ぎによってカンチレバーが曲がってしまうかどうかについてですが、これは経験がないので何とも言えません。

・・・との事ですが、実の所私も曲げた事は無いのです。というか昔からこのキャンセラーには感覚的に疑問を持っていましたので指定値よりは小さくかけていました。その後力学的に考えてもやはりおかしいとの自分なりの結論に至った後のことは前文のとおりです。キャンセラーの力や方向から言ってもカンチレバーに負担がかかり、その方向と針の左曲がりとは無関係とは言いがたいとの思いから「警鐘」として書かせていただいたつもりです。

もう一つは
>最後にインサイドフォースキャンセラーは音質に有効なのか、それとも害はあっても効果はないのかと事で言えば、私はそれなりの効果はあると思います。

これに関しては私も有害無益なものとは申しておりません。「カートリッジの不要な振動を抑える効果」と「厳密な意味でキャンセルはしていないが針がインサイドフォースによって内側の溝壁(左チャンネル)に押し付けられるのを緩和する効果」・・・は有ると申しております。
そこで「音質への効果」の件ですが、言葉の問題かもしれませんがそれを「トレースの安定性への効果」と「音の質感への効果」を分けさせて頂きたく存じます。それは私自身がアームの調整をした後にキャンセラーの値(0〜指定値)を振っても耳がタコなのかも知れませんが「音の質感への効果」は感じないのです。Kさんがおっしゃる「帯域バランス」の変化はこの効果に入ると思いますが私は感じません。「トレースの安定性への効果」は感じる時がありますが指定値の半分程度で不安定だった事はありません。Kさんの仰った「45回転での右チャンネルの歪み感」などは周速が早い分、針が引っ張られる力(摩擦力)が高いのでインサイドフォースも大きくなるのでその例かと思いますし「定位感」にしてもちゃんと設定してあれば左右の音量変化があるとは思えないので右チャンネルの不安定さの問題であろうと思います。

ここで私の調整方法を申しますと、まず針圧は推奨値、キャンセラーは半分程度、アームの高さは水平もしくはわずかに頭下がりで、有効長(時としてアームの設計の有効長が狂って取り付けられてあるPLもあります)、オーバーハング、そしてカートリッジ取り付けの穴が長穴である程度調整可能な場合は傾き(オフセットアングル)の3点の調整を徹底してやります。これでほぼトレースの安定性(音の実在感)を調整は出来ると思っています。その後針圧の調整(私の場合大抵は推奨値の下限となる場合が多いです)そして最後にアームの高さで帯域バランスを調整します。オルトフォンの旧タイプアームのようにキャンセラーのないタイプでも有効長、オーバーハングの微調整を徹底してやる事でトレースに不安定さはほぼ感じない程度まで追い込めると思っています。私のオルトフォンSynergyを付けたRMG212で試しに45回転LPを聴いてみましたが右チャンネルに不安定さは感じませんでした。

>それ以上に大切なのはアナログプレーヤー自体の平行であり、アームの傾きを無くすラテラル調整であるのは言うまでもありませんし、それらの調整の方がインサイドフォースキャンセラーの調整よりも音質的な影響も遥かに大きいとは思います。

仰る通りですね。かつて私もいろいろ試したことがあります。わずかにすり鉢状に中央が窪んだアルミのターンテーブルシートにクランプするスタビライザーを使ってレコードを押さえつけ針がトレースする面を水平に調整したり、インサイドフォースキャンセラーを嫌ってその代わりに針がトレースする面に勾配をつけてワンポイントアームでラテラルバランスも同様に傾けて引力によるアウトサイドフォースをつけて聴いたりしましたがいずれも良い音にはなりませんでした。・・・懐かしいです(笑)。

最後にレコード外周と内周での差を述べられていますが、トレースに関してその差は感じたことはありません。前述のSME Series Vのトレース図を見て頂ければわかると思いますが針とアーム支点を結ぶ線と接線のアングル(角度)は最外周で最も大きく内周に針が進むにつれて小さくなって中央あたりで最低になり、そこからまた大きくなって最内周で最外周に近い値となります。これは何種類ものアームデータを元にCADで書いて角度を求めた経験上すべてこのような設定になっています。つまりオフセットアングルはこの最大と最少の中間で設定しますのでトラッキングエラーアングルは最外周でプラス、中央でマイナスそして最内周で再びプラスとなります。よって針と溝との関係は最内周では最外周と同じような状態になります。只、周速は最内周では最外周の半分以下となりますので溝の状態が同じであれば針を引っ張る力は半分以下となりますのでインサイドフォースも最内周で最少となります。キャンセラーを強くかけると最内周でかけ過ぎとなる可能性はあります。古いレコードで内周で音が歪むものがありますが、これはかつてのオーナーがトラッキングの悪い針でトレースした為に溝を傷つけたと考えます。

余計なこともいろいろ書きましたが、皆様のアナログ設定の一助になればありがたいです。
管理人K
投稿日時: 2012/7/8 22:20
管理人
登録日: 2007/12/10
居住地:
投稿: 1907
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
Yoさん、zappa1993さん、こんばんは。

図解付きの判り易いご投稿を頂きまして感謝申し上げます。

以下、あくまでも個人的な意見を述べさせて頂きます。

まず、インサイドフォースキャンセラーの値を針圧の値に合わせるというのは以前から疑問に思ってました。
その理由は単純で、実際にインサイドフォースキャンセラーの値を針圧の値に合わせてベストな音質になった事がないからです。
故に私はこれまでインサイドフォースキャンセラーの値はゼロに近い状態から徐々にかけて行きベストと思われる箇所で設定していました。
また、レコードにおけるインサイドフォースキャンセラーの調整位置はレコードの外周部と内周部で変わるので平均的にベストと思われる箇所に設定していました。
尚、そのベストと思われるインサイドフォースキャンセラーの値はアームやカートリッジによって様々でした。

次にインサイドフォースキャンセラーのかけ過ぎによってカンチレバーが曲がってしまうかどうかについてですが、これは経験がないので何とも言えません。
私が設定してきた値は平均して針圧の値よりも若干低めだった事が多いのですが、私の環境においてカンチレバーが曲がってしまった事はありませんでした。
ケミさんの場合は湿式の針クリーナーの液の付け過ぎでダンパー部分などが腐食してしまったのがカンチレバーが曲がってしまった最大の原因だったようですが、曲がり方を観ると確かにYoさんの主張通りなのかなという気もします。
しかし、その後ケミさんは同じインサイドフォースキャンセラーの値で使用していて曲がってはいないのでこれも断言は出来ません。

この掲示板でも名前が出て来る某JAZZ喫茶などはSMEのトーンアームのインサイドフォースキャンセラーの独自の調整法で神格化されたほどです。
その調整法とはSMEのインサイドフォースキャンセラーの糸を引っ掛ける溝が大まかなので自身でより細かい溝を掘って音質を調整するというものでしたが、確かに理解出来なくはありませんでした。
その理由はインサイドフォースキャンセラーの値で意外なほど大きく音質が変化するからです。
これは気のせいではないと思います。

最後にインサイドフォースキャンセラーは音質に有効なのか、それとも害はあっても効果はないのかと事で言えば、私はそれなりの効果はあると思います。
何故ならインサイドフォースキャンセラーの値がゼロの場合、45回転の12インチシングルなどカッティングレベルの大きなレコードでは片チャンネル(確か右チャンネル)が歪んで聴こえるからです。
この歪みはインサイドフォースキャンセラーの値を徐々に増やす事によって無くなりましたので、針先の音溝に対しての圧力を均等にする効果は少なからずあるように思いました。

その歪みの他、インサイドフォースキャンセラーの調整によって音像定位や帯域バランスなども変わったように感じる事が多いのですが、それ以上に大切なのはアナログプレーヤー自体の平行であり、アームの傾きを無くすラテラル調整であるのは言うまでもありませんし、それらの調整の方がインサイドフォースキャンセラーの調整よりも音質的な影響も遥かに大きいとは思います。

アナログレコードしかない時代でしたら、実際にカンチレバーにかかる圧力などの検証も行なわれたのかもしれませんが、今の時代では難しいのでしょうかね?
ぜひ事実を検証して欲しいものです。
Yo
投稿日時: 2012/7/1 22:45
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない
zappa1993さん
こちらこそありがとうございました。
ご質問のおかげでほぼ書きたい事も書けましたし、私自身も熟考させて頂いた面もあり第一文の改正をすることも出来ました。感謝しています。

アナログはこのオフセットアングルやキャンセラー、そしてダンパー以外にも必要悪はいろいろ存在します。ある意味「アナログは必要悪のバランスで成り立っている」と言っても過言ではないと思っています。今回のインサイドフォースキャンセラーの話は以前から「おかしい」と思っていたのですが針が傾いたカートリッジを見たり、友人の経験談を聞いて「危険」と感じるようになりました。特に近年の設計の高級カートリッジで傾いた事例を見るにつけ、音質重視の設計ではそれほど強力なダンパーを付けないからかと思うようになりました。このアコリバの掲示板でもキャンセラーの調整が音質調整に有用と仰る方もあるようなので「やり過ぎは良くないですよ」の意味を込めて書かせて頂きました。

>素人目に見ても、インサイドフォースキャンセラーにカンチレバーを傾ける危険な要素が含まれているのが分かりますが、専門家等で指摘する人はいないのでしょうか?

メーカーの人や専門家が出てきてほしいのですが、まず無視するでしょう。基本的には反論できないと思いますしメーカーにとっては「設定値で使う限り針は曲らない」と保証せよと言われても困るでしょう。評論家などはおかしいと思ってもメーカーの悪口は書けないし、音質評価でとっかえひっかえして音を聞くだけの評論家がそこまで技術的な事を考えている人も無いように思います。
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