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     ハイレゾ音源について思う事
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投稿者 スレッド
zappa1993
投稿日時: 2012/9/16 15:08
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
ハイレゾ音源について思う事
皆さん

こんにちは
zappa1993です。

ダウンロード音源配信サイト大手のHDtracksが、日本からのDLに制限をかけるようになってからハイレゾ音源の話題も少し下火になってきました。
もっとも、配信サイトの数は増えているようですし、DSD音源という新たなフォーマットのDLも可能になったのは良いのですが、一番大事な魅力的な音源が少ないことがネックのように思います。
もう一つは、ハイレゾ音源の音はCDと比べて別次元だとのオーバーな表現が目立ち、実際にDLしてみたもののそれ程大きな違いを感じないというのもあるかもしれません。
実際に私もアルバム数十枚分のハイレゾ音源をDLして聴きましたが、圧倒的に素晴らしいと思えるものはそれ程ありませんでした。
私の場合はCDからのリッピング音源との比較ですので、CDとハイレゾ音源との比較とは少し事情が違いますが、どちらかと言えば一般的に言われるCDに対するリッピング音源の優位性に近いものがハイレゾ音源にあるように思います。
これはリッピング環境によっても変わりますので一概には言えませんが、少なくとも私の環境では、リッピング音源とハイレゾ音源にそれ程の差は感じられず(控えめな表現です)、リッピング音源の方が良いものもあります。

この理由を考えてみますと、真っ先に思い当たるのが、果たしてハイレゾ音源のソースは何なのか?と言うことです。
ハイレゾというのは単なるフォーマットの事で、CDの16bit/44.1kHzに対してハイレゾリューション(24bit/96kHzや24bit/192kHz等)であると言うだけで、ソースの音質の良し悪しとは別問題です。
オリジナルマスターから新たにAD変換したのか、過去のCD化に際してAD変換されたものをダウンコンバートせずに用いているのか、最近流行のリミックスやリマスターの際に新たに作成した音源なのか、中にはアップコンバートしただけなんて言うのもあるかもしれません。
それに、その音源がマスターに近いものなのか、何度もデジタルコピーされたものかによっても音質は大きく変わってくると思います。
(配信サイトの多くは自社でマスター音源を所有しているわけではなく、大手のレーベルからコピーを買っているにすぎません)
リッピングするCDの方がマスターに近いということがあるかもしれませんし、特に有名な盤ですと過去に何度もリマスター作業が行われており、一体どの音源を使っているのかも分かりません。
当然、音源が違えばCDとの単純比較もできません。

次に考えられるのは、配信される音源の形式で、WAV(無圧縮)なのかFLAC(可逆圧縮)なのかということです。
FLACはその名の通り圧縮前の状態に戻せる圧縮方法ですが、それでもWAVと聴き比べると音質の変化が感じられます。
また、以外と語られないことですが、FLACには数種類の圧縮度があり、この圧縮度が高いとそれだけ変質が大きくなります。(その分ファイルサイズは小さくなります)
果たして配信されているFLACの圧縮度はどれくらいなのでしょうか?
LINNからDLしたものを見てみますと、大体20%程度の圧縮です。
HDtracksのはものによって違いますが、30~60%もの圧縮です。
CDからのリッピングなら音質の変化を考えるとこれ程の高圧縮にはしません。

最後に、ネットワーク配信という音質劣化が避けられない方法を取っている以上、実際にDLして聴いている音とサーバーにある音源の音に差があるのは容易に想像できます。
これは単にネットワーク配信という性質的なものだけでなく、DLする側のネットワーク環境によるところが大きいと思われます。
(LANケーブルひとつで音が変わることを考えれば当然です)
私の場合は、リッピング環境だけでなく、ネットワーク環境においてもLAN-1.0PAやRLI-1、RLT-1、更にはグリーンカーボランダムを初めとするノイズ対策をきちんと行ったうえで音源をDLしていますので、音質の劣化は非常に少なくなっています。
ハイレゾ音源と言えど、本当に良い音質で楽しみたいと思うならそれ相応の対策を怠ってはいけません。
いま何の対策もなしにDL音源を購入しておられる方は、取り敢えずRLI-1を試してみて下さい。
過去の音源をDLし直したくなること必至です。


さて、ここにきて嬉しいニュースが入ってきました。
アメリカ大手のワーナーミュージックのハイレゾ音源配信が始まったようです。
e-onkyoからの配信ですが、悪しきDRMもありません。
HDtracksではお馴染みの音源も多いですが、現在日本からのDLが不可と言うことですから、ワーナーが持つ多くの音源が今後ハイレゾ配信されることは素直に喜びたいと思います。
しかし、値段がCD並です。
形のない音源にCDと同じ金額を出すかどうかは、その音源の質にかかってきます。
またお金を払って同じタイトルをDLするのかと思うとウンザリしますが、そのうち試してみたいと思います。

長々と書きましたが、ハイレゾ音源を否定しているわけではございません。
私がネットワークオーディオを初めたきっかけも、これらの音源を聴けるということに魅力を感じたからです。
しかし、現状はハイレゾ音源のDLという方法が広まっただけで、優れた音質で音楽を聴ける環境になったのかと言えば必ずしもそうとは言い切れませんし、上記の理由で手放しでハイレゾが良いという風潮にも疑問があります。
かつて(今も)紙ジャケや盤の素材の変更だけで、何度も同じタイトルの再発を繰り返して、音楽の商品化に拍車をかけました。
現状のハイレゾ配信を見ていますと、これの延長線上にしか見えず、そこに良いアルバムを良い音で聴いてほしいという理念がなく、同じタイトルでの金儲けとしか思えません。
私も散々この手の再発に踊らされた口ですから、余計にそう思うのかもしれませんが、近年の音楽業界の商業化の影響がこうした所に表れているようで、何ともやりきれない気持ちです。
音楽はものではない。
最近の若い人にとって音楽が芸術作品ではなく消耗品化しているのは、ネット配信の功罪だと考えるのは私だけではないと思います。

RANZAN
投稿日時: 2012/9/17 10:51
長老
登録日: 2008/2/16
居住地:
投稿: 3266
Re: ハイレゾ音源について思う事
zappa1993さん

こんにちは。
RANZANです。

音楽は芸術、音質優先を!!・・

ネットオーディオでのハイレゾ音源で日々努力されている様子が
目に見えるようで、その拘り、深い追求心に頭が下がります。

おっしゃるように、今後は音楽業界が音楽配信を商品化して、
加速するであろうハイレゾ音源配信においても、あまり商売に
走り過ぎず、音楽は消耗品化ではなく、先代から音楽の音質を
大切に扱ってきた精神を肝に命じ、商売優先ではなく、これからも
芸術品として大事に扱ってほしいものです。

日夜努力されている音質のいいリッピングソフトを、また聴かせて
ください。



ケミ
投稿日時: 2012/9/17 12:54
長老
登録日: 2008/2/17
居住地:
投稿: 851
Re: ハイレゾ音源について思う事
zappa1993さん、こんにちは。ハイレゾ音源についての分析、興味深く読ませていただきました。

私は心揺さぶられるような音楽を自分のリスニングルームで楽しみたいわけで、さまざまなオーディオ機器、アクセサリー、音質改善グッズや音質を改善するための技術をKさんや知り合ったオーディオファイルに刺激をいただいて研究してきました。これは今後も継続され、決して終わることはないと思います。

音楽を自宅で楽しむ際に上記のことと両輪で大切なのが、音楽ソースです。したがて、アナログレコードだろうが、CD・SACDだろうが、ハイレゾ音源であろうが何でもかまいません。

しかし、現時点ではアナログレコードに勝るものはないと私は思います。昨夜もPLEASE PLEASE MEの69年のイエローパーロフォンstereo盤(オリジナル盤ではありません)を聴きましたが、50年前の熱い思いを今に伝えてくれます。今この思いを時を超えて疑似体験できることに感謝です。そして、まだまだ知らない未知のレコードが、過去の音楽が、山のように存在しています。

私もDSD音源に興味をそそられますし、CDをリッピングして自分のシステムで聴き比べてみたいです。この後のハイレゾ音源の成熟と発展を期待しつつ、動向を見守りたいと思います。

zappa1993
投稿日時: 2012/9/18 0:20
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: ハイレゾ音源について思う事
RANZANさん

こんばんは
zappa1993です。

音楽ファンの皆さんに共通する話題ではないのですが、思いつくまま書き込みさせていただきました。

>あまり商売に走り過ぎず、音楽は消耗品化ではなく、先代から音楽の音質を大切に扱ってきた精神を肝に命じ、商売優先ではなく、これからも芸術品として大事に扱ってほしいものです。

仰る通りですね。
音楽がパッケージメディアとして流通する以上、それは商品に他なりません。
私たちも音楽を購入していますし、それが悪いとは思いません。
ただ、音楽は絵画と同じ芸術でありアーティストの作品です。
決して使い捨ての様な扱いだけはしてもらいたくありません。

私は心から音楽が好きです。
販売するものが居なければ音楽を手に入れることが出来ませんので、多くの音楽を聴く機会を与えてくれることには感謝しています。
少し前に発売されたシカゴのライブアルバムの様に、中にはアーティストの作品を本当に大切に扱い、最高の状態で音楽ファンに聴いてほしいという信念が感じられるものもあります。
残念ながら、大手の配信サイトにはこの信念が感じられません。
過去の名演・名盤を聴くとき私たちは、心からその作品に敬意を表しますし、その作品作りに関わった人たちの存在に思いを馳せます。
甘っちょろい考えかもしれませんが、少しでも配信側とそうした意識の共有ができればと思えてなりません。


>日夜努力されている音質のいいリッピングソフトを、また聴かせてください。

RANZANさん宅の新たなオーディオも体験してみたいですし、10月の終わりころにまたお邪魔させて下さい。
嵐山の紅葉にはまだ少し早いですね
zappa1993
投稿日時: 2012/9/18 1:17
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: ハイレゾ音源について思う事
ケミさん

こんばんは
zappa1993です。

レスいただきましてありがとうございます。
最後の方は話がそれてしまいましたが

この掲示板に参加する人たちには、オーディオファンである前に音楽ファンの方が多いように思います。
自分が愛する音楽の理解をもっと深めたい、良い音で楽しみたいという強い思いで皆さんオーディオに取り組んでおられるのではないでしょうか。
だからこそ、音楽の表情を変えてしまうような色付けや偏りを嫌い、音楽の持つ魅力を素直にそして最大限に発揮してくれるアコリバ製品の良さがよく分かるのだと思います。


>音楽を自宅で楽しむ際に上記のことと両輪で大切なのが、音楽ソースです。したがて、アナログレコードだろうが、CD・SACDだろうが、ハイレゾ音源であろうが何でもかまいません。

私も同感です。
他所では「アナログでないとダメ」「SACD聴いたらCDなんて聴けないよ」等の極端な意見を目にしますが、私はそうは思いません。
音を聴いているのではなく、音楽を聴いているのですから、本来フォーマットは何でも構わないはずです。
それでもアナログの良さ、DSD音源の音の良さは理解しているつもりですので、可能なら少しでも良い音・感動できる音で音楽を楽しみたいとは思います。
ネットワークオーディオを始めたのもそういう理由からです。
「SACDじゃないから聴かない」では折角の良い音楽を聴く機会をみすみす逃しているようなものですからね。

>しかし、現時点ではアナログレコードに勝るものはないと私は思います。昨夜もPLEASE PLEASE MEの69年のイエローパーロフォンstereo盤(オリジナル盤ではありません)を聴きましたが、50年前の熱い思いを今に伝えてくれます。今この思いを時を超えて疑似体験できることに感謝です。そして、まだまだ知らない未知のレコードが、過去の音楽が、山のように存在しています。

これも良く理解できます。
何度かYoさん宅で、アナログを浴びるように聴かせていただきましたが、アナログには圧倒的な良さがあり聴く度に引き込まれる凄さがあります。
音楽が息づいているのです。
そして、そのアルバムが録音された当時の空気感までもが再現されるようで、まるでその時代にタイムスリップしたかのような感覚を覚えることもあります。

私たちが聴いたことがある作品なんてホンの一握りです。
これから先どんな優れた作品に出会えるかと思うと、嬉しくて仕方ありません。
そしてそうした作品を残してくれたアーティストに心から感謝するのです。
これらは宝物です。(ソースが何であれ)
だから大切に扱いたい そういう思いが自然と芽生えるのだと思います。

zappa1993
投稿日時: 2012/10/2 20:55
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: ハイレゾ音源について思う事
皆さん

こんばんは
zappa1993です。

ハイレゾ音源のネット配信とは少し離れますが、ブルーレイディスクを使ったハイレゾ音源のパッケージメディア化が発表されています。

http://www.phileweb.com/news/audio/201209/25/12526.html

これはブルーレイディスクにハイレゾデータを収録し、ブルーレイプレーヤーで再生する形で、HDMI端子からの出力になるようです。
そうなると、LINNのDSMシリーズの様にHDMI入力端子のあるプレーヤーとの組み合わせも考えられます。
個人的には、音源はNASに入れて管理をしたいので、ブルーレイにFLACまたはWAVのハイレゾ音源そのものを入れてほしかったのですが、別の情報では圧縮音源を収録することも想定しているとありますので、今後の展開に期待しています。


対するCDメディの方も、ソニーが高音質盤として人気のあるBlu-specCDの進化版Blu-specCD2を発表しました。

http://www.phileweb.com/news/audio/201209/28/12536.html

記事を読む限りでは中々良さそうな気がします。
相変わらずポピュラーミュージック系が高いのが玉に瑕ですが、試す価値はありそうです。

最近のCDPはネットワークオーディオに負けじと、新たな機能を搭載したものも出てきています。
CDのPCMデータをDSDに変換してからアナログ出力するなどの意欲的なモデルも見られます。
CDPに対するネットワークオーディオの優位性がしばらく語られてきましたが、CDの音も新たな領域に入るような予感がします。

zappa1993
投稿日時: 2014/1/25 10:59
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: ハイレゾ音源について思う事
皆さん
おはようございます。

ファイルウェブで以下のような記事を見かけました。
http://www.phileweb.com/interview/article/201401/24/218.html

私は知りませんでしたが、オリジナルマスターがデジタル録音黎明期の音源(16bit/44.1kHz)である場合に、この音源をアップサンプリングとビット拡張しただけでハイレゾ音源として売って良いのか?と疑問視する声があるようです。
記事中には、現在を「ハイレゾ黎明期」という言葉で書かれてありますが、この乱売ぶり(失礼)を見るとハイレゾ音源をダウンロードして聴くというスタイルも一定の市民権を得ているように思います。
私はひねくれ者ですので、当初より「何が何でもハイレゾ」という雑誌記事等には違和感を感じておりまして、ハイレゾリューションはあくまで音源ファイルのフォーマットでしかなく、問題はその音源の品質・出所が大切なのであり、単にハイレゾリューション・フォーマットで配信されているだけの音源を一括りにハイレゾ音源と呼ぶことには強い抵抗がありました。
低迷している音楽業界の起爆剤としてハイレゾ音源に群がっているのは分かりますが、単に利益を得たいがためだけのハイレゾ音源化や再カタログ化では次第に飽きられてくるのは目に見えていますし、ハイレゾ音源ならではの高音質な音源を提供していかないと高いお金を払ってまで購入したいとは思わなくなります。
「問題はその音源の品質・出所」という部分で、アップサンプリングなどでレゾリューションを変えてハイレゾ音源と謳っている低品質のものもあるのでは?と想像していましたが、今まさにそのような点が疑問視されているのですね。

記事中にはビクターのK2HDという技術について「まず理解が必要なのは、「K2HDはアップサンプリング&ビット拡張を行うが単なる無意味なアップサンプリング&ビット拡張ではない」ということだ。」と述べた上で、以降は技術者による詳しい説明になっており、K2HDによるハイレゾリューション化にメリットがあることは分かります。
しかし冒頭に書かれた「既存のデータを形式上アップサンプリング&ビット拡張しただけでは、ハイレゾの恩恵は何も得られない。MP3をFLACに変換したのと同じようなものだ。恩恵がないどころか、音質はそのままなのに容量は増えて値段は釣り上げられて、悪いことしかない。」と言う言葉には首をかしげてしまいます。

アップサンプリングやビット拡張をしても音質はそのまま?
これには納得しかねますし、K2HD技術の利点をアピールすることに躍起になっているような様子が伺え何か冷めたものを感じてしまいます。
録音に携わる方々、レーベル側、配信側、それぞれに良い音楽を提供しようという姿勢で日夜頑張っておられると思いますし、実際にCD再生では考えられないほどの良い音で音楽が聴けるようになっています。
こうした方々には心より敬意を表しますし、この様なことを申し上げるのは忍びないのですが、一部の者の安直な思想でハイレゾ音源というものに付加価値を付けすぎたツケが回ってきているような気がしてなりません。
ハイレゾ音源市場が今後音楽業界をリードする場になるかどうか、また良質な音楽を提供し続けていけるかどうか? 出来ればそうあって欲しいと思います。
その為にも、時々立ち止まって何のためのハイレゾ音源かという点を再検証して先に進んでいただきたいと切に願います。
それは折角のハイレゾ音源配信という良い土壌が腐ったものになってしまうのを危惧するからなのですが、インタビューにもあるようにe-onkyoもその辺はきっちりとチェックしているようですので少しは安心しました。

乱文失礼いたしました。
Yo
投稿日時: 2014/1/28 18:58
一人前
登録日: 2012/3/21
居住地:
投稿: 120
Re: ハイレゾ音源について思う事
zappa1993さん

面白い記事のご紹介有難うございます。
zappa1993さんとデジタルのことをいろいろ話したり昨年のアナログリッピングを一緒に挑戦したりする前はこのようなハイレゾに関しては全く興味を持たなかったのですが、今はデジタルの難しさとともに面白さも判りかけてきましたのでこの記事も面白く読ませていただきました。

そこでzappa1993さんのこの投稿に関してイマイチzappa1993さんの真意が分かりかねる面があることと、アップサンプリングに関しての疑問などをぶつけさせて頂きたくよろしくお願いいたします。

まずは私のこの記事を読んでの率直な感想を述べますと・・・

1)ビクターの技術者の言ってられる事は素直に納得できます。(元々私がビクターのK2プロセスのCDの音質に好感を持っていることが原点ですが・・・)以下私の理解をまとめます。

1-1、単なるアップサンプリングでは線形補完の形でサンプルのポイントの間を埋める形でポイントが作られるが、元々44.1kHz/16bitで録音された音源には20kHz以上の情報はカットされているのでそれ以上の高域はそのままになる。20kHz以上の情報は楽器の倍音成分として大事なものなのでK2HDでの処理は、これまでのビクターに存在するアナログ録音音源を元にサンプリング&アップサンプリングを繰り返して最も元の音源に近い音になるように倍音成分を合成する補正アルゴリズムを3パターン作り、最も適正と思われるアルゴリズムで20kHz以上を合成する。(文中には「合成」という言葉を使っていませんが、私は合成と理解しました。・・・ここがミソ!)

1-2、ビット拡張に関しては、単なるアップサンプリングでは整数倍になるだけだが、K2HDでは独自のノウハウで「ある変数」を加える。

1-3、サンプリング周波数が増えると音は滑らかさや透明感は出るが音の芯やパワー感は薄まる傾向にある。
・・・この事は私がアナログリッピングをしてCDフォーマットにダウンサンプリングをした場合の感想として「音の滑らかさと透明感はハイサンプリングの方が良いが、音の立ち上がりの元気さパワー感はCDフォーマットの方があって、ノイズを別にすればその両方を兼ね備えているのがアナログだ!?」と感じていた事を少し言ってくれたので・・・満足(笑)。

2)K2HDプロセスを持ち上げるために筆者のまとめ方が強引で作為的!?

上記1-1で単なるアップサンプリングでも線形補完の形で中間点は合成されると書かれているにもかかわらず「ハイレゾの恩恵は何も得られず、只容量だけ増える」とまとめている事は強引過ぎると思いますね。ダウンサンプリングでもソフトによって音は変わりますのでより良いソフトがあればアップサンプリングで中間点の補完の仕方も変わるはずですから音は変わって当然だと思います。
また、K2HDによる20kHz以上の合成でも筆者は「復元」という言葉を使って持ち上げています。例えば元のマスターがハイサンプリングでの録音でそれをダウンサンプリングしたCDフォーマットのデータしか残っていなかった場合、ダウンサンプリングしても元のデータのカスは残っているのでそれを使って復元する(44.1kHz/16bitで録音したものより、192kHz/24bitで録音したものを44.1kHz/16bitにダウンサンプリングしたデータのほうが音は良いのでその可能性は有るかなと思っています)というような場合は「復元」という言葉を使っても良いと思いますが、ここでの元々44.1kHz/16bitで録音されたデータには20kHz以上のデータは含まれていないので明らかに「合成」だと思います。

また1-2でビクターの技術者は「ある変数を加える」としか言っていないのに筆者は「ある変数を加えることで自然な滑らかさを得る」と勝手に結論付けている。

3)総合的な感想

私は元々データ配信の音楽には興味を持っていませんが、こういうハイレゾ音源を作成するプロセスに関してはある意味「マスタリング」だと思っていますので、合成であれ何であれどんどんやれば良いと思っています。ただ、マスタリングという作業に関してはその方法論やプロセスよりはマスタリングエンジニアの感性の方がずっと大事だと思っていますので音源販売に関してはそのエンジニアの名前を表に出すことが必要だと考えています。

4)zappa1993さんへの質問

長々と書いてしまいましたが、ここで質問です。zappa1993さんが立腹されているのは私と同じようにこの記事を書いた筆者のまとめ方にあるのでしょうか?たぶんそうだと思いますがzappa1993さんのお考えを教えてください。そして私の理解で間違った所があれば指摘してください。
よろしくお願いいたします。
zappa1993
投稿日時: 2014/1/30 21:00
長老
登録日: 2011/3/17
居住地:
投稿: 1916
Re: ハイレゾ音源について思う事
Yoさん

こんばんは
記事に興味をお持ちいただきましてありがとうございます。

決して立腹している訳では無いのですが、K2HDの良さを強調したいがための記事であることが読み進めるうちに分かり、少し白けてしまったのです。
そもそも「ニセレゾ」なる言葉があるのは知らなかったのですが、おそらくK2HDを使ったアップサンプリング音源もこのニセレゾ疑惑の渦中にあり、その火消しに必死だったのではないでしょうか。
私もビクターのK2技術は優れていると思いますし、CDでもK2技術が用いられた盤を好んで購入しています。
今回の記事で技術的な部分を読み解くと、44.1kHz/16bitの音源をアップサンプリング&ビット拡張しただけのものとは別物であることはよく分かりますし、その優位性にも魅かれるものがあります。

確かにアップサンプリングに関しては、必ずしも高音質になるわけでは無いとする意見も多く、賛否両論があるのですが、この記事では、単なるアップサンプリングやビット拡張には音質的なメリットはないと切り捨てている点に行き過ぎを感じます。
各オーディオ機器メーカーが独自の技術で採用しているアップサンプリングによる波形補正機能や、ソフトウェアメーカーのアップサンプリング技術にも優れたものがありますし、そうしたものへのフォローもしっかりすべきだと私は思いました。
(「単なるアップサンプリング」や「単なるビット拡張」という言葉が度々出てきますから、これらとは分けて語っているのは分かりますが)
またアップサンプリングに触れるのであれば、デジタルフィルタとの関わりについての解説も欲しかったところです。

K2HDに関してはYoさんが上手くまとめられたので、私が改めて書く必要もないのですが、簡単に言えば44.1kHz/16bitにダウンサンプリング、或いは最初からそのフォーマットでデジタル録音された音源には入っていない20kHzより上の情報を基音をもとに作り出して収めた(合成された)音源という事で、波形上は自然界に存在するアナログ波形に近いため高音質だという理屈ですね。
片や単なるアップサンプリングではサンプルポイントを増やして波形を滑らかにしただけで、20kHzより上の情報は失われたままのため大きな音質改善は望めません。
記事中の「〜音質はそのままなのに容量は増えて値段は釣り上げられて」という部分は、「収録されている帯域は同じなのに」という事を言いたかったのだと思いますが、あの書き方では誤解を招きますし、「その点に異論のある方」は一杯いるでしょう

アップサンプリングされた音源の音が良いか悪いかについては、これまでにも色んな所で議論されてきましたが、技術的な利点は分かるものの、聴感上必ずしも高音質だと言い切れるだけの確証はないようです。
言うまでもなく、補正技術はあくまで波形の補正であり、もとのアナログ波形と完全一致する波形に戻すものではありません。
多くのノウハウに基づいたアルゴリズムを使ったり、試聴テストが繰り返されるとは言え、計算でもとめた波形はどこか作為的であるという気がします。
またアップサンプリングにはPCのソフトウェアを使う方法や、CDPやDACに内蔵された同様の機能を使う方法がありますが、同じレゾリューションへのアップサンプリングにも拘わらず出てくる音は様々で、D/A変換部分が違うとは言えこうも音に違いがあると何が正解なのか分からなくなりますし、それらは単なる音のバリエーションでしかないような気もします。

私が使っているネットワークプレーヤーには、デジタルアウト時にアップサンプリングして出力する機能があり、外部DACに繋いでアップサンプリングの効果を確かめたことがあります。
確かに音は変化しますし、これを良い音だと捉えるのも分かる気がします。
しかし、良い面はあるもののすべての面で音が良くなったかと言うとそうとも言えず、逆に鮮度が落ちるなどのマイナス面もありますし、やはり作った音である印象は拭えません。
とは言え、これは通常の再生とアップサンプリングした再生を聴き比べるから分かるのであり、最初からアップサンプリングされた音源しか聴けないのであれば、その良し悪しの判断のしようがありません。
ネットワーク配信されているハイレゾ音源にもこのことが言え、アップサンプリングされるなどして高音質だと謳われていたとしても果たして本当にそうなのか、ハイレゾ音源だから高音質だと思い込まされてはいないだろうか?という疑念があるのです。
192kHzで録るより96kHzで録った方がしっくりくるという事もありますし、ハイレゾリューション=高音質という数式ではなく、高音質なものならハイレゾ音源も楽しみたいというのが私のスタンスです。

>私は元々データ配信の音楽には興味を持っていませんが、こういうハイレゾ音源を作成するプロセスに関してはある意味「マスタリング」だと思っていますので、合成であれ何であれどんどんやれば良いと思っています。ただ、マスタリングという作業に関してはその方法論やプロセスよりはマスタリングエンジニアの感性の方がずっと大事だと思っていますので音源販売に関してはそのエンジニアの名前を表に出すことが必要だと考えています。

私もそのご意見に賛成です。
ハイレゾ音源のマスターが何なのかは物によって違うと思いますが、ハイレゾ音源化に際しマスタリングが必要であるならば、そこに係ったエンジニアの感性が音源の品質に大きな影響を及ぼすと思いますし、単なる機械オペレーターのような作業での乱売を避ける意味でも係ったエンジニアの方の名前等を明記するのは良いことだと思います。
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