メイン [00-06]アナログレコード オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 | 投稿するにはまず登録を |
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管理人K | 投稿日時: 2008/3/17 3:38 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1907 |
オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 オリジナル盤vsリマスター盤、第2回はエリック・ドルフィの初リーダー作「アウトワード・バウンド」です。 トランペットにフレディ・ハバードを迎え、ハードバップともフリーとも似てるようで違う、独自のドルフィミュージックと呼べるような新境地を開拓した、初リーダー作でありながら脅威の完成度を誇る作品です。 それにしても、ドルフィはアルトサックス、バスクラリネット、フルートを吹き分けるマルチプレーヤーですが、どの楽器の演奏においても、誰との競演でも完璧な演奏を残しています。 しかも、どの楽器もドルフィでなければ出せない独特のもの。 どなたも、まるで得体の知れない生き物が蠢いているような錯覚を覚えてしまう事でしょう。 このアルバムにおいても、ルディ・ヴァンゲルダーの優れた録音によってドルフィの独特な音色が見事に現代に蘇ります。 今回聴き比べたのは、米国オリジナル盤、アナログプロダクション製45回転重量盤、70年代ルディ・ヴァンゲルダー自らのリマスター盤、80年代日本盤の4枚です。 使用機器 スピーカー:Westlake BBSM15F パワーアンプ:Pass aleph0 X4バイアンプ プリアンプ:Mark Levinson LNP-2L フォノイコライザー:GOLDMUND PH-3 プレーヤー:ROKSAN XERXES20 アーム:ROKSAN ARTEMIZE カートリッジ:ROKSAN SHIRAZ フォノケーブル:ACOUSTIC REVIVE RCA-1.0PAフォノ仕様他 まずは80年代発売の日本盤からです。ELPEAMANさんは84年頃に入手されたそうです。 音質:充分に厚みとエネルギーを伴った良い音です。絶対にCDでは出せないだろうなと感じる生命力を感じる熱い音です。 中古市場の値段も安いでしょうから、アナログを始めた方は見つけたら今すぐ入手された方が宜しいかと思います。 鮮度も素晴らしく、何も情報がない状態で聴けば、現代録音かと思う人は多いと思います。 今回は最初の盤からアナログの底力を感じさせられました。 次はアナログプロダクション社製45回転重量盤です。 アナログプロダクション社は今も定期的にJAZZやロックの名盤の重量盤や45回転盤などのリイシューを積極的に行っているメーカーです。マスタリングエンジニアもバーニー・グランドマンやダグラス・サックスなど有名どころに依頼していた事もあります。 45回転盤はダイナミックレンジを広く取れる優位性を持っており、アナログの形態としては最高のクオリティを引き出す事が出来ます。 音質:目が覚めるような鮮度の向上、圧倒的にシャープな音像定位、現代録音もを遥かに超える超ワイドな周波数レンジ。 とても1960年の録音とは思えません。ドルフィもハバードも明らかにそこに存在しています。怖いくらいのリアリティを感じます。 先程の日本盤も充分に素晴らしいとは思いましたが、この45回転重量盤を聴いてしまうと、明らかに情報量が欠落していた事が判ってしまいます。それくらい細かい情報が見えてきますし、それぞれの楽器の質感が断然リアルになるのです。 このアナログプロダクション社製45回転重量盤は米国のサイトなどでまだ入手可能だと思います。 6000円程度でこのリアリティと感動が得られるならば絶対に安い買い物です。今すぐ入手して下さい。 次は70年代にこのアルバムの録音を担当したルディ・ヴァンゲルダー自身がリマスタリングを担当し、他の音源のものと2枚組みのセットで再発された盤です。 音質:非常に面白い事に、正にルディ・ヴァンゲルダーの音になっています。ヴァンゲルダー自身がリマスタリングを担当する事で、よりヴァンゲルダーらしい音になっているのに彼のポリシーを感じてしまいます。 つまり一般的な印象として多くの方が感じているであろう、各楽器に分厚く肉付けをしエネルギー感を増したもので、いわゆるJAZZサウンドを非常に強くイメージさせる音です。 誤解を恐れずに言えば、わざと音場は濁して見通しを悪くし、ノイズや歪みも味のうちとして付加して、それによるJAZZっぽさを強調した音作りです。 私は余り賛同出来ませんが、このJAZZらしい、ルディ・ヴァンゲルダーらしい音を良しとするJAZZファンは多いはずです。 最後に米国オリジナル盤を聴きますが、うかつな事に、この米国オリジナル盤のみ「モノラル」だったのです。 実はまだ注文しているライラの特注モノラルカートリッジが完成しておりません。 ですので、大変申し訳ありませんが、今回の試聴はステレオカートリッジで行わざるを得なかった事をご了承下さい。 モノラルカートリッジが完成次第、もう一度試聴し直そうと思います。 音質:ステレオカートリッジで聴いているにも関らず、他の盤を圧倒するエネルギー密度である事が一聴して判ります。 45回転重量盤のような空間の広さはありませんが、その代わり凝縮された力強い密度と生命力を感じます。 全ての音像が力強く躍動し、45回転重量盤の広い空間表現とは違い、当時の現場の濃厚な空気感が伝わってくるようなサウンドです。しかも、これはあくまでもステレオカートリッジで聴いた印象です。モノラル盤はモノラルカートリッジで聴いてこそ真価を発揮しますし、劇的に良くなるのは経験済みです。 よってモノラルカートリッジで聴いたと想定すれば、間違いなくこの米国オリジナル盤が今回のナンバー1であるのは疑う余地がないでしょう。 まとめ 今回もオリジナル盤がその凄さを見せ付ける結果となりました。 どちらかと言えば、リマスター盤を多く所有している私としては少々残念な結果ではありますが、アナログプロダクション社製45回転重量盤のクオリティも凄まじいものがあるのも事実です。 増してオリジナル盤は6000円程度では絶対に入手出来ません。 今回エリック・ドルフィに興味を持たれた方は今すぐアナログプロダクション社製45回転重量盤を入手されるべきです。 現代録音を遥かに凌駕するリアリティ、そして超絶の演奏が現代に蘇る事請け合いです。 「アウトワード・バウンド」45回転重量盤の入手はこちらでどうぞ http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=28132 |
ケミ | 投稿日時: 2008/3/19 14:21 |
長老 登録日: 2008/2/17 居住地: 投稿: 851 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 管理人さん、ELPEMANさん、比較試聴会に参加させていただきありがとうございました。自分では所有することができないであろうエリック・ドルフィのオリジナル盤の音をWestlake BBSM15Fで体験し、オリジナル盤のもつ魅力を知ってしまいました。
早速「OUTWARD BOUND」の日本再発盤中古を購入し、アナログプロダクション社製45回転重量盤を注文しました。そのほか手持ちの「LIVE!AT THE FIVE SPOT VOL.1・VOL.2」「ERIC DOLPHY IN EUROPE VOL.1」「OUT TO LUNCH」「LAST DATE」等を自宅にて聴き直してみましたが、どの盤も演奏・録音ともにすばらしく、心地よい時を過ごすことができました。 80年代発売の日本盤・アナログプロダクション社製45回転重量盤・70年代リマスター盤そして米国オリジナルモノラル盤どれでも十分に堪能することはできると思いましたが、米国オリジナルモノラル盤から再生されたエネルギッシュでいて奥行きのある音は忘れることができません。 モノラルカートリッジ完成時にはもう一度すばらしい体験をさせてください。 |
管理人K | 投稿日時: 2008/3/20 21:26 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1907 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 ケミさん、こんばんわ。
>オリジナル盤のもつ魅力を知ってしまいました。 私も知ってしまいました(笑) オリジナル盤収集病が発症しそうです アナログ盤における音質は素晴らしいものがありますが、ドルフィの場合、ビートルズのCDにおける劣悪な音質と違って、CDでも充分に演奏の素晴らしさを味わえますので、アナログシステムをお持ちでない方もぜひ一聴をお薦めさせて頂きます。 モノラルカートリッジはライラからしばらく時間がかかるとの連絡が来ました。 完成次第、今度はモノラル盤試聴会を開きたいと思います。 その時はぜひお出掛けになられて下さい。 |
ELPEAMAN | 投稿日時: 2008/3/21 0:10 |
一人前 登録日: 2008/2/17 居住地: 投稿: 101 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 管理人K 様
今回も楽しませていただきました。ありがとうございます。それにしても、いちばんの驚きはやはりアナログプロダクションの45回転盤ですね。本当に50年近く前の録音とは思えず、生々しい演奏でした。「今」の音ですね。オリジナル・モノラル盤は当時の音が生々しく出ていました。この2枚に尽きる、と思いました。 比較につきましては、オリジナル盤が50年近く前の製品、かつ中古盤というハンディキャップを考えると音の表現力は新品のリマスター盤の大健闘だと思います。 オリジナル盤は音もそうですが、製品そのもの―ジャケットやインナースリーヴ―にも当時の息遣いを感じます。自分より「年上」の作品に敬意を表しつつ楽しく聴く、これがオリジナル盤の良いところだと思います。テーマからそれてしまいましたが、これから聴かれる方は45回転盤をお薦めです。今後もたくさん45回転盤がリリースされるようですので楽しみですね。 次回は再度ロック、Led Zeppelinでいきますか?何枚目がよろしいでしょうか? |
管理人K | 投稿日時: 2008/3/22 21:20 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1907 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 ELPEAMANさん、こんばんわ。
先日は貴重なオリジナル盤をご提供頂きありがとうございました。 >いちばんの驚きはやはりアナログプロダクションの45回転盤ですね。本当に50年近く前の録音とは思えず、生々しい演奏でした。「今」の音ですね。 まるで新録のような(いや、新録を超えるかも?)鮮度で驚きましたよね。 エネルギー密度の高さや厚みはオリジナル盤が最強ですが、この鮮度と生々しさが6000円で手に入るなら幸せだと思います。 ドルフィの超絶の演奏を体験頂くためにも、ぜひアナログ初心者も再開された方も購入してもらいたいですね。 >オリジナル盤は音もそうですが、製品そのもの―ジャケットやインナースリーヴ―にも当時の息遣いを感じます。自分より「年上」の作品に敬意を表しつつ楽しく聴く、これがオリジナル盤の良いところだと思います。 仰る通り敬意を表したいですね。 オリジナル盤レコードは、もはや文化遺産とも言っても過言ではないと思います。 当時の雰囲気がジャケットやインナースリーヴからも滲み出ており、漆黒のビニールからは当時の空気感までもが伝わる熱い演奏が蘇る。 自分が生まれる前の貴重な演奏に、そのまま居合わせる事が出来るような大きな価値があると思います。 次回、ツェッペリンいいですね。 私はクラシックレコーズの200g盤と45回転片面プレス重量盤が あるのが?、?、?ですので、このどれかにしましょう。 宜しくお願い致します。 |
タカボー | 投稿日時: 2008/4/27 22:06 |
一人前 登録日: 2008/2/18 居住地: 投稿: 82 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 管理人さんこんばんは。
先日ここで紹介されていたアナログプロダクション社製45回転盤を購入してみました。 管理人さんの言うとおり圧倒的な鮮度の高さと音像定位のすばらしさに驚かされました。 これほどのリアリティーはCDでは絶対に味わえないです。 確かにこれはお買い得な一枚ですね。 ところでこの45回転盤シリーズはみなすばらしい録音なのでしょうか。 このシリーズをまた購入したいのですが何かお勧めのものがあったら教えてください。 よろしくおねがいします。 |
管理人K | 投稿日時: 2008/4/29 3:47 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1907 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 タカボーさん、こんばんわ。
>ところでこの45回転盤シリーズはみなすばらしい録音なのでしょうか。 残念ながら全て良い訳ではありません。 ドルフィの「アウトワード・バウンド」の場合、元の録音が良かったのとマスターテープの保存状態が良かったために、あのような鮮度の高いリアリティで素晴らしい演奏が楽しめたのだと思います。 元の録音がいまいちだったり、マスターテープの保存状態が悪かったり著しく劣化してしまっている場合は「アウトワード・バウンド」のようには行かないのです。 >このシリーズをまた購入したいのですが何かお勧めのものがあったら教えてください。 アナログプロダクション社製で現在入手出来るものでお薦めなのは、 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=12959 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=16905 このジョン・コルトレーンの「ラッシュ・ライフ」と「トレイング・イン」の2作。この2作は音質的にも間違いはないと思います。 また、既に売り切れ物の中では、 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=32220 ウエス・モンゴメリーの「フルハウス」のテストプレス盤が入手出来ます。こちらは極上の音質・演奏が間違いなく楽しめますが、テストプレスのため、ジャケットは真っ白な印刷なしであるのは我慢して下さい。 同じアナログプロダクション社製45回転重量盤の新らし目のアルバムではリファレンスソフトJAZZ編でご紹介させて頂いた http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=41717 ヒュー・マセケラの「HOPE」が超絶のクオリティと熱く素晴らしい演奏でお薦めです。 同時に発売されたリッキー・リー・ジョーンズやライ・クーダーの45回転重量盤も中々のクオリティです。 また、45回転盤のJAZZはこれから黄金期ブルーノートの諸作がアナログプロダクション社やMUSIC MATTERS社から続々と発売されます。 詳しくはこちらをご参照下さい。 http://store.acousticsounds.com/category.cfm?id=21 音質的には購入しないと判らない怖さはありますが、どれもJAZZ黄金期を象徴するような演奏ばかりです。 音質はとりあえず置いといて、素晴らしい演奏を堪能してみるのもいいでしょう。 尚、ROCK系になりますが、 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=14664 こちらのCCRはアルバム「ペンディアム」からの抜粋ですが、名曲「雨を見たかい?」が超絶クオリティで堪能出来ますので、ぜひ入手をお薦めします。 またオーディオファイル御用達のジェニファー・ウォーンズは、 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=44464 「フェイマス・ブルー・レインコート」の45回転重量盤が発売予定です。現在予約受付中ですね。 |
タカボー | 投稿日時: 2008/4/29 9:06 |
一人前 登録日: 2008/2/18 居住地: 投稿: 82 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 管理人さんこんにちは。
お忙しいところご返信いただきありがとうございます。 アナログを始めたばかりで特にジャズに関してはほとんど知識がないので大変助かります。 できれば音質がよくかつ演奏が良いものを選びたかったので、紹介していただいたレコードを購入していきたいです。 今後もいろいろ教えていただけると助かりますのでよろしくお願いします。 |
Bom | 投稿日時: 2008/5/5 11:12 |
半人前 登録日: 2008/3/21 居住地: 投稿: 27 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 タカボーさんこんにちは。
先にお邪魔してとても気持ちよく聴かせていただきました。 いよいよジャズレコード集めはじめましたね。 45回転盤数枚持っていますので聴いてみますか? 自分もアドバイスできるほどの知識もソフトもありませんが感じたことを伝えられればいいんじゃないでしょうか。 |
管理人K | 投稿日時: 2008/5/5 19:41 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1907 |
Re: オリジナル盤vsリマスター盤 第2回 エリック・ドルフィ 「アウトワード・バウンド」 タカボーさん、こんばんわ。
現在入手可能な45回転盤で一つ大切なものを紹介するのを忘れてました。 http://store.acousticsounds.com/browse_detail.cfm?Title_ID=12981 ジョニー・グリフィンの「ケリー・ダンサーズ」です。 リトル・ジャイアントと愛称されたジョニー・グリフィンの野太くパワフルなテナーサックスが快感です。曲も優れたものが多く、録音もクリアで分離が極めて良い超絶のクオリティです。 昨夜、ELPEAMANさんやケミさん達と例のオリジナル盤比較試聴を行った際に久々にかけたのですが、改めてこの盤の演奏と音質の凄さに驚いてしまいました ぜひ入手して聴いてみて下さい。 |
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