「吾が西方の音」（１５）
　　　　　　　　　　　　　　　吾が愛器２０１４　　　　　　　　　　２０１４０３２７
今年で6回目の年男になる。名演奏を味わいながら後何年、有意義に過ごせるかを懸念している。時々、耳鳴りがするようになり長生きしても難聴になれば、楽しみの一つを失う。ならば未だ元気な内により良い音質で演奏を楽しみ続けたいと思い、オーデオ装置の見直し決めた。私の目指す再生音は、大きな音量でなくとも録音された場の演奏空間の大きさと雰囲気を実感できる事にある。それは、演奏家の意図を汲んだエンジニア達の録音の再現に繋がる。そして大切な事は、聴き手を魅了させ、演奏に集中させてくれる再生でなければ困る。ＳＡＣＤプレイヤーは、永年の信頼からアキュフエーズの「ＤＰ７２０」を試聴せずに決めたが、予想以上の高音質で満足しているが、プリアンプを使わずに直接パワーアンプに接続して使うのでリモコンのレベル調整は、目視しなくても操作出来るＡＭＰ用のＶＯＬＵＭＥ（リモコンに新設）ボタンと同じものが良い。ＳＡＣＤは、ダイナミックレンジが大きく聴きながら細目に、音量調整する場合が多いからである。試聴したアンプは、ファーストワットSIT2、ジェフローランドM525、マッキントッシュMC275、オクターブRE290であり、（今思えばアイシュタインのＴｈｅ　ＬＧＨＴ　Ｉｎ　ＴＨＥ　Ｄａｒｋ　ｌｉｍｉｔｅｄも試聴しておけばかった。）何れもアンプ設計者の個性が音に表れ大変面白く聴けたが、結局ジェフローランドM525に決めた。音質は、自然に聴こえ５００Ｗ/４Ω大出力が大空間を演出する。軽量、省エネ、発熱もなく、作りも緻密でコンパクトで設置場所に制約がない。「小さな巨人」である。だが、電源スイッチの照明は、少し明るすぎる（調整可能とあるが）。又、ＳＰ接続端子が左右逆で近接しており、ケーブルのクロスを避ける為ＳＰ、ラインケーブルを左右逆に接続している。スピーカーは、ジャマンフジックスの120ＨＲＳ-カーボンであり、音質が気に入り替えるつもりはない。音響理論を具現化している形は、単体で観ると素晴らしいがクラシックを聴くには、少し前衛的なデザインに思え、音響的に良いと言われる絹の布で全体を覆っており、埃避けにも役立っている。最近、ジャマンフジックスと同じベンデングウエーブ方式のマンガー「１０９?ｅ」が発売された。この様な音の本質に近い方式のＳＰは、もっと支持されても良いと思う。ケーブルは、ＸＬＲ-１・ＯＰＡ?とＳＰＣ-ＰＡであり、他製品との比較の結果、その良さを再認識した。ＲＣＡのＳＡＣＤ盤は、往年の巨匠の名盤の宝庫である。その中でミンシュの格調高い指揮によるベートベン、メンデルスゾーン、プロコフエフのバイオリン協奏曲は、ハイフエッの熱演もあり愛聴しているが、より魅力を増した。ミンシュ指揮のサンサースの交響曲第３番「オルガン付」もスケール感を増した。しかし評判の高いミンシュ指揮のＥＭＩの「幻想」と「ブラームスの交響曲１番」は、指揮者の熱気と激しい演奏の故か、これまで音が荒れぎみで聴きづらく、名盤と言われる根拠を疑っていたが、今回雰囲気良く鳴響きステージ感も増した。新しく加えたＭＵＳＩＣ　ＢＩＲＤの音質にも満足している。アバートの追悼番組で、彼の指揮によるベルリンフイルとのベルデイの「レクイエム」に感激、本場イタリアのオーケストラで同氏が振るこの曲のＳＡＣＤ盤が有れば入手したい。又、同番組で放送されたロッシーニの「序曲集」のＳＡＣＤ盤も欲しい。日増しに魅力ある音質に変貌してきて、当初の目標に近づきつつある。当分装置をいじらずに、聴く楽しみに専念出来そうである。