メイン [03-03. AC電源関連]電源ケーブル POWER STANDARD-TripleC-FM / AC2.0TripleC 埃が消えて、空気が澄んで | 投稿するにはまず登録を |
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メリメロ | 投稿日時: 2020/9/23 20:21 |
半人前 登録日: 2019/5/14 居住地: 投稿: 38 |
埃が消えて、空気が澄んで 新米のメリメロです。
M2TECH Young MKIIIパワーアップの話の続きです。リアリティエンハンサーRES-XLRおよびTB-38Hについてはすでにフォーラムの該当箇所で報告済みです。 今回はその最後、同じ時期にお願いした電源ケーブルPOWER STANDARD TripleC FM MG(1m)のレポートです。 これまで使っていたのは付属品ではなく、Beldenの電源ケーブルにアモルメットコアを自分で組み込んだもので、とくに不満があったわけではありませんが、POWER STANDARDに交換してみると雰囲気が変わってきました。聴く音楽の流れが変わるほどだったともいえます。 最初は全体におとなしくなった感じでした。 次に音のひびきがうつくしくなった感じがありました(同じことはアコリバの各種ボードを使ったときにも感じることで一貫性があるようです)。 雨が上がり、埃が地面に落ちて空気が澄んできれいな光がさしこむような感じがありました。音がまっすぐ届きます。 すでに何度も言及したジェシー・ノーマンがうたうベルクの歌曲集「初期の七つの歌」冒頭部分の高音のこわばりもかなりほぐれました。また1959年のEMI録音「ドン・ジョヴァンニ」(ジュリーニ指揮)冒頭の修羅場でのジョーン・サザーランドの声のひびきもひずみがなくなり透明感がまします。どの歌手の声もまっすぐ耳に届きます。 これまで腑に落ちない点があった録音を聞き直しましたが、なかでも不思議だったのは、アリシア・デ・ラローチャの弾くアルベニスの組曲「イベリア」の高音部分の音のひずみがまるで嘘のように消えてしまったことです(もちろん完全に消えたわけではなく薄れたということ)。これはHispavoxが原盤、1960年代初頭の録音ですが、いまはEMIからラローチャのHispavox録音が八枚組CDアルバムで出ています。これについてのAmazonのレヴューには☆一つをつけたきびしいものがありますが、ラローチャの演奏に文句をつけているわけではなく、第一曲目「エボカシオン」から高音部分に強烈な歪みが生じていることを指摘したものです。HispavoxのLPは知りませんが、Eratoから再発になった同音源のLPにはそれほど強烈な歪みはないので、CD化のときに使ったマスターテープの問題かもしれません(自分が聞いているのはだいぶ前にEMIから出た二枚組のCDのリッピングで、たぶん八枚組アルバムと音は同じでしょう)。 ラローチャは後にDeccaで二度ほど「イベリア」の録音をしていますが、若き日の演奏には天性のリズム感はもとより、ゆるやかなルバートの時間感覚、何よりも物憂い雰囲気などの点で、強烈な高音の歪みがあっても、これをはるかに上回る魅力があります。電源ケーブルをPOWER STANDARDに入れ替えた結果、歪みがほとんど気にならなくなりました。歪みがあるはずなのに、何とも不思議です。ひょっとするとこれまで解像度を高めることに注意をむけすぎて、歪みの部分まで強調するような結果になっていたのかもしれません。 最後に聴く音楽の流れの変化についてひとこと。 M2TECH Young MKIIIパワーアップに並行して、今年の夏前に出たエベーヌ四重奏団のベートーヴェンの全曲ライブ演奏(MQAファイル)を最後まで聴きました。アルバムタイトルはBeethoven around the World。2019年4月から今年1月までワールドツアーをやって、そのなかから七回の公演を選んでアルバムにしたものです。サントリーホールでの演奏は、ラズモフスキー第3番と作品130の組み合わせで、後者は大フーガをもってくるという力業で圧倒されます。以前の報告でアスリート的という言葉を使いましたが、それだけではありません。最後のパリ公演では繊細のきわみというべき演奏を聴くことができます。 M2TECH Young MKIIIの導入、そのパワーアップを通じて弦楽四重奏がすごくリアルに感じられます。若い頃から聴いているせいもあって、イタリア四重奏団とズスケ四重奏団のLPはなおも宝物のように思えますが、ベートーヴェンの全曲演奏もとくに2000年代に入ってからは百花繚乱の勢いです。すでにPC音源に入っているベルチャ、アルテミス、モザイクなど近年の録音を本格的に聴き直してみようという気になりました。カザルス、クッス、クレモナなど。まだ聴いていない四重奏団の演奏も気になります。弦楽器のかけあいが格段に生き生きと聞こえ始めた結果だと思います。 最後の最後ですが、今回のパワーアップへの貢献度としては、RES-XLRが6〜7割、POWER STANDARDが2〜3割、TB-38Hが1割といった感じでしょうか。 |
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» 埃が消えて、空気が澄んで | メリメロ | 2020/9/23 20:21 |
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