メイン [00-06]アナログレコード インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない | 投稿するにはまず登録を |
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Yo | 投稿日時: 2012/6/29 14:39 |
一人前 登録日: 2012/3/21 居住地: 投稿: 120 |
Re: インサイドフォースキャンセラーはインサイドフォースをキャンセルしていない zappa1993さん
書き込み有難うございます。 このままどなたも書き込まれないで終わってしまうのかな?と思っていましたが、アナログをされないzappa1993さんが書き込まれたこと、驚きと共に感謝感謝です(笑)。 そして実際に機器をお持ちで無いのにいろいろお考え頂けた事も感謝です。 さて、一つづつ返事させて頂きますが、私が言わなかった正面図まで付けて頂けた事もお 礼を申しあげると共に私も図面を添付して返事をさせて頂きます。 まず >1.書いてあることが良く分からない これにつきましては仰ることは良く分かります。専門家が読んでもきちんと伝わる事を目的しましたので馴染みの無い言葉を多用していますし、ある程度知識がある方を前提にしておりましたので失礼しました。どなたかが反論や質問を書いて頂いたら分かるように追記するつもりでした。 ここで簡単にインサイドフォースが発生する仕組みとそれにまつわる言葉の説明を図示いたします。 オフセットアングル:アームにカートリッジを傾けて取り付ける角度 オーバーハング:針の位置をターンテーブル中心より先に来るように設定する量 有効長:アームの支点とターンテーブル中心の距離 実行長:有効長+オーバーハング トラッキングエラーアングル:針の向きが溝の接線方向とずれる角度 インサイドフォース:図のように針が溝の接線方向に摩擦で引っ張られる力とそれに呼応するアーム支点で支える力の二つの力の合力(前回は分力と書きましたが合力の間違いです) もう一枚有名なアーム(SME Series V)のデータで針の軌跡とトラッキングエラーアングルとオフセットアングルの合計値の変化を示します。角度が変化する事がお解かりいただけると思います。オーバーハングと有効長が決まれば溝の接線に対しての角度が出ますのでその範囲内でベストなオフセットアングルを決定すれば良いと思いますが、なぜ23.635°などと言う細かな設定になっているのか分かりません。SMEのアームはカートリッジの取り付けの自由度がなくアームをスライドさせ有効長を変化させて調整を行う方式なのでカートリッジによってはこの図と異なる事があります。 >2. 書かれている方法でもインサイドフォースはキャンセルされているのでは? これも仰るとおりで、キャンセルと言う言葉としては適切ではないですが、針が溝の内周側の壁に押し付けられる力をカートリッジ全体(アームと一体になっていますので)を外側に引っ張る事で「緩和する」と言う事に関しては効果は有ります。 ただ >まず最初に思ったのは、アームにカードリッジが固定されているのなら、アームとカートリッジは一体化されていると言うことであり、アームを外側に引っ張れば針(カートリッジ)が内側に引っ張られる力をキャンセル出来るのではないかというものでした。 ・・・とお書きになっていますが、アームとカートリッジは一体ですがカートリッジと針(カンチレバー)は一体ではない事が問題なのです。針は音溝に沿って振動して発電しますのでカートリッジの中に支点とダンパーが存在して可動出来るようになっていますので針にかかる力はキャンセルできていない・・・というのが論旨です。 >しかし、これを単純化して絵に描いてみると、針が引っ張られる力とアームを引っ張る力とは作用点が別の高さにあることが分かります。 つまり、両者の力がつり合っていると言うことはこの両点の間のどこかに負担がかかっているという事であり、Yoさんの考えが正しいと思い直しました。 (これが仮に針を外側に引っ張る力が青い矢印の高さにあれば、両者がつり合えばどこにも負担がかからずに力はプラスマイナス0になると思います) 素晴らしい絵を有難うございます。かつて私もこの絵を描いてこのキャンセラーに疑問を持ったことを思い出しました。そしてこの青の矢印が私が前文で申した「針先に糸をつけて外側に引っ張るならキャンセルと言える」・・・そのものです。 せっかくお書き頂いたのでもう一点指摘させて頂きますと、作用点の高さの違いが一般の アームなら問題無いのですが、ワンポイントサポートタイプの場合ラテラルバランス(水平バランス)に対して回転モーメントが発生しますので、それがどの程度音に対して悪影響するかはわかりませんが強くキャンセラーを掛けた場合の不安定さは想像できます。 >(カンチレバーが曲がっていることがあるという事との因果関係は私には分かりません) 私には、針を内側に引っ張る力は存在するが、それほど大きなものではなく、針に掛る力とインサイドフォースキャンセラーとして働く力の作用点が違っても、針を痛めるほどの負担にはならないように思えます。ただし全く負担が無いとは言えないのでインサイドフォースキャンセラーというものを安易に使うべきではないのかもしれません。 「曲り」と書いたので誤解があったと思います。下記にカートリッジ正面から見た針の状態を示します。カンチレバーは曲がりません。カンチレバーの支点から傾いたままになったことを言います。 キャンセラーの力はさほど大きくない・・・との事ですが、上記のSMEアームのオフセットアングルから計算すると・・・インサイドフォースの力は溝と針の摩擦力の(オフセットアングルの半角のsinの2倍)ですから2xsin11.82=0.408となって摩擦力の約4割の力がインサイドフォースとなります。これに対応するキャンセラーを掛けると短時間では問題ないですが長時間(LP片面で20分として一日1枚聴くと年間で240時間)この力がかかり続けたとしたら大きいと思いませんか? ※ ここで前文で「引っ張り合いをする」と書きましたが、針は溝で止まっていますのでカンチレバーの支点にかかる力(負担)はインサイドフォースキャンセラーの力のみです。 >負担負担と書きながら実際の力がどれ程の物なのか分からない上に、まだ自分の中でも固まっていない考えですが、Yoさんのご意見をお聞かせいただけますでしょうか。 かかる力は上記の計算から類推して頂くとして、実際に針が内側(正面から見て左側)に傾いたままになったカートリッジの経験を申します。 1) 私の友人でインサイドフォースキャンセラーの設定に凝って数本の針を曲げてしまった人がいます。その後怖くなってキャンセラーはわずかしか掛けなくなってからは曲げた事がないとの事で、私がこの説明をしたら納得してくれました。 2) 私と同じアーム同じカートリッジを使っていた友人でやはり曲げてしまった人がいます。聞いて見ると「それほどキャンセラーはかけてないのだけれど」との事ですが設定値で使っていたようです。私は設定値の半分以下でアウトサイドテンションとして使っていましたのでもちろん曲げていません。 3) 他知人2人とオークションで曲がったカートリッジの出品を見たことがあります。 いずれも左に曲がったものばかりで右に曲がったものは見たことがありません。 もう一つはこの掲示板のアナログの別スレッドでケミさんが報告されているライラのカートリッジです。湿式のスタイラスクリーナーの使い方と考えておられますが左に曲げる力はキャンセラーしかありませんので曲がった原因はこれと想像します。 ケミさん、勝手に引用して申し訳ありません。平に謝ります。 いずれにしても調整してすぐに問題が発生するものでは無いので見過ごされがちですが「長期間使って気がついたら曲がっていた」と仰る方が多いです。 |
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