RANZANさん、ネコ２５さん、こんばんわ。

弊社にとっても金属価格の高騰は実に深刻な問題です。
電源BOXやスピーカースタンドなど金属を多用した製品は大幅な値上げをせざるを得なくなり申し訳なく感じております。

しかし、２０１７Sアルミ合金や黄銅などは電源BOXやスピーカースタンド販売開始時に比べて実に４倍近くの値段となっているのです。
その他、スピーカースタンド支柱やアンダーボードに詰める充填材に使うポリプロピレン粒子も２倍以上、ケーブルや消磁器のコイルなどに使う銅線も２倍以上、プラスチック成型に使う石油材料も２倍以上、塗装代や梱包材のダンボール、ビニール袋まで著しい価格高騰になってしまっています。

よって電源BOXやスピーカースタンドなどは定価は初代機に比べて倍近くの値段（機種によって倍以上）になってしまいましたが、利益そのものは逆に減っています。
弊社は販売代理店（問屋）を通して全国の販売店に卸している関係上、卸価格は定価の半額近く（もしくはそれ以下）になってしまいますから、実際は赤字ギリギリでやっているというのが正直な所です。

同じアルミ合金削り出しもしくは組み立て構造の電源BOXなどが数十万円で取引されている事を考えて頂ければ、弊社電源BOXなどが決して高い値段でない事はご理解頂けるかと思います。

それでは材料の質を落とすとか、コストを抑える努力をしたらどうだという声もあるとは思いますが、このような高額素材を贅沢に使うには理由があります。
それは「音」以外に他ありません。
「音」は誤魔化しが効かないのです。
音響的に優れた素材を妥協せずに使った際にしか到達出来ない音の次元があるのです。
ですので、弊社は価格を抑えるために材料や作りに妥協をする事は出来ない事をご理解頂ければ幸いです。

弊社は出来る限りの量を生産して製造コストを出来るだけ抑える努力はしておりますが、極端なコストダウンに繋がる大量生産は出来ませんし、大量の在庫を持つ資金の問題も発生します。
現在の数百台単位での生産で精一杯というのが正直な所です。

少量の売り上げしか見込めないオーディオ業界ではどの業者さんも同じ悩みを抱えているのではないかと思います。
需要が限られる分野での少数生産品でしかも良質な作りの物はどうしても高くなってしまうという事をご理解頂ければ幸いです。


予断ですが、弊社製品はよく機材より高い電源BOXだとか、スピーカーより高いスピーカースタンドだとか言われます。
確かに弊社電源BOXよりも安くて良質なアンプなどはありますが、アンプのプレス組み立て筐体の殆ど海外生産で材料費自体は弊社電源BOXの数十分の一以下ですし、コンデンサーや抵抗、基盤などは想像以上に安価だから出来るものなのです。
また、弊社RL-30やRL-30マーク?などを製作してもらった製造元は大手メーカーのスピーカーキャビネットなども製作していますが、MDF製小型２ウェイスピーカーのキャビネット一台分の値段は当時材料持ちで200円しなかったそうです。それでも高いと言われて一度マレーシアに仕事を持って行かれたそうです。
弊社スピーカースタンドは天板1枚の材料代で2000円以上します。

なんだか泣き言と愚痴と皮肉のオンパレードみたいになってしまいましたが、全て事実で切実な問題なのです。
今後も中国バブルの後はインドやロシアなどが待ってますし、投資家による相場価格操作も続くでしょうから金属価格や石油価格の高騰が止まる事は期待できないでしょう。
弊社としても今後の製品価格の値上げはしない方向でおりますが、これ以上の金属、石油価格の高騰が続くなら最悪の場合、生産を断念せざるを得ない製品が出てくるかもしれません。