メイン [00-02]オーディオ全般 アースループ対策についての実験記事 | 投稿するにはまず登録を |
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投稿者 | スレッド |
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管理人K | 投稿日時: 2014/3/2 23:17 |
管理人 登録日: 2007/12/10 居住地: 投稿: 1907 |
Re: アースループ対策についての実験記事 zappa1993さん、PAKAさん、ホワイトメタルさん、皆様こんばんは。
提灯記事だらけのAA誌には珍しくアースを大々的に取り上げたのは良いことだと思います。 評論家先生の技術的解説からアースループや仮想アース装置の実験、電気工事業者のデタラメな自画自賛記事などありましたが、肝心なアースの重要性やアースを落とすことによって具体的にどのような変化、効果があるのかなどはどこにも載ってませんでしたね。 オーディオシステムに純粋な接地アースを落とす意義は「オーディオ機器のシャーシ電位を下げること」にあります。 まず、シャーシ電位とは何か?からご説明させて頂きます。 全てのオーディオ機器はAC電源を繋ぐことによって機器のシャーシに電位を持ちます。 つまり機材自体の筐体が電気を帯びてしまうのです。 その電位の値はアースが浮いている(アースを繋がない)場合、数Vから大きいものでは数十Vの電位を帯びてしまいます。 恐ろしいことに中には50Vを超すような高い電位を帯びてしまう機器もあります。 特に電源ケーブルにてアースを落とすことが前提の輸入機器ではアースが浮いた場合に高い電位を帯びてしまう機器が多いようです。 数mVという低い電圧を扱うオーディオ機器が何十Vという高いシャーシ電位を帯びてしまったら動作的に影響が出ないはずがないのはどなたでもご理解頂けるかと思います。 オーディオ機器は極めて0Vに近いシャーシ電位にて最も理想的な動作が可能となると思って下さい。 このシャーシ電位を0Vまで落としてくれるのが良質な接地アースになります。 弊社の社屋は10Ωほどの接地抵抗値の接地アース工事をして3P壁コンセントに接地アース線が配線されてますので、社内の試聴オーディオシステムにて3芯アース線付き電源ケーブルと2芯アース線なし電源ケーブルを交換する形で実験してみました。 機材はCDプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプというシステムです。 まずは全ての機器間のラインケーブルを外し、各機材の電源スイッチをONにした状態でシャーシ電位を計測します。 ラインケーブルを外すのはラインケーブルのコールド側がアース線として作用して各機材がアースとして繋がってしまうため、正確なシャーシ電位が計測できなくなるためです。 また電源スイッチはOFFの状態ではなく、動作をするONの状態が正確なシャーシ電位となります。 まずはCDプレーヤーのアースが浮いた状態から計測しました。 19.53V、なんと20V近いシャーシ電位が計測されました。 次にアースを落とした状態で同じCDプレーヤーのシャーシ電位を計測してみます。 0.976V、見事に0V近い電位に落ちました。 次にプリアンプのシャーシ電位をアースが浮いた上体で計測してみます。 4.76V、CDプレーヤーよりはずっと低いですが、それでも5V近いシャーシ電位が計測されました。 ですが、プリアンプのアースを落としてみると 0.899V、CDプレーヤー同様、0V近くまでシャーシ電位を落とすことが出来ました。 最後にパワーアンプです。まずはアースが浮いた状態で計測しますと 18.49V、結構高いシャーシ電位が計測されましたが、アースを落としてみると 0.171V、計測誤差の範囲だと思いますが、3台の中で最も低いシャーシ電位の値が計測されました。 電気は電位の高い方から低い方へと移動する性質があります。 アースはこの電気の性質を利用したものになります。 つまり、0Vに近い低い電位の大地に高い電位の電気機器のアースを落として大地の電位である0Vのシャーシ電位にして感電防止や動作安定の目的としているのです。 この理論から、最も低いシャーシ電位となったパワーアンプだけアースを落として、プリアンプとCDプレーヤーはアースを浮かせて、ラインケーブルを接続して、もう一度プリアンプとCDプレーヤーのシャーシ電位を計測してみます。 まずはプリアンプから計測してみますと、 0.103V、電源でのアースが浮いているにも関わらず、ほぼパワーアンプと同じ低い値のシャーシ電位が計測されました。 ではCDプレーヤーのシャーシ電位はどうなっているのでしょうか? 0.178V、やはりパワーアンプとほぼ同じ値のシャーシ電位になっており、プリアンプともほぼ同等です。 この結果でお解り頂けたと思いますが、ラインケーブルを接続されている機器はラインケーブルのコールド側(XLRバランス接続の場合は1番グラウンド)によってアースとして結ばれてしまうため、電源におけるアースは1本だけ落とせば良いということです。 この状態こそが今回のシステムにおけるアースの落とし方の理想であり、一般的に「一点アース」と呼ばれる状態になります。 アースは基本的に「一点アース」であるのが理想です。 (但し、光ケーブルや弊社DSIX-1.0PAのようにアイソレーショントランスを搭載したデジタルケーブルでは機材間のアースは切り離されますので電源アースは別々に落とす必要があります) 仮に今回のシステムにてプリアンプやCDプレーヤーの電源のアースを落としてしまった場合には「アースループ」が発生してしまい、電源ケーブルやラインケーブルのアース線がアンテナ状態となってしまいノイズを拾って音質を劣化させるばかりか最悪の場合はブ〜ン!という大きなハムノイズまで発生させてしまうことになります。 今回のAA誌でのアースループの実験記事でも解るように、現在市販の3P電源ケーブルを使うとアースループの発生が避けられません。 記事中でも説明されてる通り、接地アースがコンセントに来ていなくてもコンセントの取る付け金具や電源BOXの金属筐体や内部アース線でループが発生してしまいます。 この3P電源ケーブルにおけるアースループを断ち切るには、3P〜2Pアダプターを咬ますか、3P電源ケーブルのアース線を外すしか方法がありません。 以上、アースの意義とアースループについてご説明させて頂きましたが、簡単なようでややこしいのがアースになります。 更にAA誌の電気工事業者の自画自賛記事のようにアースループの問題も一切説明せずにひたすら接地抵抗値の低さこそが重要だとか(接地抵抗値が低ければ低いほどシャーシ電位も低くなるということなどありませんし、音質も激変などしません)アナログとデジタルで別々にアースを取ると凄いなど(ラインケーブルでアースとして結ばれますからデジタルアナログ分離にはなりません)というとんでもないデタラメな記事が載るものですから益々混乱を招いてしまうと思います。 更にいえば、国内高級メーカーの一部にはアースが浮いた状態でもシャーシ電位が高くならないための対策として、機材内部のアースを中点で落としているメーカーもあります。 この場合はアースを落としてもシャーシ電位が変らないこともあります。 アースの取り方についてご不明な場合は、私管理人KまでメールもしくはFAX、お手紙にて現在のシステム状況を記した上でお問い合わせ下さい。 それぞれのシステム環境において最も適切なアースの落とし方をお伝えさせて頂きます。 |
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題名 | 投稿者 | 日時 |
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アースループ対策についての実験記事 | zappa1993 | 2014/2/23 0:51 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | PAKA | 2014/2/24 0:06 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | ホワイトメタル | 2014/3/1 21:25 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | zappa1993 | 2014/3/2 10:32 |
» Re: アースループ対策についての実験記事 | 管理人K | 2014/3/2 23:17 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | PAKA | 2014/3/3 11:26 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | ケミ | 2014/3/4 17:16 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | ホワイトメタル | 2014/3/5 22:41 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | zappa1993 | 2014/3/9 10:28 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | たかみち | 2014/5/25 20:10 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | PAKA | 2014/5/25 23:09 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | たかみち | 2014/5/26 6:28 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | PAKA | 2014/5/26 20:10 |
Re: アースループ対策についての実験記事 | たかみち | 2014/5/27 9:35 |
地雷をとうとう買ってしまいました。 | たかみち | 2014/6/3 7:28 |
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