皆さん、こんばんは。

先日運良くスーパーアースリンクRE-9の中古品を見つけ購入しました。実は同様の機能を持つT社の製品（miniの方）をエイヤッという思いで注文したのがその10日ほど前で、幸いにもというべきか欠品中のためしばらく待たされていた最中だったのです。お値段のことを言うのも野暮な気がしますが、それにしても無視できない価格差がありますから非常に幸運だったと思います。あちらはそっとキャンセルしました。
RE-9やT社の製品に関心があったのはなぜかと言いますと、それはもちろん私のシステムがずっと抱えていたシャーシ電位の問題のせいにほかなりません。

私のシステムは現在のところターンテーブルとプリメインアンプという簡素な構成になっています。いずれフォノイコライザーを追加したいと思っていましたが、最近になってアンプも含めて一新することも検討中です（無帰還回路という考え方ににわかに興味が出てきたんですよね）。話が逸れましたが、以前システムのシャーシ電位を計ってみたところ、30V台というけっこう高い値が計測されたため長らくどうにかしたいと思っていたのです。
部屋には一カ所接地アースが設備されていますが、ノイズ源となる可能性からこれを使う気にはなれませんでした。そもそも使用しているアンプのインレットにはアース用のピンがありません。接地アースには繋いでくれるなとメーカーが判断したのでしょう。それにオーディオ専用のアース工事までは考えられない身としては、RE-9のように独立したアースがとれる製品は非常にありがたいです。

届いたRE-9はまずまずのよい状態でした。背面の切り替えスイッチが真ん中の位置でなぜか片側に30°ほど傾いていたのが気になりましたが、これは簡単に直せました。また、インレットに液剤のカスのようなものがこびりついていたのが嫌だったので、これだけは同等の新品と交換し、ついでにクォーツレゾネーターも貼ってみました（接点に有害なオーディオ用の液剤が出回っていると伝え聞くので念のため）。一応ネット上の画像と見比べて内部を確認しましたが、幸い改造などもされていないようで一安心です。ケーブルなどアクセサリー類も一式揃っていました。

これまでに導入したAcoustic Revive製品の多くは電源ボックスやケーブル類のようにそもそも音を鳴らすのに必要不可欠な類いのものだったり、そうでなくてもインシュレーターやターンテーブルマットなど、もともとシステムに組み込んでいた他社のアイテムからのアップグレードであることがほとんどでした。今回のRE-9のようにシステムの構成に対してまったく新しいジャンルの製品を加えるのはショートピンやリアリティエンハンサー以来になります。これからこのジャンルのもの（仮想アースや電源コンディショナーなどなど）を購入することが増えていくだろうなあと既定路線のように考えている自分がいます。
まずはLEDランプがグリーンに点灯するか、ちゃんと靴下を脱いで恐る恐る試してみました。うまくグリーンになりました！今度は付属のアース線をターンテーブルのグラウンド端子に繋げます。アンプの電源を入れて再びシステムの電位を計ってみると、なんと3Vまで降下しています。ちなみにRE-9なしでアンプの電源ケーブルの極性を逆にすると、それだけでシャーシ電位が20Vに下がりました。この状態でさらにRE-9を繋げればもっと電位が下がるのではと思い試してみたところ、ランプはどうしてもグリーンになりません。どうやら極性は正しく合わせなければならないようです。
極性の合った元の状態に戻してしばらく放っておいてから、改めて試聴を開始しました。

一曲目のイントロからして大きな変化が聞き取れます。まさかここまで変わるとは思っていませんでした。特にボーカルのリアリティが増し、ベースの聴き取りやすさが向上しています。アコースティックギターは線がきゅっと締まり、滲みが減ったおかげで一音一音がよりニュアンスと潤いを伴って響くようになりました。空気感というのか、録音されたスタジオの雰囲気が初めてかすかにでも感じられたような気がします。印象的なのは全体に音がまろやかになったことでしょうか。私はまだルームアコースティックまで頭と予算が追いついていないこともありヘッドフォンで聴くことが多いのですが、これまで耳に刺さってトゲのように感じられてきた不快な響きがかなり減っています。今までよりも長く聴き疲れせず楽しめるようになり、試聴のつもりだったのにメモをとるのを忘れてしまいました。とても心地よい音に変わって大満足です。

一つ誤算だったのは、RE-9の電源をシステムと共通にしなければならないことでした。件のT社の製品はそれ自体がノイズを発するためシステムへの影響を避ける意味で電源を別にした方がいいとどこかで読んだので、RE-9もそのつもりでいたんですよね。幸い愛用中のRTP-2 absoluteはコンセントが片方空いていましたから問題ありませんでしたが、先述のように今後フォノイコライザーを導入するなどシステムの拡張を考えるとRTP-4 absoluteへのアップグレードも視野に入れなくては…。
また、RE-9がノイズ源となり得るだろうかという疑問も少々気がかりですし、新製品のアースケーブルREWシリーズとの複合効果は当然気になるところですから、アースにはますます悩まされそうです。とはいえ楽しい悩みにはなりましたけどね。

以上、生産完了品のレビューになってしまい恐縮です。しかし今年だけで少なくとも二度別の場所で出品されているのを見ていますから、まめにチェックすれば手に入れるのは難しくないかもしれません。私が購入した個体が再び市場に出ることは今のところ考えられないですが。

最初の投稿でRE-9がノイズ源として作用するかどうかが気がかりだと記述していましたが、その後アースケーブルの製作などお願いするなかでKさんからその心配はないとご回答を頂きました。

REWシリーズ2種の比較については僭越ながらこちらに投稿しております。
https://acousticrevive.jp/xoops/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=6304&forum=66